不妊治療を続けているのに、妊娠できずに悩んでいる女性は、一人で悩んでいることも多いでしょう。不妊で辛い思いをしている人の気持ちや、不妊治療での体験談などについて取り上げますので、辛いのは自分だけではないことを知っていただけたら幸いです。
「不妊に悩んでいるけど、悩みを打ち明けられない」「友達や周囲の人の妊娠を聞いて、素直にお祝いできない」そんな自分に悩んでいるという人はいませんか?そんなときには、一人で悩んでつい自分を追い込みがちです。
ここでは、同じようにつらい思いをしている人の気持ちや、不妊治療の体験談などを紹介します。実際に不妊治療をした人の話を聞き、辛いのは自分だけではないということを知り、前向きに考えていきましょう。
赤ちゃんが欲しいのに、なかなか妊娠できないという女性は意外に大勢います。実は、3人に1人は妊娠できずに、悩んでいる女性がいるという事実があるのです。
20~40代の男女約27000人にアンケートをとった結果、将来こどもを授かりたいと思っている男女は、約半分いました。しかし、その中で不妊に悩んでいる割合は、女性の33%とかなり多いことがわかっています。
「まさか自分が不妊で悩むとは思っていなかった」と、多くの女性が大きな悩みを抱えています。
不妊で悩んでいる女性の多くは、「避妊しなければすぐに妊娠すると思っていた」という人がほとんどです。しかし、周りの友達が妊娠していく中で、自分はなかなか妊娠しない現実。
まさかの事態に動揺やいら立ちも大きい中で、さらに義理の両親からのプレッシャーや、友達からの言葉に落ち込んだり焦りを感じて、悩んでいます。
まさか自分が不妊症だとは思わずに、不妊検査を受けるとは思いもよらなかったこと。
しかし、実際に検査してみると、卵巣がうまく働いていないかもしれないと診断を受けるものの、原因はわからず…。こんなふうに、産婦人科を受診してはじめて不妊だとわかり、悩み苦しむ女性が大勢います。
不妊治療と一言でいっても、肉体的苦痛に苦しむ女性はたくさんいます。たとえば、毎日の服薬と通院で、肉体的な苦痛を伴う場面が多いことが現実です。
不妊治療は大きく分けて、3段階の治療法があります。排卵日の前後に性交する「タイミング療法」「人工授精」「体外受精」の三つです。段階が進むにつれ、痛みを伴う治療も増えていきます。体外受精の治療をした人の体験談では、「薬の副作用で体調が悪くなり、不安も大きかった」「卵子を採取する際に痛くて声が出る」「術後、お腹が痛くて歩くのがつらい」などの声があります。
また、人工授精の治療を受けた人の体験談では、「器具で膣を広げられ、精子を注入されるとき表現できない痛さに襲われ、治療時間は短かったけれどとても長く感じた」「薬(黄体ホルモンを増やす薬)を飲んだら吐き気がする」などの声があがっています。
不妊治療中には、精神的につらい経験をされる人はとても多いです。具体的にみていきましょう。
不妊治療はステップアップをすればするほど、痛みも増します。しかし、つらい治療を受けているのに、なかなか成果が出ないと落ち込んでしまいます。
自分より年上の女性や、あとから結婚した人が妊娠・出産をする中で、「自分だけどうして妊娠できないのだろう」という気持ちが大きくなっていきます。また、治療には通院を伴うので、仕事との両立に悩む女性も多くいます。
自分の妊娠に希望が見えないと、他人の妊娠も素直に喜べずに、憎らしく思ったり傷ついたりします。そんな自分に嫌気がさし、自己嫌悪に陥る人も少なくありません。
しかし、周りは子持ちの人ばかりで相談できずに、一人で悩みを抱えている女性も大勢います。
現代の日本において、「結婚したら子どもがいて当たり前」という考えが世間一般にはあり、それらは不妊の女性に大きな苦しみを与えます。まだまだ「結婚=子ども」という考え方が、根強く残っているのです。
たとえば、近所の人や主婦の友達と話すと、出てくる子どもの話題。まだ子どもがいない家庭は、「早く作ったほうがいい」「子どもはいい」などといわれますが、子どものいない家庭すべてが、子どもが嫌いだったり、好きで子どもを作らなかったりするわけではありません。
「不妊」という言葉の認知度も上がり、欲しくても子どもを作れない人もいるという事実も、広まりつつあります。しかし、「子どもができなくてかわいそうな人(夫婦)」という憐みの眼差しを向けられ、それがつらく感じることも事実です。
言葉で傷つくのは、他人からだけではありません。家族からの言葉でも傷つくこともあります。家族だからこそ、不用意な言葉を発してしまい、それによって感じるつらさは大きいようです。
夫婦どちらも、子どもがほしいという願いはあるものの、その気持ちの度合いが違えば、行動や言葉にずれが生じます。そして、それが喧嘩や不仲、離婚の原因になることも珍しいことではありません。つい、妊娠したいという気持ちが高ぶり、行動を強要されたりすると、窮屈になってしまいます。
不妊に夫婦で向き合う場合も、妊活の話ばかりせずに、いつも笑顔で相手を思いやって過ごすことが大切です。
「妊活中、妊娠したいのにできずに泣いたり、暗い気持ちになったりしたけど、もっと前向きに明るい気持ちで過ごせばよかった」と、不妊を乗り越えて出産した女性は語っています。妊娠し出産して育児をすることは、とても幸せで毎日が楽しいと思いがちですが、子育てはそれほど甘くありません。
妊娠中から食事や運動などの制限もありますし、出産したあとも、自分のやりたいことをする時間もあまりとれません。また、子どもが生まれてからでは、夫婦二人の生活はなかなか味わえません。子供ができる前に、夫婦二人の生活を楽しみ、ときにはつらい治療を頑張っている自分を、思い切り甘やかしてストレスをためないことも大切でしょう。
妊娠できずに悩んでいる人にとって、周りの何気ない一言は、とても大きく影響するものです。たとえば、「子どもは?」の問いかけの重みを、今一度考えてみることは大切でしょう。
不妊で悩んでいる人にとって、「子どもは?」の一言は、とても重みのある一言です。この質問にどれだけ傷つき、返事をするのにどれだけつらい思いをしているでしょうか。落ち込んだり悩んだりしていても、その気持ちは人にはなかなか話せずに、自分の気持ちを必死で隠し、つらくてどうしようもない思いを抱えることでしょう。
周りの人の一言や言動で、不妊治療中の人の気持ちも変わってきます。子どもを持たない選択を、特別視しないことが周囲の人にできるベストな行動です。
妊娠できずに悩んでばかりいては、自分が疲れてしまいます。つらい気持ちを抱え込まずに吐き出して、楽しく妊活する方法を見ていきましょう。
妊娠するために、何かを続けることはいいですが、それが自分にとって苦痛だったり、無理してやったりしている場合は、それを一度やめてみましょう。せっかく頑張っても、ストレスになってはマイナスの行動になってしまいます。
かといって、暴飲暴食をしたり夜更かしをしたりなど、不健康な生活をしていいというわけではありません。ただ、「22時までに寝なくては」という気持ちで頑張るより「今までより30分早く寝よう」というスタンスのほうが、気持ちも楽になるのではないでしょうか。
また、「いつ妊娠できるかな」「妊娠できなかったらどうしよう」など、不妊についてばかり考えずに、「頑張っているんだから、そのうち授かる」という気持ちでいたほうが、リラックスして過ごせるでしょう。
SNSサイトでは、日々の生活やうれしい出来事などを載せている人が多いです。そのため、サイトを見ていると、多かれ少なかれ、周囲の妊娠や出産の報告を目にするでしょう。
その場合、不妊中の人にとって、つらい気持ちや焦りの原因になってしまいます。つらくなったら一度サイトから離れて、別のものに目を向けてみましょう。
妊活中には、子どもができれば幸せになれると考えがちです。しかし実際に授かってみると、一人の時間はほぼなくなり、夫婦二人の時間を作ることもなかなか難しくなってしまいます。
子どもができてから、初めて意識することも多いかもしれませんが、今しかやれないことも多くあることも事実。したがって、今のうちに一人の時間や夫婦の時間を、大いに楽しみましょう。
不妊治療は肉体的にも精神的にもつらく、妊活の期間中の周囲の言動に、傷ついたり悩んだりすることもたくさんあるでしょう。一人で抱え込むと、暗い気持ちになったり周りに当たってしまったりします。そうすると、周りや家族との関係もぎくしゃくすることに。
そんなときにはため込まずに、思い切り泣きましょう。そして、そのあとは前向きに捉え、無理をせずに自分のペースで妊活を行いましょう。