3日で終わったから、生理じゃなくて着床出血?など、妊娠を意識する人にとっては、妊娠したがどうか判断する方法は非常に気になるところです。そこで、生理が早く終わる原因や、妊娠したときに起こる症状や対策、妊娠検査薬を使うタイミングを解説します。
「生理が3日で終わった」としたら、あなたはどう考えますか。病気かも、と不安に思う人もいれば、もしかして妊娠したのかも、と心当たりがある人もいるかもしれません。特に妊娠を希望している人にとっては、妊娠の可能性が高まる出来事として、つい期待してしまいがちです。
生理がくるかどうかは、妊娠を判断する基準の一つです。しかし、生理が早く終わったからといって、妊娠したとは限りません。ここでは、妊娠したときに起きる症状や、生理が早く終わる理由についても解説します。
子宮の中では、周期的に赤ちゃんが生まれるためのベッドづくりが行われます。このベッドを子宮内膜といい、受精卵が無事に着床できれば、子宮内膜は赤ちゃんに栄養を与えるベッドになります。しかし、そもそも受精しなかったり、受精卵が着床できなければ、不要となった子宮内膜は体の外に出ます。これが「生理」です。
生理が起きる仕組みから考えても、妊娠していれば生理は来ません。しかし、妊娠していたとしても「不正出血」が起きることで、「生理のような出血」が見られるケースがあります。
不正出血は何らかの理由で、子宮やその周囲から起きる出血を指し、生理とはもともとの理由が全く異なります。その理由もいろいろあり、特に問題もなく妊娠へも影響を与えないものから、早急に治療をしないとならないものまであります。
生理が早く終わった場合には、どのような理由があるのでしょうか。それとも、妊娠していないのでしょうか。
無排卵とは、文字通り排卵のない生理のことです。生理の量も少なく期間も短い(1~3日程度)うえに、生理周期が特定しづらいという特徴があります。
その原因は、ホルモンのバランスが悪く、排卵がうまく起こらなくなるため、出血量が減ってしまうためです。ストレスや冷え、栄養の偏り、そのほかの病気などで起こるため、誰にでもありうる状態です。
対策としては、妊娠の希望がある場合は、基礎体温で排卵の有無を確認しましょう。黄体機能不全などがある場合は、投薬治療を行うことで少しずつ改善していけます。妊娠の希望がない場合は、無理に排卵を行うと卵巣の負担になってしまうことから、漢方薬などを活用した治療や生活改善をしつつ、基礎体温が排卵周期になるかをチェックしていきます。
不正出血とは、さまざまな生理以外の理由で起きる子宮からの出血を指します。もともと生理不順がある人は、不正出血と生理の見分けがつかずに、妊娠を見逃してしまうケースもあります。
原因として考えられることは、生理不順やクラミジア感染、子宮頸がんなどの可能性もあります。生理不順によるものと分かれば、様子を見ることもあります。しかし、生理以外でも出血が起きるため、貧血になってしまう場合もあります。
不正出血をした場合、病気の可能性を含めてさまざまな理由があるため、まずは病院で検査を行いましょう。生理以外のタイミングで、何度も少量の出血がある人は、特に受診をおすすめします。治療方法としては、生理不順がひどい場合は、ホルモン治療で周期を整えることもあります。
また、子宮体がんなどがんの可能性が見つかれば、早期の治療やリスク減少のための対策が行えます。そのため、妊娠の可能性がある人もない人も、一度検査を行ったほうが安心できます。
軽いとはいえ生理が起きた場合、妊娠の可能性は確実にゼロと言いきれるのでしょうか。答えは「ゼロではない」です。もし性行為をしたあとの生理であれば、軽い生理だから妊娠ではない、と判断することは危険とされています。
着床出血のように問題のない出血や、妊娠によるホルモンバランスの変化で、生理のように見える出血が起きることもあります。これらは特に問題ないのですが、切迫流産や切迫早産による出血の可能性も否定できません。これを「軽い生理が不規則に来てるだけかな」と判断して放置していたために、臨月まで妊娠と思わず過ごし、突然陣痛がくるケースもあるそうです。
生理の量が妙に少ない、やたらと期間が短い場合は「軽い生理だな」など自己判断せずに、それ以前に性行為があれば、婦人科で相談してみましょう。また、妊娠反応が出るか、検査しておくことも大切です。
妊娠した場は、どのような症状が起きるのでしょうか。
つわりは、妊娠に伴うホルモンバランスの急激な変化による、さまざまな症状の総称です。
体内のホルモンバランスが変化することと、さまざまなホルモンが作用するために、吐き気や胃痛、便秘、下痢などが起こることがあります。つわりは治せないということが、大前提です。また個人差が大きく、吐きつわり・食べつわり・眠りつわりなど人それぞれ違うため、対応も変わってきます。
特に多いのが吐き気を伴う吐きつわりで、食べても吐いてしまい栄養が摂れない、食べてないのに吐き気が続くというつわりです。以下のような対策方法がいくつかあるので、自分の無理のない範囲で行っていきましょう。
まるで、風邪にかかったような症状が起きるケースもあります。妊娠したときと、風邪との見分け方を確認しましょう。
妊娠と風邪が似ている点は、微熱や頭痛、だるさ、吐き気などの症状がでることです。妊娠した場合、高温期が維持されるので、体がいつもより温かく、ほてり感や熱っぽさなどを感じてしまいます。妊娠の可能性があるなら、自己判断で内服を行うことは避けたいところです。風邪か妊娠初期症状か、見分けることが大切です。
二つが違う点ですが、妊娠の場合は、ウイルスが原因である喉の痛みや咳などは起きにくいことがあげられます。喉のゴロゴロ感や咳は、ウイルス感染によるものと考えられ、妊娠初期症状では起こりにくい症状です。
しかし、中には喉のゴロゴロ感を感じた人もいるため、症状だけでは見分けがつきにくいのです。妊娠検査薬を使うことが確実ですが、もう一つ大切なことは、基礎体温による判断です。
基礎体温を普段から測っておくことで、基礎体温が高い状態が続いているかどうかが判断できます。そうすれば、体の熱っぽさにも理由がつきます。この高温の状態が2週間ほど続き、さらに生理予定日より遅れていることが分かれば、妊娠の可能性がより高まります。
ただし、こうした変化は、普段から基礎体温表をつけておかなければ、気が付くことは難しいところです。妊娠を希望する人は、体の変化に気が付くためにも、普段から基礎体温表を作っておくとよいでしょう。
妊娠後期ではお腹が大きくなり、膀胱が圧迫されるため、頻尿になる人が多くいます。しかし、妊娠超初期でも頻尿になる可能性があります。
プロゲステロンは妊娠継続のために欠かせないホルモンで、赤ちゃんの成長に合わせて大きくなるように、子宮の筋肉が弛緩する働きかけます。しかし、プロゲステロンは子宮の筋肉以外に、血管や消化管、尿路なども弛緩させてしまうのです。
お腹が冷えると、頻尿が起きやすくなるため冷え対策は欠かせません。また、普段からコーヒーなどカフェインを飲む機会が多い人は、摂取量を抑えましょう。全くとったらダメというわけではありませんが、利尿作用のことを考えると、カフェインレスなどを飲んだほうがいいでしょう。また、無理に尿意を我慢したり、就寝前に水を飲みすぎたりしないようにすることも大切です。
妊娠が分かったときの状況は、人によって異なります。たとえば「足の付け根が痛くて体が妙にだるい」「急に気持ち悪くなり、吐き気が続いていた」「生理予定日より前にご飯の臭いがダメになって、もしかしてと感じた」「おっぱいが張ってトイレの回数が増えた」といった症状から、検査して妊娠が分かった人も多いようです。
また、妊娠に気づいたタイミングですんなり禁煙できたり、意識の切り替わりを感じた人もいるようです。妊娠後3週間を迎えるまでは、薬の影響は出ないといわれていますが、油断は禁物です。少しでも妊娠の可能性があれば、妊娠検査薬を使ったり、受診したりすることも視野に入れましょう。
妊娠検査薬を早く使いすぎると、正確な結果が出ないことがあります。次の生理開始日を1週間くらい過ぎた頃、もしくは前回の生理が終わってから35日以降を目安に、検査をすることが大切です。
あまり早く検査してしまうと、本当は妊娠していないのに、万が一反応があった場合、妊娠を期待した分だけショックが大きくなってしまいます。したがって、確実に結果が出るように、反応が出る期間になってから調べるようにしましょう。
生理は、女性の体の変化のバロメーターです。何かいつもと違うと思うことがあれば、いつ頃からその生理があり、いつもとどう違うのかを踏まえて、婦人科に相談しましょう。症状がないことから気にしなかったり、生理が来たと思って妊娠を見逃してしまったりなど、妊娠初期の症状は多様です。
また、妊娠していなかった、あるいは望んでいなかった、心当たりがなかったとしても、何か病気が隠れている可能性を忘れてはいけません。治療で問題なく過ごせるケースも多いので、ぜひ相談してみましょう。