2018.08.08

射精後の残尿感とは。男性に起こりやすい病気や原因を理解したい

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射精後の残尿感に夫が悩んでいるなら、残尿感の感じる原因や理由を調べてみましょう。女性には分かりにくい病気や、精神的なストレスも考えられます。病気が原因なら、妊活に影響が出る場合も考えられるので、夫婦二人で協力して改善策を調べてみましょう。

射精をすると残尿感があるのはなぜなのか

射精後にすぐにトイレに行く男性の場合、射精後の残尿感からそういった行為になることが多いのです。射精後になぜ残尿感があるのか、女性からはわからないので心配に思う場合もあります。射精後に残尿感を訴えるのはなぜなのか、調べてみましょう。

射精後の残尿感の原因として考えられること

正常な射精の場合、男性が残尿感を覚えることは、ほぼありません。残尿感があるのは、何か病気などの原因によるものが考えられます。射精後の残尿感の原因を考えてみましょう。

細菌が感染したことによる膀胱炎

細菌が尿道から膀胱に侵入して感染する膀胱炎により、射精後に残尿感がある場合も。膀胱炎は疲労やストレスなど、体力が落ちて抵抗力が無くなったことが原因で、細菌に感染しやすくなって発症することが考えられます。

何度もトイレに行きたくなったり、残尿感を覚えたり、排尿後に痛みがあったりする場合や、尿に血が混じっているなどの症状が現れたら、泌尿器科を訪れましょう。膀胱炎は女性にも多い病気です。一度発症すると、繰り返し起こる場合もあるので、専門医で正しい治療を行うことが最善策になります。

男性のみがなる前立腺肥大症

男性のみが発症する前立腺肥大症は、年齢的な問題で、男性ホルモンの環境が変化することで、前立腺が肥大するのではないかと考えられています。前立腺が肥大することで、尿道が圧迫されて尿が出にくい、頻尿気味になる、残尿感があるなどの症状が現れます。

前立腺が肥大することで尿道が細くなることから、一度の排尿で全ての尿を出し切れず、膀胱に尿が残ってしまうことで、残尿感を感じることがあります。その状態のまま治療せずにいると、残尿感も感じなくなり、膀胱に尿がたまっていき、ほかの病気を発症することもあります。

男性の50代で30%、70代には約70%、80代では約80%が前立腺肥大症だといわれています。前立腺肥大症の全ての人に症状が現れるのでなく、気づかない程度の症状の場合が多く、全体の30~40%の人に強い症状が現れるといわれています。

尿路に問題がある血精液症

血精液症は、尿路や精路、膀胱に障害があり、精液に血が混じることで気づくことが多いようです。人によっては会陰部や下腹部に不快感を覚える場合や、頻尿や残尿感を感じることもあります。尿路血栓や、前立腺がんなどの病気が原因の場合もありますが、ほとんどの場合は「突発性血精液症」なので、1~2カ月程度様子を見ているうちに治ってしまいます。

精液に血液が混じっていたり、残尿感を感じたりすることがあり、様子を見ても変わらずに血液が混ざっているようなら、受診することをおすすめします。

病気やケガが引き金となる神経因性膀胱

病気やケガが原因となって、神経因性膀胱と呼ばれる病気が発症している場合もあります。脳梗塞や脳卒中など、神経の損傷により、脳から膀胱や尿道への指令が行われなくなり、頻尿や尿失禁、尿がうまく出せないなどの症状が現れる場合があります。

もしも、そういった病気を過去に発症している場合は、その際の神経損傷が原因となっている場合もあるので、専門医による診断を受けることをおすすめします。

細菌感染による前立腺炎

射精後の残尿感は、細菌などの感染による前立腺炎が原因の場合もあります。尿道からクラミジアや大腸菌が入り込み、前立腺で菌が増殖することで、炎症を起こして発症します。ストレスや疲れが原因で、抵抗力が弱くなっているときに感染しやすくなります。

頻尿や残尿感、排尿痛や会陰部から睾丸にかけての鈍痛などの症状がある場合や、全く症状が現れずに炎症が進んでいくこともあります。感染した菌に対する、抗菌作用のある抗生物質を投薬することで改善されます。

射精後の残尿感への対処法

射精後に残尿感を感じないようにするためには、どのような対処が必要なのでしょうか?日常生活の中で気を付けるべきことなど、専門家で受診する前に、自分で改善するための対処法をみてみましょう。

水分を多めに摂る

膀胱炎などが原因の場合は、水分を多く摂ることで、膀胱内にたまった細菌が押し流されて、細菌が減少し炎症による残尿感が自然に治る場合もあります。

1日の水分摂取量を多く摂るように心がけ、尿意を我慢しないようにすることがポイントになります。

漢方薬を服用する

前立腺肥大による排尿困難や尿勢低下、夜間頻尿の症状には、漢方薬の投与も効果があります。疲れやすく、意欲が低下し、だるさ、しびれ、性欲減退、排尿障害などを伴う場合、自分の体質や症状に合った漢方薬を、専門医で処方してもらうとよいでしょう。

漢方の診察は、排尿困難の症状だけにポイントを置くのでなく、「気、血、水」の考えから身体の不調を総合的に判断し、排尿困難の背景にある原因を探って、漢方薬を処方します。一般的な処方薬が合わない場合や、副作用の問題で使用できない場合は、漢方薬で治療することが望ましいとされています。

体を温める

前立腺肥大症の人は、日頃から長時間クーラーの効いた寒い部屋に居たり、プールや海に長時間浸かり、身体を冷やすことが原因で、膀胱や尿道が狭くなり排尿困難になる場合があります。

したがって、毎日温かいお湯に浸かり、身体を温めることがポイントになります。

定期的な射精を心がける

前立腺は、精液の射精を助ける働きがあるので、射精を行うことで血流も良くなり、前立腺の劣化を防いで、前立腺肥大を防ぐ効果が高まります。射精回数が少ないと、前立腺内で常に作られる前立腺液が排出されず、残り組織のガン細胞化を招く恐れもあります。古い前立腺液を残さないためにも、定期的に射精することが望ましいです。

40歳代男性の射精回数と、前立腺ガンの関係を調査した結果によると、月に21回射精をした人の場合、22%もガンになる可能性が低いということが判明しています。月に21回となると、週に5回射精しなくてはなりませんが、最低でも毎週2回程度射精することで、前立腺ガンになるリスクを低くするといわれています。

スクワットで足の筋肉を鍛える

前立腺肥大を防ぐ運動を取れ入れることも効果的です。たとえば、スクワットをすることで、下半身や太ももの筋肉や前立腺の周りの筋肉が鍛えられ、血流が良くなることで、前立腺肥大のリスクを低減するといわれています。

さらに、尾?骨付近や睾丸付近の筋肉も鍛えられ、血流がアップされることで、勃起力を促す効果も期待できます。

生活の改善で前立腺の老化を防ごう

生活環境を整えて健康に保つことで、前立腺に関係する病気を防げます。射精後に残尿感を感じる場合は、生活環境を変えてみたり改善したりすることで、前立腺の老化や改善が望めます。

夫や彼氏が、射精後に残尿感を訴えるのであれば、食生活や運動など、女性も一緒に生活環境を変えてみることで、夫婦生活や妊活につながるでしょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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