2018.08.08

着床出血を大量に起こしたら。しくみや生理と見分けるポイント

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生理とは違う着床出血。しかし、生理とどこが違うのかまでは知らないという方もいるのではないでしょうか。生理と着床出血の違いやしくみを知ることで、その出血がどうなのか見分けることができますので、知識として覚え、判断できるようになりましょう。

いつもと違う生理は着床出血の可能性がある?

生理だと思っていたら、何かいつもと違う出血だなと感じるときがあるかと思います。これを着床出血なのではないかと、疑う人もいるのではないでしょうか。

二つの違いを知ることで、その出血が生理なのか着床出血なのかが判断できます。着床出血とはどういうものなのかを知り、さらに大量に出血をしていた場合も、どうしたらよいのかについても紹介していきます。

着床出血とは何か

聞いたことはあっても、具体的にまでは知らない人も多い着床出血。この着床出血とは、そもそもどういうものなのかを知りましょう。

着床時に見られる出血

排卵日から1週間後に、精子と卵子が受精した受精卵が、子宮内膜に着床するときに生じる出血のことを、着床出血と呼びます。受精卵が子宮内膜に着床するために、潜り込むときにできる傷から出血するためです。このときに見られる出血は、少量だといわれています。

出血量は人それぞれ

着床出血は、誰にでも起こることではなく、着床出血を起こさなかった人は多くいます。着床出血を起こした場合は、おりものにピンクが少し混ざっている程度です。

数滴の鮮血だったり、生理と同じくらいの出血量だったりしますが、生理と違うことは、2日~3日で終わるというところです。どのくらいの出血量があるのかは、人それぞれで異なります。

時期は生理予定日前後

受精卵が子宮内膜に着床するのは、排卵日から1週間後となっています。つまり、基礎体温をきちんと付けていた場合は、その出血が排卵日からいつ頃起きたのかがわかります。また、生理か着床出血かどうかも、判断できるでしょう。

反対に、基礎体温を付けていなかった場合は、もし排卵日がずれて生理予定日あたりに出血したとしたら、生理と間違いやすくなってしまいます。

生理との見分け方

基礎体温を付けていれば、その出血が生理か着床出血なのかが判断はできますが、基礎体温を付けていない方もいるでしょう。仮に付けていても、判断が正しいかどうか心配という方もいるかと思います。そんな着床出血と生理の見分け方を覚え、判断してみましょう。

出血量が少なく出血が続く期間が短い

着床出血は生理と比べると、出血量は少なく鮮血で、さらに生理の独特のにおいもないということがあります。生理は1週間ほど続くことが通常ですが、一方で着床出血の場合は、2日~3日程度がほとんどです。

しかし、通常は短い日数で終わる着床出血でも、1週間ほど続く可能性もあります。その場合は、妊娠検査薬を使って確認してみましょう。

体温の変化

基礎体温を測っていれば、体温の変化がよくわかります。必ず変化があるので、もし着床出血を起こした場合は、妊娠によって高温期が続いているはずです。

もし生理だとしたら体温は下がっているので、低温期となっているはずでしょう。基礎体温を計測していれば、明確に体のリズムがわかるため、計測することをおすすめします。

着床出血の場合は妊娠初期症状が出てくる

もし着床出血の場合は、妊娠したことによる初期症状が出始めます。体調に変化が現れますが、生理前症候群に少し似ています。すべての初期症状が現れるわけではありませんが、大体、眠気やつわり、体のだるさなどの変化が体に現れます。

もしそういった症状を起こしたら、風邪だと判断せずに、思い当たる節があれば、妊娠検査薬を使って確認しましょう。妊娠検査薬は、生理予定日から1週間後から使えるものばかりですが、なかには生理予定日から使える検査薬もあるので、そちらを使いましょう。

生理以外の可能性

出血を起こしたら、なぜ出血をしたのかと不安に思うでしょう。しかも大量の出血だった場合、「生理かも」と思うかもしれませんが、生理以外の可能性も否めません。そんな生理以外の可能性のある出血に関して、お伝えしていきます。あらゆる可能性があることを覚えておきましょう。

着床時に子宮内膜が剥がれた

着床出血が起きるとき、そのときに子宮内膜が少しだけ剥がれてしまって、それが排出された場合にも、生理と同じくらいの出血をする場合があります。着床出血は、本来は少量の出血量ですが、ここで生理のような出血量だった場合には、その原因は「黄体機能不全」というホルモン異常の可能性があります。

黄体機能不全は、ホルモン異常によって高温期が続き、そうすると不正出血なども起こしやすくなるといわれています。

異常妊娠による出血

受精卵が子宮内膜に着床して、胎胞ができることで妊娠しますが、子宮内膜以外に着床してしまうと、子宮外妊娠と呼ばれる異常妊娠になります。これでは正しい妊娠とはいえず、妊娠を継続することはできません。もし子宮外妊娠をしていても、妊娠検査薬では陽性反応を起こします。検査薬で陽性反応が出たあとに、ひどい痛みを感じたら、それは子宮外妊娠の可能性が高いです。

そのほかにも、胞状奇胎という異常妊娠もあり、本来は受精卵が着床すると、絨毛というものが子宮内膜に根を張って胎盤を作ります。しかし、胞状奇胎は絨毛が異常を起こし、子宮内いっぱいに増殖して、それが胎児を吸収してしまうというトラブルです。

この場合も妊娠は継続できず、手術して子宮内をきれいにする必要があります。妊娠初期から出血を起こすのが胞状奇胎であり、重いつわりや初期からむくみなどがあると、胞状奇胎の可能性があるため注意しましょう。

流産の場合

流産は生理予定日前の時期には、その可能性は少ないとされているので、心配する必要はないでしょう。しかし、妊娠検査薬で陽性反応が出ても、胎嚢が確認できない頃に流産する「化学流産」につながる可能性はあります。

生理予定日を過ぎ、まだ胎嚢を確認していないときに、塊のようなものが出てきてしまった場合は、大変危険です。進行流産や切迫流産の可能性があるため、すぐさま病院で受診する必要があります。

不正出血の場合

生理と同じくらいの期間の出血が続くのに、流産の可能性や異常妊娠の可能性、そして着床出血の可能性がなかった場合、何かしらの病気が隠されている可能性があります。どのような病気が隠されているにせよ、なぜ不正出血が起きているのか一度知るためには、病院で受診して医師の判断をもらいましょう。

もし問題なければ安心できますし、問題があれば早い処置ができるので、手遅れになるようなことはないでしょう。できるだけ早めに対応することが重要です。

出血以外の症状に注意して早めに受診を

出血を起こすと着床出血を疑うかもしれません。しかし、もし出血量が多いと不安になってしまうこともあるでしょう。着床出血の出血量には個人差があるため、着床出血の症状であれば問題はないでしょう。

ところが、出血以外の症状にも注意する必要があります。隠された病気もあるので、もし生理以外での出血があれば、早めに受診することをおすすめします。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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