着床出血は、受精卵が子宮内膜に着床するときに起こりますが、多くの人が2~3日ほどと短い期間で終わります。出血が長引く場合、不正出血や流産の可能性も考えられます。着床出血のメカニズムを知り、不安なときは自己判断せず病院で診てもらいましょう。
着床出血は、月経の1週間前から月経予定日前くらいまでの間に、一部の人に起こりますが、期間は2~3日程と短い場合が多いです。こんな知識があれば、着床出血と思われる出血が、1週間続いたとしたら不安になってしまいますね。
この記事では、着床出血が1週間続く原因やその特徴、そして生理との違いなどについて取り上げていきます。メカニズムをしっかりと把握して、不安を取り除いていきましょう。
長引く出血が不正出血ではなく着床出血である場合、ホルモンによる影響の可能性があります。妊娠が成立した場合、hcgホルモンが分泌されるのですが、妊娠初期の段階ではまだhcgホルモンの分泌が少ないため、卵胞ホルモンや黄体ホルモンに月経を止める指令を出す力が弱いため、出血が長引いてしまうことがあります。
卵胞ホルモンと黄体ホルモンが減少する事によって生理のように出血が長く続く場合があります。しかし、hcgホルモンは分泌量が次第に増えるのでしばらく経つと落ち着くでしょう。
着床出血と見られる出血が長引いているのが、ホルモンバランスの影響という場合もありますが、自己判断は難しいです。もしも、出血が続いた場合、どのような点に注意すべきか確認しておきましょう。
着床出血と不正出血は、違いが分かりにくいため、着床出血だと思っていたら、不正出血だったという場合もあります。不正出血の原因としては、子宮頸がんや子宮内膜炎、子宮筋腫、子宮内妊娠などの疾患の可能性があるため、出血が長引く場合は、自己判断して放置せずに、病院で受診することが大切です。
なかでも子宮外妊娠は、つわりのような妊娠初期症状が見られることもあります。しかし、正常な妊娠ではないため、放っておくと卵管破裂による大量出血を招く可能性があるので、放置しないようにしましょう。
流産をしていても、妊娠の初期症状が出る場合があり、着床出血に似た症状が起こることもあるため、注意が必要です。着床出血の場合、出血が起こる期間が短期間で、痛みが出たとしても、多くの人は下腹部がチクチク痛む程度の場合が多いです。
初期流産だった場合、下腹部に鈍痛を感じたり、大量に出血して、レバーの塊のようなものが出ることがあるので、鈍痛が続く場合や出血が止まらない場合は、すぐに病院で受診するようにしましょう。
着床出血が1週間以上続き、本当に着床出血なのか不安な場合は、妊娠検査薬で確認してみましょう。市販の妊娠検査薬を使用する場合、月経予定日から1週間後から反応するものが多いです。
ただし、着床出血中に妊娠検査薬を使用しても、ホルモンの影響で陰性になる可能性があるため、着床出血後5日程度たってから使用するとよいでしょう。万が一、子宮外妊娠であっても陽性反応が出ることがあるため、出血が多く不安な場合は、先に病院で診てもらいましょう。
着床出血かどうかを見分けるために、役立つ特徴は何でしょうか。着床出血は生理とは症状が異なるケースが多いです。どのような違いがあるか見ていきましょう。
着床出血は、月経に比べて出血量が少ない場合が多く、数日間で終わることが多いです。また、おりものに少し混じるような、少量のことが多いようです。
大体2~3日続く人が多いですが、なかには1週間近く続く人も。あまりにも出血が続くようだと、着床出血でなく、不正出血の可能性が高いので要注意です。
着床出血の場合は、鮮血ではなく薄ピンクのような色の出血が一般的で、おりものに血が混ざったような場合もあります。ただし、まれに薄い茶色や鮮血の場合もあるため、色には個人差があります。
個人差はありますが、質感は月経の出血のようにどろっとしておらず、サラッとしている人が多いです。
月経の場合は、鉄のような臭いが気になる場合がありますが、着床出血の場合はほとんど臭いが気になりません。着床出血は、受精卵が子宮内膜に着床したときに、表面を傷つけたことで起こる出血のため、新しい血なので臭いがあまりしません。
それに対し、月経の場合は血だけでなく、不要になった分泌物が多く含まれるため、空気に触れると酸化して、臭いの原因になります。
着床出血は月経予定日より早く起こるといわれています。大体排卵日の1週間後、つまり受精卵が子宮内膜に着床するタイミングで起こることが多いです。月経よりも期間は短く、気がつかない人も多いです。出血が起こった時期や期間を観察し、着床出血かどうか見極めてみましょう。
着床出血が起こるタイミングとしては、排卵日から1週間後、又は月経予定日の1週間前くらいが一般的です。排卵日の1週間後くらいに、受精卵が子宮内膜に着床するので、この時期に着床出血が起こる可能性が高いです。
しかし、排卵日が前後する場合があるため、着床出血が起こる日は、排卵予定日の1週間後から月経予定日前までと個人差があります。
着床出血が起こる期間としては、1~3日程度と短期間が多いです。ただし個人差があり、稀に1週間以上続く場合もあります。しかし、長く続くと不正出血の可能性や、月経が早まった可能性があります。
そのため、出血量や期間が気になる場合は、病院で診てもらうようにしましょう。また、着床出血かどうか見分けるには、基礎体温をつけておくことをおすすめします。基礎体温は高温期が続くと、妊娠している可能性が高くなります。
着床出血と月経や不正出血との違いは、出血量や起こる期間など少しずつ違いはあります。しかし、全ての人に起こるものではなく、個人差があるため見極めが難しいです。着床出血であれば、ほかにどのようなことが起こるのかみていきましょう。
着床出血の場合は、着床痛といわれる子宮付近や腹部辺りに、チクチクとした痛みを伴う場合があります。ただし、痛みには個人差があり、着床出血が起こっても全く痛みを感じない場合もあります。
着床痛には、まだ医学的な根拠がありませんが、受精卵が子宮内膜に着床するときに、絨毛といわれる根を張り、そのときに子宮内膜を傷つけて起こるといわれています。
着床出血と月経の違いを見つけることは難しいですが、基礎体温を測ることで区別できます。基礎体温は正常であれば、低温期と高温期に分かれます。これは月経の周期によって変わり、月経が来ると基礎体温は下がります。
妊娠している場合、子宮内の環境を整え、基礎体温を上げる黄体ホルモンが分泌され続けるため、基礎体温は高温が続きます。このように、出血後も基礎体温が高い場合は、妊娠が成立したことによる着床出血である可能性が高いです。
着床出血は全員に起こるものではなく、量や期間に個人差があります。しかし、期間が短く少量である場合が多いので、長引いたり大量に出血がある場合は、直ちに病院で診てもらうようにしましょう。
出血の様子だけで判断するのでなく、日頃から基礎体温をつけておくと、病院で受診するときに役に立ちます。また、自分の身体のサイクルを把握できます。異常を感じたら、自己判断しないようにすることが大切です。