2018.08.08

二人目不妊で体外受精が増加している理由とは。原因や対策を探ろう

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一人目の時は自然に妊娠出産しても、二人目はなかなか妊娠しない、二人目不妊に悩むカップルはたくさんいます。一度自然妊娠しているのに、二人目は不妊なのはどうしてなのでしょうか。その解決方法として、体外受精が選ばれる理由をみていきましょう。

一人目は自然妊娠でも二人目不妊の場合が多々ある

一人目の子供は自然妊娠で授かっているのだから、二人目もすぐに妊娠できるだろうと思っていたのに、定期的な性交渉でなかなか妊娠できないまま一年以上たってしまう状態を二人目不妊といいます。

自然妊娠による出産を経験しているのに、不妊になってしまう事は実は多くあるのです。なぜ二人目不妊になるのか、その原因についてみていきます。

二人目不妊で体外受精のケースが増えている

一人目を出産したものの、二人目を望みながら妊娠できないでいる夫婦は大勢います。晩婚化の影響で出産年齢が上がっていることも原因の一つです。

その解決策として体外受精を選ぶ人は増加傾向にあります。なぜ、体外受精を選ぶことになるのか。年齢とともに低下する生殖機能について説明します。

加齢による卵巣機能低下

一人目を出産していると、二人目もすぐに妊娠できると思いがちですが、家族が増えた分、一人目の時とは確実に環境が変わっています。子育てに追われて月日が経つにつれ、体の機能も年齢とともに低下していきます。加齢による卵巣の機能低下が、二人目不妊で最も多い原因です。

最近では、結婚年齢も上っていて、第一子を出産した時に35歳を超えているという人は少なくありません。高齢出産でも一人目を産んだことで、二人目も自然に妊娠すると思いがちですが、年齢とともに卵子も老化しています。

卵子は生まれた時から卵巣の中にあります。卵巣の中にある卵子も加齢と共に老化して、動きが鈍くなり受精しにくくなっていきます。体外受精で受精できた卵子でも、着床率は年齢とともに低くなっていき35歳で16.8%、40歳では8.1%まで下がるといわれています。

一人目出産による排卵機能の変化

一人目の出産が原因で、二人目不妊になることがあります。出産後は、生理が不規則になる人が多いからです。生理周期が乱れると排卵がうまく行われず、受精しづらくなります。また、出産後のクラミジアや淋病などの性感染症によって、子宮や卵管が癒着を起こしている場合もあります。

よく、一人目を帝王切開で出産していると、二人目が妊娠しづらいといわれますが、それは、帝王切開瘢痕症候群という症状で、手術でできた傷跡の凹み部分に経血が溜まり受精卵の着床の妨げになってしまうからです。

生活環境の変化によるストレス

初めての出産は喜ばしいことですが、お母さんの体にとってはかなり厳しい状態が続きます。2、3時間おきの授乳や世話で睡眠時間は削られ、体を休ませる時間はおろか食事を取ることもままならない生活でストレスがたまり、生理が再開しても量や期間が少なかったり不規則な状態になります。

また、育児で家に閉じこもりがちになり運動不足になると、血液の循環が悪くなり冷え性になりやすくなります。体の冷えはホルモンの分泌にも悪い影響与え、生理不順を引き起こします。産後はホルモンバランスが崩れやすく、排卵周期にも変化を及ぼし、排卵しづらい状態になります。

また、授乳中に生理が来ない人も多いです。これは、母乳を作るためのホルモンであるプロラクチンに排卵を抑制する働きがあるためで、母乳を与える回数を減らしたり断乳すると生理が再開されます。

もとから妊娠しづらい状態だった

もともと妊娠しづらい状態であるのに一人目を自然妊娠したために、自分が不妊体質であることに気づかない場合があります。

子宮内膜症や卵巣機能不全であっても全く妊娠しないという訳ではありません。そのため、病気があったとしても妊娠できると自己判断したり、あるいは病気に気づかずに放置している場合があります。

世界保健機構での不妊の定義は、「避妊をしていないのに12カ月以上にわたって妊娠に至れない状態」となっています。一年以上妊娠できない状態が続いているようでしたら、不妊症である確率が高いので、病院を受診することをおすすめします。

男性側の精子力の低下

不妊は何も女性ばかりに原因があるわけではありません。男性側に原因がある場合もあります。不妊に悩むカップルの約半数は男性側に原因があるといわれています。加齢によって機能が低下するのは男性も同じで、35歳を境にして精子の妊娠させる力が低下します。男性不妊の原因の90%を占めるのが、精子の数が少ない、精子の運動率が低い、正常形態の精子が少ない「造精機能障害」です。

また、精液の中に精子が全くない「無精子症」は、精子の通り道に問題がある「閉塞性無精子症」と通り道には問題がないが、精巣で精子がうまく作られない「非閉塞性無精子症」の二種類があり、前者は手術することで改善することができます。

加齢の他にも過度の喫煙や飲酒などの生活習慣やストレスが原因で精子の数や量、運動率が低下する場合もあります。不妊だと感じた時には、男性も精液検査を受けて、精子の状態に問題がないか調べる必要があります。最近ではスマホで検査ができるキットもあるそうです。

病院で受診し体外受精をおこなう

二人目不妊の原因に思い当たる節がある場合、早めに産婦人科を受診することをおすすめします。時間がかかればかかるほど卵子や精子の老化は進んでしまいます。

受診することで、それぞれのケースに合った不妊治療法を提示してくれますし、夫婦の年齢を考慮して体外受精をすすめられる場合もあります。

原因特定のため早めの受診

二人目不妊の状態が一年以上続いている場合は、夫婦で相談の上、二人そろって早めに受診し、妊娠できない原因を特定する必要があります。そこで、相談のうえ、原因や夫婦の年齢を考慮して不妊治療を開始します。通常、不妊治療は「タイミング法」、「人工授精」、「体外受精」・「顕微授精」と、段階的に治療を進めていきます。

「タイミング法」は、排卵時期に合わせて性行為を行う治療方法で、35歳未満の女性に対して行います。「人工授精」はマスターベーションで採取した精液を病院で処理してから、子宮に注入する方法。「体外受精」は、精子と卵子を体外で受精させてから子宮に戻す方法で、「顕微授精」は卵子に精子を一つ注入する方法です。

体外受精や顕微受精はあらかじめ受精、培養してから子宮に戻すので、タイミング法や人工授精に比べて妊娠する確率は高くなります。そのため、卵管が両方とも詰まっている、精子の数か極端に少ないなどが原因の場合は、タイミング法や人工授精は行わず、体外受精や顕微受精から始める場合もありますし、二人目不妊の場合は、年齢などを考慮して体外受精から始めるケースも少なくありません。

子供連れに配慮してくれる病院を選ぶ

二人目を希望して受診する場合、子供を病院に連れて行ってもよいのかという問題に直面します。不妊治療を専門としている病院だと、子連れお断りという病院は多く、以下の理由が挙げられます。

  • 患者の心情に配慮
  • 感染症対策
  • 治療を受けるお母さんの集中力がそがれる

子供を持ちたくても授かれない人が多く通っている病院ですので、そばで子供がはしゃいでいる姿をみせるのは忍びない、トラブルの原因になりかねないという配慮や、子供は流行性の感染症を持ち込むことが多いこと、子供に気を取られてお母さんが医師の指示や説明をよく理解できないことがあるということで、子連れでの受診はできない病院が多いのです。

とはいえ、小さい子供を預ける場所を探したり、引き取りの時間を気にしたりと、治療以外に気をつかわなければならないのは負担です。病院によっては、子連れ受診を相談すると時間を調整してくれたり、キッズルームのある病院もあります。中には、二人目不妊専門フロアを用意してお弁当を持ち込んで一緒に食べることができるイートインコーナーまである病院もあります。

また、体外受精の場合通院は10回以上に及ぶ事もあり、継続して通院することを考慮して、病院は慎重に選びましょう。

二人目不妊だと感じたら早期対応が大事

一人目を出産できたのに不妊になってしまう原因は、加齢による卵子の老化や精子の力の低下、さまざまなストレスなどが原因のホルモン分泌の変化による生理不順、病気による不妊体質に気がついていなかったことや、一人目を出産した時の手術痕や感染症などがあります。

不妊の原因は男性にも女性にも同等にあるといわれているため、不妊の状態が一年以上続いて二人目不妊だと感じたら、早めに受診して原因を調べましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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