生理前におきるさまざまな体や心の不調を月経前症候群「PMS」といいます。妊娠を期待する人にとっては、妊娠の初期症状と似た所もあるため、間違えてしまう場合もあります。見分けるのは難しいですが、過度に期待せず冷静に判断しましょう。
排卵後には妊娠に向けた体作りをし子宮の状態をよくする、プロゲステロンの分泌量が増えます。このホルモンは妊娠に必要なホルモンですが、同時に体に不調をもたらしてしまいます。
とくに生理予定日1週間前は体だけではなく精神的にも症状が悪化する、PMSが現れやすくなります。一方で妊娠をした場合でも早い人では、生理予定日前から妊娠の兆候が現れ、時期や症状がPMSに似ていることから、この段階で間違える人が多くいるようです。
生理前にはプロゲステロンの影響で、体にさまざまな症状が現れる月経前症候群(PMS)がおこる場合があります。症状や時期には個人差があり、月によっても変化があります。
PMSは生理予定日の1週間前頃から、症状が現れることが多いですが、個人差があります。PMSの始まりと終わりは人によりおもに4パターンに分かれます。短い人では、生理1週間前から始まり生理が始まると治まります。長い人では排卵日にはPMSの症状が現れ、生理が終わるまで続く人もいるようです。
そのほかでは、排卵日からPMSが始まり、生理が始まると症状が治まるタイプ。また、排卵日に症状が現れ一旦治まり、再び生理開始日数日前からPMSがおきるタイプがあります。
PMSは体だけではなく心にも影響を与えます。ストレスや生活習慣などで、月によって症状がひどくなったり、たくさん不調が現れたりします。種類も人によってさまざまです。
体に現れる不調としては、下腹部痛、頭痛、むくみ、便秘、眠気、肌荒れ、胸の張り、食欲増加などです。精神面では、イライラが多く、うつっぽくなったり、涙もろくなり情緒不安定になりやすくなります。生理1週間前は特に症状がひどくなる方が多く、リラックスして過ごすことが大切な時期です。
妊娠超初期症状は生理予定日を過ぎたあたりから現れることが多いですが、人によってはもっと早く現れる場合があるようです。
一般的な妊娠の兆候は、妊娠5週目頃から現れることが多く、生理予定日を過ぎた頃です。しかしまれに早い人で生理開始予定日の1週間前ほど前から症状が現れることもあります。
この段階で現れる人は排卵日前後に受精し1週間~10日ほどで妊娠の症状が現れていることになります。生理予定日1週間前ではPMSの症状が現れやすい時期と重なるため、PMSなのか妊娠の兆候なのか判断が難しくなります。
妊娠の超初期症状は、PMSと似ていることが多く、判断が難しい場合があります。妊娠をするとつわりが多くあげられますが、妊娠超初期段階ではまだつわりは現れるより、そのほかの体の不調が出てきやすくなるでしょう。
似た点では、だるさ、眠気、熱っぽさ、精神的な面ではイライラが続いたり情緒不安定などです。PMSで食欲増加ではなく吐き気が現れやすい人では、この段階でつわりが開始することもありますが、まだなんとなく調子が悪いという段階になります。
PMSと妊娠超初期症状は似ている点が多く、見分けることが難しいですが、違う点もあるようです。
PMSの症状として、下腹部痛がおこる方がいます。PMSは生理痛に似た子宮収縮の痛みですが、妊娠時の痛みは子宮近くの靭帯が膨張する痛みになり、チクっとした痛みになります。
また通常排卵日周辺で多いおりものが、生理前になっても続く場合や、味覚や食べ物の好みの変化などが変わる場合があります。しかし症状の違いは個人差やその月の体調にもより異なるでしょう。
精神的な面では、PMS、妊娠どちらでもイライラが続くことが多くあります。これはプロゲステロンが多く分泌されたことによりおこる症状ですが、妊娠した場合はいつものイライラの対象が違うこともあります。
今までは気にならなかった些細なことや、PMSではイライラしていなかったことにまでイライラしてしまうこともあります。しかし精神的症状の違いはストレスなどにも大きく関係があり、妊娠か見分けるのは難しいといえます。
PMSと妊娠超初期症状は似ており難しいですが、いくつか見分けるポイントがあるため知っておきましょう。
生理周期を知り妊娠につなげるためにも、基礎体温計を数カ月続けることは大切です。通常は生理が来るとガクンと体温がおちます。妊娠した場合には、生理予定日になっても高温期が持続します。
体温が下がらない、またはより体温が高くなった場合は妊娠の可能性もあります。しかし風邪など体調によっても変化はありますので、しばらく様子を見てみましょう。
着床出血とは受精卵が着床するときに、粘膜から出る傷によっておきる出血のことです。生理の出血とは違いごく少量の出血になります。
着床出血はまれに2日ほど続く人もいますが、あきらかに少量です。妊娠しても着床出血がないこともあります。生理ほど多くない出血でだらだら続く場合は、着床出血ではなく病気やホルモンバランスによる不正出血の場合もあるようです。
生理前のPMSと妊娠の超初期の症状は、とても見分けがつきにくく、自己判断も難しい時期です。妊娠を心待ちにしている人にとっては、期待してしまいますが、気持ちが先走ると生理がより遅れてしまうこともあります。
生理予定日前の段階では、心に余裕を持って冷静にリラックスした日々を送るようにしましょう。どちらもすべての人に症状が現れるわけではありません。生理予定日を過ぎても、高温期が続くようであれば、その時点で妊娠検査薬または病院で診断してもらうことをおすすめします。