生理不順であると、将来妊娠できるのか不安になる女性は少なくないでしょう。生理不順の場合、どれだけ不妊の可能性があるのか、生理不順でも妊娠をするにはどんなアクションをすればよいのかなど、ここでは、生理不順の原因と改善方法をみていきましょう。
毎月の生理周期がバラバラのいわゆる生理不順だと、「赤ちゃんが欲しくなったときに妊娠できるのかな」と不安を抱いている人も多いのではないでしょうか。なぜ生理不順は不妊症になりやすいのか、自身がどのタイプの生理不順なのかを知り、自分に合った生理不順の改善方法や治療方法をみていきましょう。
「周りの人は、生理が28日周期でくるみたいだけど私はきっちりこない」と不安を抱いている女性は少なくないでしょう。そして、妊娠を希望しているのになかなか妊娠しないのは、生理不順が原因ではないかと考えるようになるかもしれません。
一般的に、25~38日周期が月経の正常範囲だといわれていて、「生理の周期がバラバラ」という状態は、「生理不順」として定義されています。しかし、生理不順だからといって、かならずしも妊娠しないわけではありません。生理不順でも排卵があれば、問題なく妊娠はできます。
ただし、生理周期がきっちりくる人に比べて、生理不順の人は排卵日の予測がしづらく、タイミングよく受精することが難しくなります。また、ホルモンバランスの乱れから、妊娠にまでいたらないこともあるのです。
生理不順には、さまざまなタイプがあります。まずは自身の生理不順のタイプを知っておきましょう。
一般的に、正常な生理周期とされるのは25~38日といわれていますが、生理周期が39日以上の場合は「稀発(きはつ)月経」と呼ばれています。原因は、卵巣機能が十分に働かずに、ホルモンの分泌量が乱れてしまうことといわれています。
稀発月経と逆のタイプで、月経周期24日以下の場合は「頻発月経」と呼ばれています。周期が24日以下になると、人によっては1カ月の間に生理が2回くる人もいるようです。
原因は、卵巣機能の働きが十分に働かないことによる、ホルモンの分泌量の乱れからくるといわれています。
一般的に、正常な生理期間は3~7日の間といわれています。しかし、月経期間が8日以上の場合は、「過長月経」と呼ばれています。
視床下部、脳下垂体、卵巣などに異常が発生して無排卵周期になっている、黄体ホルモンの分泌が十分でなく、黄体機能不全に陥っているといったことが、原因といわれています。
過長月経と逆のタイプで、月経が2日以内で終わってしまう場合を「過短月経」といいます。経穴量が少ない、過少月経を併発することもあります。
原因は、女性ホルモンの分泌量が十分でない、子宮内膜が厚くならない、子宮の発育不全などといわれています。
正常な経血量は、およそ50~250mlとされています。経血量が異常に多かったり、レバーのような塊が混じったりすることを「過多月経」といいます。
原因は、女性ホルモンや血液の流れなどが影響している場合や、子宮に異常や病気がある場合などが考えられます。過多月経の原因となる主な病気には、子宮筋腫、子宮腺筋症などがあるといわれています。
過多月経と逆のタイプで、経血量が極端に少ない場合を「過少月経」といい、過短月経を併発することも多いといわれています。
原因は、視床下部、脳下垂体に問題がある場合や、子宮に異常や病気がある場合が考えられます。子宮内膜炎をはじめとする子宮の病気や、子宮の発育が十分でない子宮発育不全などが考えられます。
生理不順でも妊娠するために気をつけることとは、どんなことでしょう。ここでは、生理不順でも妊娠をするためのポイントをみていきましょう。
女性の基礎体温グラフをつけると、排卵時期をさかいに「低温期」と「高温期」のきれいな2層にわかれます。基礎体温を習慣的に計測し、基礎体温表を作っておくことで、排卵のタイミングが予想でき、いつ月経が起きるのかも予想できるようになります。
たとえば、低温期と高温期の2層にならない場合、無排卵の可能性が疑われるなど、身体の異常にいち早く気づけます。
生理不順の最大の原因は、ストレスといわれています。過度なダイエットや多忙からくる疲労、睡眠不足など生活習慣の乱れからストレスがたまり、ホルモンバランスが乱れて生理不順につながるのです。
生理不順を改善するために、栄養バランスのよい食生活を送ること、睡眠をたっぷりとること、運動の質を上げること、たばこやお酒を控えることなどを心がけましょう。
妊娠しやすい身体をつくるためには、血流をよくすることがよいといわれています。軽いウォーキングや、ジョギングなどの有酸素運動で血流をよくする、シャワーだけで済まさずにお湯につかるなど、身体をあたためるようにしましょう。
また、葉酸を摂取することで血液の循環がよくなり、子宮の機能が向上して、受精卵が着床しやすくなる効果もあるようです。葉酸は、ホウレンソウや枝豆、モロヘイヤなど緑の野菜に多く含まれているので、積極的に摂取するようにしましょう。また、簡単に摂取することができる葉酸サプリもおすすめです。
婦人科で診察を受ける場合、気をつけることはどんなことがあるのでしょう。
婦人科で受診する場合、医師に説明ができるように、夫婦それぞれの年齢、妊活をしてからの期間、結婚して何年かなど、自身のおかれている状況を把握しておくことが大切です。
なお、避妊なしで夫婦生活を送っているのに、1年、2年経過しても妊娠しない場合は、不妊症の可能性が高いといわれています。不妊治療を行うにあたって、少しでも年齢的に若いほうが、成功率も高いとされているので、そういった場合は早めに受診することをおすすめします。
病院選びのポイントとしては、すぐに行けるような近所の婦人科がよいのか、大学病院など不妊専門のある大きい病院がいいのかなど、自分たちに症状に合った病院を選ぶようにすることです。
また、インターネットで気になる病院を検索して、診療方針や通院のしやすさなどもチェックするとよいでしょう。
初めて婦人科で受診するときは、どんなものを持っていったらよいのかわからないですね。そんなときは、とりあえず健康保険証、基礎体温表(できれば最低でも3カ月分)、おりものシート、筆記用具、お金、持っているのであれば紹介状や、これまでの検査結果などを持っていくとよいでしょう。
また、服装については、婦人科に行くときは診察台にあがることを想定して、すぐに着脱できるスカートとトップスがわかれたものがおすすめです。ストッキングやタイツは脱ぐのに手間がかかるので、避けるようにしましょう。
治療の流れとしては、初診では問診、超音波検査などの内診、検査や生理周期に合わせた不妊検査などを行うことが多いようです。
不妊治療の検査はホルモン検査、頸管粘液検査、ヒューナーテストなどを行い、不妊治療は、タイミング療法からステップアップしていく方法で、行われることが多いようです。
妊活は一人でできるものではありません。したがって、まずはお互いが今どういったことで悩んでいるのかを、しっかりと語り合うことで思いを共有し、「一人ではない」ことを認識して、夫婦二人で問題に向き合いましょう。