不妊症の悩みを発信したしほさんの妊活ブログが、同じような悩みをもつ女性から話題となっています。自分がもしかして不妊症かもしれないと悩んだとき、どうすればいいのでしょうか。しほさんのブログを参考に、妊活に取り組みましょう。
「赤ちゃんがほしい」と妊娠を願っているにもかかわらず、なかなかできないという状況であれば「もしかして不妊症かもしれない…」と不安や焦りを感じてしまいます。現在、日本では不妊で悩む夫婦は増えており、「妊活」という言葉を耳にする機会も多くなりました。
もし、妊娠を希望しているのもかかわらず一定期間以上赤ちゃんができない状況が続いている場合があれば、不妊症かもしれないと一旦可能性を考え、専門の医師等に相談することが大切となってきます。
妊活ブログを書いているしほさんとはどのような女性なのでしょうか。なぜSNSで不妊悩みを発信しようと思ったのでしょうか。
「しほさん」は30代半ばで学生時代からお付き合いしていた方とご結婚されましたが、なかなか子宝に恵まれなかったそうです。看護師として正社員で働いていましたが、不妊治療に専念するために一旦退職。ブログを始める前、妊活に否定的だった旦那さんと子どもができない焦りの狭間で、誰にも相談できない悩みを抱える日々を過ごしていたようです。
友人は子育てがひと段落する年齢で、友人たちの私生活との温度差を感じてしまい、孤独を感じていたようです。そこで、文字にすることで自分を客観的にみてみようと考え、不妊治療についての思いや悩みを、唯一吐き出せる場所としてブログを始めたのです。
旦那さんとはケンカをすることはあまりなかったものの、不穏な空気になってしまうことはあった、としほさんは語っています。お付き合い期間が長かったこと・2人の生活に慣れてしまったせいか、旦那さんは子供をあまり欲しがらず「子供ができなかったらネコをたくさん飼えばいいよ」「妊活の費用が高くてもったいない」と言っていたこともあったそうです。
また、旦那さんはお医者さんで忙しい生活を送っていたためタイミングが合わなかったり、と上手くいかないことが多く、そのたびに心が折れそうになったともブログにつづっています。看護師であったしほさんは、高齢出産のリスクについてや閉経が近づいていることもよく知っていたこともあり、年齢的な焦りから旦那さんにプレッシャーを与えてしまっていたようです。
子供ができない自分に対して「私って出来損ないなのかな」って思ってしまうことがある、とありしほさんの当時悩んでた気落ちがそのまま伝わってくるようです。
不妊かもしれないと思ったとき、どのような基準で判断したらよいのでしょうか。考えられる原因も含めて、知っておくことはとても有効です。
日本産科婦人科学会では、不妊の定義として「妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないもの」としています。そして、ここでいわれる「一定期間」とは「1年」をさしていて、結婚して半年で7割、1年で9割、2年で10割が妊娠するといわれている中、1年たってもできない場合不妊と定義されているのです。
近年では、晩婚化も進み、妊娠を考える年齢自体が上昇している傾向がありますが、健康であっても男女とも加齢によって妊娠が起こりにくくなる、ということがわかっています。健康的なカップルにとって、自分たちが不妊かもしれないと考えることに抵抗や、大きな不安な気持ちを抱くこともあるでしょう。しかし、年齢的なリスクなども考え早めに検査や治療に踏み切った方がよいこともあるでしょう。
不妊として考えられる原因はいくつかありますが、男性側・女性側どちらにも原因がある可能性があります。また、何も原因がないということもあるようです。不妊治療をするためには、どのような原因で妊娠しにくくなっているのかをしっかり解明しないと、治療法を決めることができません。
男女ともに原因がある可能性があることから、二人で検査や治療について、産婦人科医に相談してみることが大切です。しほさんもブログの中で、不妊になる原因として考えられることを紹介しています。
一般的な不妊治療として「タイミング療法」というものがあります。基礎体温、超音波検査、ホルモン検査などの結果を参考にしながら排卵日を予測し、最も妊娠しやすいタイミングに性交をするというものです。
しかし、不妊の理由として婦人科系の疾患や、機能不全だったという場合にはタイミング療法では妊娠が難しいと考えられます。それぞれの原因に合わせた療法を選択するために、医師や医療機関に相談をすることが大切。不妊症の問題はデリケートであり、人には話しにくく夫婦間でも相談しにくいという方も多いのが実情。
しかし、妊娠を望む場合にはやはり夫婦での話し合いや、医療機関への相談をしてみることで、原因は明らかとなり、最適な方法を見つけることができるかもしれません。近場の人に打ち明けにくければ、しほさんのように面識がなくても妊活をしたことがある人に聞いてみるなど、不妊の不安を一人で抱えこまないようにしましょう。
「体外受精」という言葉を聞いたことがある方は多いことでしょう。しほさんも体外受精を治療として行い、ブログでも行っています。どのような治療法なのでしょうか。
不妊治療を行う順番として、タイミング法、人工受精、体外受精の順番で試すのが一般的といわれており、その中でも最も妊娠しやすいとされる方法が「体外受精」です。
しほさんもはじめ、タイミング療法をしていましたが旦那さんが忙しいご職業であったり、夫婦でタイミングを合わせることはなかなか難しかったと言っています。また、1カ月に1度のチャンスである排卵日を意識しなければならなかったので、プレッシャーが大きかったようです。
体外受精とは、女性の体内から卵子を採卵し、パートナーから採取した精子をとういう方法の不妊治療です。妊娠する可能性が高いとれていて、タイミング療法や人口受精からのステップアップや、体外受精でしか妊娠が難しいと判断された方に紹介されています。
しほさんの場合には、検査の結果体外受精でないと妊娠が難しい原因がわかったことから、顕微受精とう体外受精を行っていました。しほさんは、タイミング療法のときはプレッシャーからストレスを感じていましたが、体外受精にして少し気持ちが楽になり夫婦仲がよくなったそうです。自分たち夫婦には合っていたと語っています。
個人差はありますが、体外受精は不妊治療の中では比較的成功率が高い治療法だといわれています。しかし、年齢によって成功率には差があり、20代や30代前半ではある程度高いですが、30代後半からはぐっと成功率が下がるというデータがあるのです。
低くなってしまう原因の一つとして、卵子の質の低下だとされていますが、体外受精では肺移植方法によって成功率が変わるようです。また、30代後半であっても生活習慣の見直しで、成功率が上がる可能性があります。
不妊治療を始めても、すくに理想の結果になるというのは難しいのが現状です。成功の可能性を高めるためにできることとは何があるのでしょうか。
不妊治療に本気で取り組むためには、妊娠しやすい身体に調えていくことも重要です。新しい命を迎えるためには、心身ともに健康であることや、ホルモンバランスの状態もよいことが理想。栄養バランスのいい食生活をこころがけ、適度な運動をすることは体重を維持し、ホルモンバランスを整えます。
ストレッチなどの簡単な運動でも、代謝をあげたり、身体を温めたり、筋肉を緩める効果があるので妊娠しやすい体作りにつながります。また、喫煙は妊娠率を下げるので禁煙で過ごすようにし、お酒の飲みすぎには注意しましょう。良質な睡眠をとり、生活リズムを守ることがとても大切です。
不妊症に関わる大きな要因として、ストレスの問題があります。しほさんのブログの産婦人科のお医者さんとの会話の中にも「妊娠できないのはストレスが原因」と言われたと書かれていました。以前より、不妊症で悩む方が増えている理由として、ストレスを抱えている方が多いということがあるようです。
不妊治療は毎回生理が来るたびに落ち込んでしまったり、親や周りの友人からのプレッシャーを感じてしまいストレスになりやすいです。ストレスが体に及ぼす影響は大きく、ホルモンバランスを乱す原因となり、子宮や卵巣も元気がなくなっていまいます。
疲れてしまったときは、頑張っている自分を褒めたり、労わってご褒美をあげましょう。気分の変えるために、自分の趣味に没頭したり、好きなものに触れたり、自然の中を散歩したりリフレッシュできるような時間をぜひもってみましょう。あきらめたていたところに妊娠発覚なんていうこともあるくらいです。ストレスから解放されることは妊活中とても大切になってきます。
しほさんのブログからは、不妊治療は一人では取り組むことができないということが伝わってきます。旦那さんとの協力、家族からのサポート、応援がないと不妊治療は続けることはできません。
次の周期に向け、体調を整えてるころ、先の見通しのきかない未来に不安にを感じてたしほさんの様子に旦那さんは「移植してからでは身動きがとれないだろうから、今のうちに少し実家で羽を伸ばしておいでよ」と言ってくれたそうです。仕事や家事で忙しくなってしまうのに、旦那さんが提案してくれたことに幸せと感謝の気持ちを感じたとありました。
しほさん以外にもSNSで不妊治療、妊活について発信している方がいます。芸能人で妊活を始めたことを告白する方もいたり、以前より不妊についてオープンに語られるようになった印象があります。なぜ妊活ブログは増えてきたのでしょうか。
「妊活」という言葉はよく聞くようになりましたが、驚くべきことに日本は世界平均1.8倍の不妊率といわれています。2010年の出生動向基本調査のデータで、6組に1人は不妊に悩んでいるという実態が明らかになりました。最近ではSNSの普及により、プライベートを公開する人が増えました。しほさんのように、周りに近しい人に話しにくいこと、心情を吐き出す場所としてブログを始める方が増えてきたとされています。
妊活ブログがが増えてきた背景として、女性の社会進出が進んだことが関係しています。日本では晩婚・晩産化が進んでいますが、結婚・出産する年齢が上がった大きな要因としては、女性の仕事に対する意識の変化があります。仕事を長く続けたという女性や共働きの夫婦が増えています。
また、配偶者の収入など将来への経済的な心配、保育所の待機児童問題など、さまざまな社会的問題が影響してるといえます。また妊活の悩みや経験を発信し、同じように悩んだり苦しんでいる方の参考になれば…というブロガーが多くいるのです。
しほさんは2015年から妊活ブログを始め、2回目の凍結胚盤胞移植の結果、2017年の8月に新しい命を授かることができました。2017年の4月に高齢出産のリスクを乗り越え第1子を出産し、現在は育児に奮闘しています。
そして、2人目の妊娠を目標に不妊治療を再開し、2018年の5月にはお腹に赤ちゃんがいることがわかりました。辛い経験もされたしほさんですが、今以前とは全く違う生活を送り、育児に悩みながらもわが子を抱ける幸せを感じているようです。
しほさんは子供が大好きで、高齢出産のリスクを覚悟しつつも、出産するまでブログを書き続けると宣言し精力的に妊活に取り組んでいました。ブログで発信することで同じ悩みを抱えた方からのメッセージに励まされ、頑張れたと語っています。
妊活の悩みを誰かに話すことで、解決の糸口が見つかる可能性があります。また、しほさんはタイミング療法から体外受精へステップアップしたことで妊活がうまくいったということで、医師に適切な方法を相談することも大切であると考えます。しほさんのような妊活を経て出産を経験された方のブログを参考にしてみるのもおすすめです。