なんだかいつもの生理前とは違う。妊娠しているかも…。そんな風に思ったら、まずはセルフチェックをしてみましょう。代表的な超初期症状と自分の症状と照らし合わせてみたり、検査薬を正しく使ったりして妊娠を早期に発見し、早めに病院を受診しましょう。
妊娠することにより、体の中では目まぐるしく様々な変化が起こります。それは精神的なものから肉体的なものまで様々で、人によって現れ方も違えば程度も違います。
同じ人でも一人目と二人目では、症状の違いがあることも多いですから、「この症状大丈夫なの?本当に妊娠してるの?」と不安に思われている方も多いはずです。まずは、妊娠超初期症状から自分の体調とあてはまるものがないかチェックしてみましょう。
妊娠により起こる様々な症状はいつ頃から現れるのか、その原因は何かを詳しく見ていきましょう。
妊娠超初期症状が起こるには、妊娠が成立していることが大前提です。
妊娠は、受精卵が細胞分裂しながら子宮にたどり着き、子宮内膜に着床することによって成立します。この着床するタイミングが、おおよそ妊娠三週目といわれています。前回の生理から三週間目頃です。これは28日周期の場合の数え方ですので、生理不順の方や28日以上周期の空く方は、次の生理予定日の約1週間前と考えてください。
妊娠初期症状を感じ始めるのは、この着床期以降です。敏感な方や妊娠を意識している方は、着床してすぐに体の変化を感じ始めます。ですので、症状を感じるようになるのは生理予定日前後からになります。ですが、この時期に症状を感じなくても妊娠の可能性は0ではありません。
着床し妊娠が成立することによりhCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)エストロゲン(卵胞ホルモン)など様々なホルモンの分泌が盛んになります。
プロゲステロンやエストロゲンは子宮内膜を分厚くし、着床の手助けをしたり、体温を上昇させて妊娠を無事継続できるように働きかけています。胎児が発育していく上でとても重要なホルモンです。そしてhCGは、このプロゲステロンを分泌させ、黄体を保持しているのです。また妊娠検査薬を使用したときに、このhCGというホルモンに反応することにより陽性結果が出ます。
この重要なホルモンが急激に分泌されることにより、ホルモンバランス及び自律神経が乱れ、様々な症状を引き起こしているのです。
それでは、実際にどんな超初期症状が起こるのか、セルフチェックしてみましょう。
まずは出血です。生理よりも若干早いのに出血があったり、量がごく少量しか出ていないときは着床出血の可能性があります。着床出血とは、受精卵が子宮内膜に着床する際に子宮を傷つけて起きる出血のことです。
基本的にはごく少量の出血で終わる着床出血ですが、稀に生理のように量が多いこともありますし、軽い痛みを補うこともあるようです。普段の生理と量が変わらなかったり痛みを補うと、生理が来たと思いこんでしまい、妊娠の発見が遅れることもあります。
着床出血が原因であれば、病気などの悪い兆候ではないので心配いりません。ですが、稀に子宮外妊娠による出血の場合もあります。出血があったり、だらだらと続いている場合は、妊娠していることが確認でき次第、なるべく早めに病院を受診しましょう。
女性の体のサイクルには、生理から排卵前の低温期という時期と、排卵後から生理予定日までの高温期という時期があります。生理が来ると高温期から低温期に移行するのですが、妊娠すると先ほど紹介したホルモンのエストロゲン、プロゲステロン、hCGが妊娠を継続しようと働きかけ、体温が上がった状態をキープします。そのため、妊娠超初期症状として、熱っぽさや寒気を感じることがあります。
基礎体温を測って記録されている方は、生理予定日にガクッと下がるはずの体温が14日以上高温のままキープされていたら妊娠の可能性が高いです。
なんだか胃がもたれたようなムカムカがする。いつもは平気なのに、ある匂いを嗅ぐと気持ち悪くなったり吐いてしまう。これはつわりの可能性があります。こんな早い時期からつわり?と思われる方もいると思いますが、早い人は妊娠超初期から吐き気や胃もたれを感じたり、においに敏感になったりと、つわりの症状が現れ始めます。
つわりの重さも人ぞれぞれで、全くない人もいれば、あっても胸焼け程度で終わる人もいますし、出産直前まで吐いてのどが切れて血まで吐いてしまうという方もいて、個人差がとても大きいものです。もし暴飲暴食をしたわけでもないのに、胃のムカつきや吐き気を感じたら、つわりを疑ってみましょう。
それでは、無料のセルフチェックで妊娠の可能性が高そうだと思った方は、市販の妊娠検査薬を使ってより正確にチェックしてみましょう。
まず、妊娠検査薬を取り出しキャップを外します。そして、尿の吸収体に数秒間尿をかけます。時間はものによってまちまちですが、だいたい2~5秒のものが多いです。
吸収体にきちんとかかっていないと正しい判断ができなくなってしまいます。きちんと吸収体にかけられるか不安な方は,紙コップなどを準備して採尿してから吸収体を浸すようにすると良いです。ですが、吸収体に吸わせすぎても正しい判断ができなくなってしまうので、説明書に書いてある時間を目安に吸収させるようにしましょう。
その後はキャップをはめて水平なところにおいて判定が出るのを待ちます。ほとんどの検査薬が約1分で判定可能です。
一般的な検査薬は生理予定日の一週間後から使えるものがほとんどです。それは妊娠検査薬がhCGホルモンに反応して結果を判定しているからです。このhCGホルモンが増える速度には個人差がありますが、生理予定日から一週間ほどすれば、大半の方は妊娠検査薬に必要とされる50mlU/mlを超えています。
中には早期妊娠検査薬と言って25mlU/mlを超えていれば結果が出せるものもありますが、インターネットで海外製のものを買うか、薬剤師のいる薬局でしか買えないので少し入手が困難です。
このように検査薬には、使うのに最適な時期がありますので、その時期を待ってから使うことをおすすめします。
妊娠検査薬でセルフチェックをして陽性反応が出たら、いよいよ病院への受診を考えていきましょう。
生理予定日から1週間が経ち、妊娠検査薬で陽性反応が出たということは妊娠も5週目に入ったところだと思われます。この頃になると病院でも妊娠の確認をすることができるようになってきます。あまり早いと何も映らず、何度も病院へ足を運ぶことになり大変です。
そして妊娠は病気ではなく保険がきかないので、受診料も多くかかってしまいます。ですが、あまりに遅いと異常があったときに発見が遅れてしまうので、生理予定日の約1週間後から2週間後に受診するのがベストです。
病院に行くと、初めに問診票の記入と採尿をします。尿検査で妊娠の反応の有無を検査し、診察室で経膣エコーという超音波検査を使って赤ちゃんがいるかどうかをチェックしてもらいます。超音波検査は、子宮内で赤ちゃんが正常に育っているかを調べるとても重要な検査になります。
初めはテレビで見るような、お腹の上から見る腹部エコーではないので、スカートなどすぐに下着を脱げる準備をしていくと、スムーズに検査ができます。生理予定日から約1週間後に病院へ行くと、経膣エコーにより、胎嚢という赤ちゃんが入っている袋状のものが確認できる場合が多いです。
体に起こる様々な変化に不安や心配が尽きない頃だと思います。症状からのセルフチェックで該当した、または正しく妊娠検査薬を使って陽性反応が認められた場合は、迷わず早めに病院を受診しましょう。妊娠超初期は十月十日の中でも特にデリケートで不安定な時期です。激しい運動や重いものを運ぶなど、体に負担のかかることはなるべく避けるようにして、無理をせずにゆったりとした生活を心がけるようにしましょう。