2017.07.04

体外受精後の過ごし方は?やってはいけない注意点とは?

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体外受精で胚移植をしたあと、「安静にして寝て過ごした方が着床しやすい」と思う女性は多いようです。

妊娠を希望して不妊治療を受けたわけですから、できるだけ妊娠率を上げたいと思うのは当然のことですよね。

でも、あまり神経質になる必要はありません。
激しい運動は避けるべきですが、普段通りの生活を送り、リラックスした状態で、その時を迎えましょう。

◆胚移植後は30分ほど安静に

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胚移植後、受精卵が子宮内膜に根を張るまで、15分〜30分程度は病院内で安静に過ごすよう指示されます。

胚移植で子宮に戻された受精卵は、子宮内膜に触れることで透明体と呼ばれる膜が破れ、子宮内膜に絨毛という根を張ります。
根を張った受精卵は、その後さらに2〜3日かけて、子宮内膜に潜り込み固定されます。

胚移植後は着床を助ける理由で、子宮内膜を安定的に保つために、ホルモン剤を投与することが多いようです。

◆着床までどれくらいかかる!?

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胚移植によって受精卵を子宮に戻した後、初期胚の場合は着床まで「3~5日」ほどかかります。

受精卵は時間をかけて分割を繰り返し、胚盤胞という形に変化し、着床します。
胚盤胞の着床は自然に行われるため、体外受精後は様子を見守りながら、着床率を高めるために子宮内膜を厚くするためのホルモン剤などが投与されることもあります。

場合によって胚盤胞まで培養してから胚移植することもあり、この場合は体外受精後1日ほどで着床します。

妊娠判定は胚移植後、「14 日~21日後」に行うところが多いようです。
妊娠の判断は、尿に含まれるhCG値(妊娠によって分泌される女性ホルモン)と呼ばれるホルモンの数値で行います。

◆妊娠の初期症状で現れる特徴とは?

体外受精の後は、ちょっとした体調の変化も気になるものです。
着床していれば、以下のような妊娠初期症状があらわれることがあるので、注意深く見守りましょう。

● 微量の出血
● 胸が痛い、張る
● 倦怠感、眠い
● 腰痛、腹痛、頭痛
● おりものの変化
● 吐き気
● 好きな食べ物の変化

妊娠初期症状は、感じる人もいるし、まったく感じない人もいます。
感じなくても妊娠していることはあります。
妊娠に非常に敏感になっているため、症状を勘違いすることもありますから、あまり神経質になりすぎないようにしましょう。

◆胚移植当日の入浴は大丈夫?

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体外受精の胚移植時に膣内を傷つけている可能性があるため、胚移植当日は、入浴(シャワーは可)や水泳は控えたほうが無難です。
また、タンポンを使い続けると雑菌が繁殖しやすく感染症の恐れもあるため、膣内が傷ついている可能性を考えてタンポンの使用も控えたほうが良いでしょう。

◆胚移植後の性行為はいつからできる?

胚移植後2~3日は、子宮収縮の可能性があるため性行為は控えましょう。
慎重を期すなら、妊娠判定日までは控えることです。
また、精液には子宮を収縮させる作用があるため、着床・妊娠に影響を及ぼす可能性があります。

妊娠初期の性生活は、コンドームなどで避妊対策をしてください。
ウォーキングなどの適度な運動であれば問題ありませんが、体を酷使するような登山やフルマラソンなどは控えてください。

また、医学的に証明されているわけではありませんが、自転車の振動が子宮収縮を引き起こす可能性があるといわれています。
長時間自転車に乗るのも控えた方が安心です。

◆胚移植後のたばこやアルコールは?

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喫煙やアルコールを摂取することで、ホルモンバランスの乱れや血管が細くなる症状が現れます。
血管が細くなると、子宮にも十分な栄養が送れなくなってしまうため、胎児の成長を妨げる恐れもあります。

着床、妊娠、そして妊娠後のことを考え、胚移植後は禁酒、禁煙をおすすめします。

まとめ

体外受精で胚移植をすると、ちょっとした動きでも「流れ出てしまうのでは…」と心配する声もあります。
ですが、簡単に流れ出てしまうことはありませんので、普段通りの日常生活を送っても、何の問題もありません。

しかし、成功に導くためには、身体を冷やす飲食や服装を避け、着床する子宮にしっかりと栄養が届くように、バランスの良い食生活を心がけましょう。
普段通りとはいえ、妊娠生活中には様々な制限が増えるものです。

ただ、あまり神経質になりすぎてストレスを溜め込んでしまうのは、一番避けたいことです。
胚移植後の過ごし方に注意するよりも、ストレスのほうが妊娠を左右する大きな要因になるため、ストレス発散を行うことが重要です。

気になる場合は、担当の医師に確認し、不安を抱えないようにすることが大切です。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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