2017.11.12

妊活をあきらめるという決断。心の葛藤と方向転換して進むべき道

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子どもを授かるということは、ある意味「運だのみ」です。

夫婦で共に望み、つらい不妊治療などを続けても授からないことがあります。

そのときにはいつか妊活をあきらめる決断をしなければなりません。

その次のステップとはどういうものなのかみていきましょう。

妊活の不思議

不妊治療をやめたらすぐに…

妊娠するということは、本当に不思議です。
長く辛い不妊治療を続けているあいだは妊娠の兆しもなかったのに、不妊治療をやめたらすぐに妊娠したという話はよく耳にします。

そう、妊娠は突然にやってくるもの。

不妊治療と一言でいっても、さまざまな治療方法があります。男性の不妊などの場合は体外受精や顕微授精をしなければならない場合もあるでしょう。しかし、男性女性ともに体の問題点などが見つからず、タイミングの問題のみで不妊治療をしている場合は、不妊治療をやめたら授かったケースも多くあります。

では、長く辛い治療は無駄なのか。
そのようなことは、全くありません。おそらく成功した人は、通院中に妊娠するための体をつくるところから勉強したでしょう。食べ物や、受精のタイミングを知ること、そして基礎体温表の読み方など。その知識は蓄積され、おそらく妊娠に一役かったに違いないのです。

一生懸命になるのをやめたら?

妊活をしている人の中には、焦りが目に見えている人もいます。ゆとりがなく、毎日そのことを考え一生懸命に実行しています。不妊治療はもちろんのこと、食べ物にも気をつかい、妊娠しやすくなると聞けば漢方からヨガ、整体などさまざまなことに挑戦します。

しかし、そんな妻を見ている夫の気持ちはどうでしょうか。夫の中には、子どもを作るだけの性行為にうんざりしていたり、妊活に必死な妻をみるのが忍びなくなってしまう人もいます。大切なのは、夫婦で共に同じ気持ちで妊活に取り組んでいくことです。

自分自身を振り返って思い当たる節があるのなら、少し休憩してみましょう。妊活は続けます。しかし、無理をしない決断をするのです。一生懸命になるのをやめ、心にゆとりがでてきたときに「あれっ?」と不思議なほど簡単に妊娠することがあります。せっかくなので妊活を楽しむくらいのゆとりを持ってみてはいかがですしょうか。

楽しもうと決めたら!

妊活というのは将来妊娠するにしろ、妊娠しないにしろある一定の期間しかできないことです。女性には年齢の壁がありますし、高額の不妊治療代を考えると諦める決断をしなければならないときがくるからです。

そう考えると、どうせなら楽しんだほうがよいかもしれません。リラックスした心は妊娠しやすい体を作ってくれますし、将来の赤ちゃんも辛そうな顔のお母さんよりも、楽しそうな顔のお母さんのもとへやってきてくれるかもしれません。

ではどのように楽しめばよいのでしょうか。せっかくなので体に優しい料理を勉強してみたり、ヨガ教室に通ってみたり、気分転換をするために夫を誘って温泉旅行でのんびりしてきてもよいでしょう。気が緩んだときに妊娠することが多いのが、妊活の不思議です。

妊活を諦めてもの心の中は変わらない

諦めきれない葛藤

妊活を諦めても、心の中は葛藤だらけというのは普通です。妊活が辛ければ辛いほど、長い時間をかけたならその分、諦めきれない気持ちはつのります。「妊活をやめて本当にいいの?」「やめてしまったら、本当に子どもは授からないわ」など、さまざまな思いが胸に去来するでしょう。

その気持ちは、いつか吹っ切れるかもしれないし、そうでないかもしれません。それこそ人それぞれの思いがあります。大切なのは、現状を受け入れ今のありかたをよりよくしようとすることです。

人はなぜイライラしたり、辛いと感じたりするのでしょうか。それは心の中で期待していることと現実が食い違っているからです。期待をしていなければイライラも辛さもありません。同じことが妊活を諦めたときの心の動きにもいえます。

いつまでも「もし続けて入れば」、「子どものいる生活はどんなだったのか」と夢を見ているようなら辛さは残ります。しかし、気持ちにけじめをつけて夫と過ごす楽しい未来を夢見るようになれば、葛藤も終わりをつげるでしょう。

年末年始は毎年落ち込む

年末年始は、毎年落ち込んでしまいます。
なぜなら年賀状の現実を突きつけられるからです。

相手に悪気は全くないのですが、昔の学友や年の近い親族などから届く年賀状が子どもの写真だと、同じように子どもの写真で年賀状をつくれない自分の現状を辛く感じてしまいます。

年賀状をつくるときも同じです。写真をベースにつくるにしても、夫と自分の2人だけの写真ではさみしすぎます。そうするとやはり無難にイラストメインのものになったりします。「もしも子どもがいれば…」と考えてしまうのは、仕方ありません。

年末年始が辛いのは年賀状のことだけではありません。帰省をして親族とあつまったりすると、中にはデリカシーのない年配のおじさんやおばさんが「子どもはまだなの」、「子どもがいたほうが幸せよ」などと、よけいなことをいわれて傷つくこともあります。

もしも妊活を諦めたなら、今後のことを考えて「子どもをつくらないことに決めましたから」「ほしかったけれど諦めました」とはっきりと伝えることも、ひとつの手かもしれません。

年齢という現実的な壁

女性は妊娠出産のことを考えたとき、まず年齢の壁を思うでしょう。実際に、高齢出産にはさまざまなリスクが出てきますし、卵子の老化による不妊の確率もずっと上がります。とくに40歳という壁は高く、妊娠しにくいだけではなく流産の可能性も高まります。

母胎にも胎児にもリスクが多いからこそ、40歳になったのを期に、妊娠を諦める人が多いこともわかります。本当に妊娠できるのかどうかがわからないからこそ、最初から「40歳になっても妊娠していなかったら諦める」と決めているカップルも多いようです。

しかし、そのように年齢というタイムリミットを定めて不妊治療を行うことは大切かもしれません。「もしかしたら次は」と考えてずるずる長く治療を続けてしまうよりも、諦めるのに気持ちの区切りをつけやすくなります。
また、タイムリミットが近づくにつれ、将来どうするのか方向転換して違う未来を考えることができるでしょう。

妊活をあきらめて方向転換

養子という考え方

子どもがいる生活に憧れていて諦めきれない場合、養子を迎えるという考え方もあります。しかし、養子縁組を斡旋している公的団体はありません。児童相談所などが養子縁組の斡旋をしていると考えて問い合わせをする人もいますが、児童相談所が管轄しているのは里親制度です。

民間の特別養子縁組支援団体がありますので、そちらに問い合わせをし、段階を踏んで新しい家族をつくることになります。自分の子どもではないということによる、受け入れ側の気持ち。そして親から捨てられたという意識を持つ子ども。家族という形を作っていくのは、生半可なものではないでしょう。

しかし、子どもを持つ家庭かそうでないかで、人生は大きく変わります。どちらを選ぶのが正解というものもありませんので、夫婦でしっかり話し合いをし、覚悟を持って養子を迎え入れてください。

このまま二人で

妊活を諦めた人の多くが選ぶ選択肢が、夫婦二人の人生です。世の中には子どもを持たないと決めた夫婦が数え切れないほどいます。決して少数派ではありません。

それらのカップルを見ていると、子どものいる家庭よりもつきあっている頃の、もしくは新婚当初の初々しさを残している人たちが多いようです。やはり子どもを持つと、恥ずかしい姿をさらしたり、子どもを叱っている姿を見せたりと、素の自分をさらしていくことになります。

それと比べると、二人きりの生活は父であり母であるというよりも、男であり女である人生を送ることができるのかもしれません。仲むつまじく添い遂げるおしどり夫婦。素敵ではありませんか。

財産は何の為に使うのか?

一人目の子どもの未来のためにためてきた財産があるかもしれません。子どもの出産や育児、学費などにかかる費用は決して少なくありません。妊活を諦めたとき、それをどう使っていくのか、何のために使うのかという問題が残されます。

それは子どもができなかったため残った悲しいお金ではありません。これからの人生を豊かにするために残されたお金なのです。家を建て、アパート暮らしから卒業してもよいでしょう。海外旅行で気分転換をはかるのも素敵です。

養子を迎えたり、里親となったりして、その子どものために使うというのもひとつでしょう。人にはさまざまな生き方と、お金の使い方があります。自暴自棄にならず、将来を見すえた財産の使い方を考えてみてはいかがでしょうか。

「あきらめる」という新しい道への決断をするのも夫婦の人生

妊活をしている人は、とかくそれが人生のすべてだと考えてしまいがちです。しかし、子どものいる人生だけがすべてではありません。諦めることで得られる素晴らしい未来もあるはずです。

決断は決して簡単なものではないでしょう。しかし、別の道があることも念頭にいれ、夫婦共に楽しく生きられる人生を見すえてみてもよいかもしれません。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

妊活部編集スタッフです。妊活に関するお悩みを解決するためのサポートをします。最新情報から妊活にまつわる情報を提供します。