妊娠が発覚したら飲酒はやめるというのは常識ですが、妊活中もお酒を飲んではいけないのでしょうか。
お酒が好きな人にとっては悩むところです。
お酒との付き合い方について学び、アルコールと上手に向き合いながらストレスなく妊活を楽しみましょう。
妊活中でもアルコールは控えたほうがよいとされています。その理由は、女性ホルモンの働きに影響を及ぼす恐れがあるから。
アルコールを飲むと一時的に血行が良くなり体が温まりますが、アルコールを肝臓で分解するときには血流が悪くなり、むくみや冷えを引き起こしてしまいます。また、血行が悪くなると酸素が体中に充分に行き渡らず女性ホルモンの分泌が上手くできなくなってしまうのです。
女性ホルモンが上手く分泌されないと、卵子の発育や排卵に影響を及ぼしたり、精子の着床障害の原因に。お酒を飲みすぎて肝機能が低下すると、女性ホルモンが上手く分解されずに妊娠に必要な女性ホルモンも作り出す力が弱くなってしまう恐れがあるといわれていますので、妊活中の飲酒は注意が必要です。
妊娠初期に、妊娠に気がつかずにアルコールを摂取している場合がありますが、過度なアルコールは母体から血管、胎盤を通じてアルコールが赤ちゃんへと渡っていきます。赤ちゃんはアルコールに対して免疫がないため、少なからず影響を受けるのではないかといわれています。
妊娠が分かった段階ですぐにアルコールは控えることはもちろん、妊活中はアルコールを控えておいたほうが無難です。しかし、アルコールがどの程度の量で影響を及ぼすかはいまだにはっきりしていないようです。妊娠発覚前に飲酒していたとしても、その時点で禁酒すればいいので、自分を責めすぎないように過ごしましょう。
飲酒の習慣があり、お酒が好きなかたにとっては妊娠が発覚する前に禁酒をするのは辛いもの。なかなか飲酒をやめられないというかたも多いのではないでしょうか。しかし、アルコールの大量摂取は排卵や受精に影響を及ぼすことからも、妊活を意識した段階でできるだけ早めの禁酒が望ましいようです。
習慣的にお酒を飲むかたにとっては急な断酒もストレスの原因になります。妊活中のストレスもまた、活性酸素を発生させる原因になりますので、妊活を意識したらストレスを溜めない程度に少しずつアルコールの量を減らしていきましょう。
着床の段階でアルコールを摂取していたとしても、アルコールに依存しているくらいの量でなければ胎児に与える影響は少ないといわれています。
しかし、受胎後のアルコール摂取は少なからず胎児に影響があるようです。妊娠初期に気がつかずに過度な飲酒を続けると、胎盤を通じてアルコールが赤ちゃんへ渡ってしまうことになります。このリスクを避けるためには妊活中のアルコール大量摂取は意識して控えたいものです。
低体重や奇形障害、脳障害などの「胎児性アルコール症候群」を引き起こすリスクがありますので、妊娠が発覚したら特にアルコール摂取は気を付けましょう。
受胎に気がつかずに飲酒してしまった場合、あまり自分を責めないようにしましょう。受胎に気が付かづに飲酒してしまったということはお酒を飲む人ならば誰にでも起こりうること。
飲酒したことを気にしすぎてストレスを溜めてしまうことは、飲酒と同じくらい気を付けなければいけません。「過ぎてしまったことは仕方がない」と気持ちを切り替えましょう。受胎が発覚した時点でアルコールに気を付けて生活をすればOKです。
妊活中、アルコールを飲みたくなったら気分やのど越しだけでもということで、ノンアルコールのビールやカクテルなどを試してみるのもいいでしょう。最近では種類も豊富で味も改良されていて、本物のビールやカクテルに近いものも増えています。
お気に入りの味を探して妊活中のアルコール気分を乗り越えるといいでしょう。ただし、ノンアルコールではなく、稀にアルコール1%未満の低アルコールの飲料もありますので、アルコール0.00%のノンアルコールを求めている場合には注意が必要です。
妊活中だけど、アルコールが日課になっているというかたは、代わりになる飲み物を探してみてはいかがでしょうか。妊活中や妊娠期に欠かせない栄養素として注目の高い「葉酸(ようさん)」入りのドリンクを代わりにするかたも多くようです。
葉酸とは水溶性のビタミンB群の一種で細胞の生産や再生を助けて体の発育を促してくれる働きがあり、妊活や妊娠中に摂取したい栄養素として注目を集めています。葉酸はほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜やイチゴやキュウイ、バナナなどの果物にも多く含まれています。
妊娠中に葉酸が不足すると赤ちゃんに先天性の異常が発症するリスクが出てくるといわれ、妊娠中にはぜひ取りたい栄養素です。葉酸が多い野菜ジュースやイチゴやバナナジュースなどをうまく利用して摂取するといいでしょう。
玉露の緑茶やほうじ茶にも葉酸が多く含まれていますが、カフェインも含まれているので注意が必要です。カフェインの過剰摂取も妊活中には注意しなければいけませんので、カフェイン入りのお茶を飲む場合には1日に1杯から2杯までにしておきましょう。
妊活中は控えたほうがいいアルコールですが、どうしてもやめられない場合は日にちを決めて少量をたしなむのはストレスの緩和になります。妊娠前の整理中はほぼ排卵、受精が行われないので、この期間を利用して少量飲酒するのはストレス解消になるでしょう。
生理中にブルーな気分になりやすいかたは、このタイミングでの飲酒はストレス解消になり、気分をリセットできるかもしれません。
妊活中は糖質が少ない蒸留酒や常温で飲むことができる赤ワインなどを選ぶといいでしょう。冷やして美味しく飲むタイプのビールなどは体を冷やす恐れがあるので避けたほうが無難です。
妊活にはパートナーの協力が必要になります。女性が妊活中にアルコールを断っているときにパートナーである男性に目の前で全くの気遣いなく、当たり前のように飲酒されてはストレスになってしまうどころか、信頼関係も揺らぎかねません。
しかし、実際は悪気なくパートナーの男性が目の前で飲酒してしまうことはありますので、多少目をつぶることと、心しておきましょう。
男性の場合は仕事上の付き合いもあり、妊活中とはいえ断酒はむずかしいかもしれませんが、休肝日を増やしたり、アルコールの量を減らしたり過剰な飲み方をしないことが望ましいでしょう。
男性の過度な飲酒は精造能力や質の低下、生殖機能の低下を招くといわれています。男性にも生活習慣の見直しのチャンスと捕えてもらい、お酒を減らすように促してみましょう。パートナーと信頼関係を深めながら二人三脚で同じ目標に向かっていくといいでしょう。
妊活中に飲み会がある場合、どうしてもお酒の席に出席しなければいけない場合、お酒の上手な断り方もいくつか考えておきましょう。周りのひとの周知の元であれば「妊活中なので」といえば済みますが、もっとデリケートなものです。
妊活とお酒を考えている時点で普段から「飲める人」と認知されていると思いますので、お酒を飲まないことに対して不思議がられたり、強くすすめられたりするかもしれませんのでいくつか準備しておきましょう。
● 体調が悪いといっておいて一次会で帰る(二次会までは出席しない)
● 健康診断で飲酒自体ドクターストップ
● 今日は車で来たので(代行をすすめられても頑なに自分で運転)
● 薬を飲んでいるので
このようにいくつか準備しておきましょう。
妊活中はアルコールを控えることに越したことはありません。しかし、普段からお酒が楽しみであったり、習慣的になっていたりすると、妊娠前の断酒は難しいものです。どうしてもストレスが溜まる場合の対策はいくつか用意しておくといいでしょう。
ストレスを溜めずに、まずは上手に段階的にアルコール量や度数を減らしたり、お酒の種類を変えてみたり、自分に合った方法を見つけましょう。アルコールの制限は妊活中に始まり、妊娠した後、出産後の授乳が終わるまで続くものです。
お酒との上手な付き合い方を見つけてストレスのない、楽しい妊活を送りましょう。