妊活に大切なことは体温を上げることです。
お風呂に入る時間を効果的に使うことができれば、基礎体温上昇、代謝アップ、冷え性改善、女性ホルモンのバランスを整えることができます。
入浴のポイントを押さえて妊娠力を高めていきましょう。
妊娠するのに理想的な高温期の体温は36.7℃です。体温が低い人は身体を温めて血行を促進することが必要になります。入浴剤を利用することで妊活に与える効果をさらに大きくすることができます。好きな香りや色のものを選ぶことでリラックス効果も期待できます。
また、入浴剤に含まれる有効成分が美肌効果や血行促進効果などをもたらしてくれます。ただし、発汗作用が強いものは身体の負担になるため妊活にはおすすめできません。炭酸系の入浴剤や、バスソルトに血行をよくする作用があるものがよいでしょう。お風呂にゆっくり浸かることで身体を芯から温めることができます。
好きな音楽を流したり、アロマオイルを垂らしてみたり、アロマキャンドルを使うことでリラックス効果が期待できます。音楽はテンポが速く、賑やかな系統ではなく、ゆっくりとしたものや、ヒーリング効果のあるものを流すとよいでしょう。また、本を読んだり、バスタブにのせるだけで使える枕(バスピロー)も非常にリラックス効果が高いグッズとしておすすめです。
・リラックスしたい時:気持ちを落ち着かせてくれる鎮静効果の高いアロマ…ラベンダー、フランキンセンス、イランイラン、カモミールローマン
・ぐっすり眠りたい時:安眠効果のあるアロマ…ラベンダー、ベルガモット、マジョラムマンダリン、ネロリ
・リフレッシュしたい時:爽やかな香りがし、気持ちを前向きにしてくれるアロマ…オレンジ・スイート、ローズマリー、サイプレス、レモン
・精神的な疲れを感じている時:精神状態を整えてくれる効果のあるアロマ…ベルガモット、ネロリ、カモミール・ローマン
・ホルモンバランスの乱れが気になる時:女性ホルモンと似た働きをするアロマで補う…クラリセージ、ゼラニウム、イランイラン、ローズ
ストレスは心の負担になるだけでなく、全身の血行を悪くさせ、不妊の原因になりかねません。凝り固まった心の疲れをほぐすために、身体を温めるお風呂の時間を楽しみましょう。
1.入浴前に水をコップ1杯飲む
1回の入浴で800ml程度脱水してしまうといわれています。入浴前にはしっかり水分補給するようにしましょう。
2.お湯の温度を38度から41度に調整する
体温が低い人やお風呂の長時間入浴に慣れていない人は自信で気持ちがよいと感じる温度に調節するようにしましょう。
お風呂の温度が高い場合、交感神経が刺激されやる気がでたり脳が活発になったりするためリラックス効果が薄れてしまいます。
個人差はありますが平熱+4℃が理想的といわれています。熱いと感じる温度ではなく温かいなと感じる程度の温度に設定するようにしましょう。
3.20分ほど浸かってあがる
長時間湯船につかっていることがキツイと感じるときは無理をせず2~5分程度休憩を入れながら浸かるようにしましょう。
入浴後は汗をかきますのでコップ1~2杯の水分補給をするようにします。お風呂に入ることは基礎体温上昇と免疫力向上につながります。効果的な入浴を続けることで体質改善になりますので習慣にするようにしましょう。
仕事から帰ってきてお風呂を用意するのが面倒な時や、時間がなくてお風呂に入ることができない時は足湯をおすすめします。桶に41℃程度のお湯を張り、10分以上足をつけるだけで効果は絶大です。足を温めることで全身の血行をよくする作用があります。テレビを見ながら、読書をしながらなど好きなことをしている中で実践できます。時間がなくシャワーなどで済ませてしまうと、身体が温まらないうちに出てしまうことになりますので、身体が冷えてしまいます。お風呂につかる時間がないときは足湯をおすすめします。
・全身の保温効果…足先の血液を温めることで、ふくらはぎのポンプの作用により温まった血液を全身に送ることができます。そのため、足だけでなく身体全体を温めることができます。
・睡眠を促す効果…人は深部体温(身体の内部の体温)が急激に下がることでスムーズに眠りにつくことができます。足湯後は深部体温が速やかに下がり、眠りにつきやすくなります。
・足のむくみを解消する効果…足先やふくらはぎは重力によって下に血液が向かって行くため老廃物がたまりむくみやすくなっています。温めることで溜まっていた老廃物が流れやすくなり、むくみ解消につながります。
・リラックス効果…足湯には副交感神経の働きを高め、全身をリラックスさせる効果があります。
お風呂に浸かることで血行がよくなり、身体にたまった疲れの原因の乳酸を排出することにつながります。また、身体の疲れを癒し、副交感神経を優位にしてくれるため、心身をリラックスさせることができます。リラックスできることから、ストレスを無くすことにつながり、ホルモンバランスが整うのです。
38~40度ぐらいのぬるま湯に20分浸かることが一番副交感神経を優位にするリラックスできる入浴法です。副交感神経が優位になっているときは筋肉や関節のコリや緊張も緩みますので疲労回復につながります。
お風呂で身体の芯から温まることにより体温を上昇する効果が期待できます。妊活において体温をあげることは重要です。体温が高い状態は身体の中を巡る血液の流れがよいということです。血流がよいとホルモンバランスが整い、卵子や子宮の質が上がることにつながります。
逆に低体温の人は基礎体温が低いため、ホルモンバランスの乱れや、冷え性、生理不順、など、妊娠を望むにはなかなか難しい状態になっていますので、体温をあげることと、身体を冷やさないようにすることはとても大切になります。
時間がなかったり、湯船につかることが面倒などの理由で、シャワーで済ませてしまうと、身体は綺麗になったように感じますが体は温まりません。シャワーだけで済ますことで、汗をかけず身体に老廃物が溜まってしまいます。また、溜まった老廃物は体臭の原因になります。
また、体温を上げることができないため、基礎代謝が下がってしまいます。代謝の悪化は疲れを溜めやすく、冷え性の原因になります。血行が悪くなるため、眠りに入るクールダウンの準備にとりかかることができず、寝つきが悪く睡眠自体が浅くなってしまいます。
熱いお湯は体の表面しか温める事ができません。身体の表面がバリアを作ってしまい、体内に熱を入れないようにしてしまうため、表面だけ熱く身体の芯は冷えたままという状態になります。そのため、お風呂から上がった後には湯冷めしてしまう可能性があります。身体の芯が温まっていない状態は冷えを溜めこむ原因にもなります。
また、脳卒中や心筋梗塞の危険がありますので、普段から高血圧の人は危険です。熱いお湯にしばらく入ることで体力を急速に消耗します。疲れをとろうとして熱いお風呂に入ると逆に疲労してしまうのです。
お風呂に入ると体内の熱を発散させるために汗をかきます。その際にエネルギーを使いますので、この流れにより体力が奪われるのです。疲れをとるために、また、体温を上げるためにゆっくりと長時間浸かることが逆にぐったりとした疲労感や怠慢感を引き起こす原因になってしまいます。20分とは短いようで長い時間です。慣れていない人は少しずつ時間を延ばすようにし、身体を慣れさせていくとよいでしょう。湯船に浸かる時間は長くても20分程度にしましょう。
長時間湯船につかれば身体の体温があがっていくということではありません。ゆっくり長く入りたい場合は湯船に入ったり出たりを繰り返しながら上がった体温を下げる、あげるの繰り返しがよいでしょう。身体に負担のないように無理のない範囲で入浴を楽しむことが大切です。
精子は熱に弱く、睾丸が温まることで精子の数や質が下がる原因になります。精子の質とは、精子の数が多い、精子の形がよい、精子の運動率が活発という状態です。熱いお風呂やサウナに入ると全身の血管が拡張し血流が分散します。すると精子にダメージを与え、卵子にたどり着くための活動力が低下し、性交渉中に健全な勃起状態を保ちにくくなります。
男性不妊の原因の8割は正常な精子がつくられていないことに起因します。ブリーフやタイツも睾丸の温度を上げてしまう原因として考えられますが、ダイレクトに股間を温めてしまう入浴やサウナには注意が必要です。妊活中は、熱すぎず、長すぎない入浴を心がけ、38~40度の温度で入浴することをおすすめします。
せっかく温めた身体を入浴後に冷やしては逆効果になります。お風呂に入ることによって体温は上がっています。すると上がりすぎた体温を元に戻そうとして身体は汗を出したり、血管を広げることで熱を放出させようとします。
入浴中は問題ないのですが、入浴後には熱放出が過剰におこなわれるため深部の体温まで低下していきます。身体についている水分をすぐに拭き、乾燥させること、下着と服、靴下を履く、髪の毛をすぐに乾かす、温かい飲み物を飲むなどして身体のポカポカ感の継続時間が長くなるようにしましょう。
入浴後のストレッチも効果的です。ストレッチをすることで血行促進につながり、身体の代謝をあげる効果があります。凝り固まった老廃物が流れやすく身体をすっきりさせる作用がありますので、習慣にすると身体の不調を改善していきますのでおすすめです。
身体は寝ている間にエネルギーを蓄え、細胞を修復して疲れを回復します。卵子を形成している細胞も同じです。睡眠を促すメラトニンというホルモンが卵胞の中で卵子を活性酵素から守ります。睡眠の質がよくなることで、身体の機能をつかさどる自律神経が整い、体温の調節も働き、身体がポカポカになり、子宮・卵巣の機能がアップすることにつながります。理想的な就寝時刻は22時~23時です。メラトニンの分泌が最も盛んになる22時から2時までの間に布団に入ることで良質な睡眠を手に入れることになります。
寝る前にテレビや携帯電話などを見て、目からの刺激を強烈に浴びると熟睡しにくい状態になります。寝る1時間前には部屋の明かりを暗くするとメラトニンの分泌を促すことができます。リラックス効果のあるアロマオイルをたいて入眠したり、ヒーリング効果のある音楽を聞いてから眠りにつくこともおすすめです。
妊活中は身体を温めることが大切です。
お風呂のお湯はぬるめの温度で調節し、毎日20分程度の入浴を習慣にするようにしましょう。上手な入浴方法を習慣にすることにより、身体の代謝をあげることができ、基礎体温があがります。また、低体温や冷え性を改善することができます。お風呂の時間を楽しめるように工夫し、妊娠力を上げていきましょう。