婚活が済むと次は妊活へと続きます。
妊活の前に予防接種がしっかりと済んでいること、あるいは抗体ができているかを確認するなど、必要な準備の段階があります。
どこで何をしたらいいのかを確認して、ゆったりとした気分で赤ちゃんを迎えましょう。
風疹は「3日麻疹(はしか)」ともいわれます。
感染力が非常に強く1人の発症から5~7人感染することもあり、インフルエンザよりも感染力は強いといわれています。
また自覚症状がないまま感染している場合もあるので抗体検査で抗体価を確認し低いようであれば必ず接種しておきましょう。
接種する場合に単体の風疹の予防接種でもMRワクチン(風疹と麻疹の混合ワクチン)接種でもかまいません。
特に健康には問題がないといわれているので、より安全策をとるのであればMRワクチン接種のほうがいいでしょう。
また、女性だけでなくパートナーも接種したほうがいいワクチンのひとつです。
各自治体で積極的に補助や助成制度がおこなわれているので妊活前に接種ておきましょう。
妊娠中特に妊娠初期に感染してしまうと血液を通して胎児に感染し「先天性風疹症候群(CRS)」になるリスクが高くなります。
CRSの主な症状として「先天性心疾患」「難聴」「白内障」です。
感染の時期により症状は異なります。
白内障:妊娠3カ月以内の感染。
先天性心疾患:妊娠4カ月以内の感染。
難聴:妊娠4カ月以降の感染でもあり。
またこのほかにも、さまざまな症状がでることがありますが、妊娠6カ月以降の発症は、ほぼ胎児には影響がないとされています。
水ぼうそうは「水痘」とも言われます。
水痘帯状疱疹ウィルスというヘルペスの一種が体内に入り込む感染症です。
特に空気感染での感染力が非常に強いですが、予防接種を受けているとほぼ防ぐことができるといわれています。
水疱瘡の予防接種で希に副作用で血小板が減少することがをあります。
これは100万人に1人ほどの割合です。
大人の接種の場合任意接種が多いですが(自費で約10,000円)、抗体が少ない場合は接種しておいたほうがいいでしょう。
妊娠初期の女性が発症すると流産のリスクが高くなります。
また、妊娠12週(4カ月)までの初期の頃に感染すると、胎児に感染して「先天性水痘症候群」に3~4%なる可能性があるといわれます。
先天性水痘症候群は、脳や皮膚、目の網膜や手足に障害や異常を引き起こす病気です。
出産前後に発症すると産道感染した赤ちゃんが生後に「新生児水痘症」を発症することがあり、深刻な結果になることもあります。
「麻疹(ましん)」ともいわれます。
はしかは「麻疹ウィルス」によって起こる病気です。
感染力が非常に強く大人が感染してしまうと重症化しやすいことも特徴です。
はしかは予防接種で防ぐことが可能な病気です。
妊娠中に発症しても胎児への先天性のリスクは少ないといわれています。
妊娠22~37週未満で生まれてしまう「早産」や「流産(妊娠22週以前)」のリスクが普通より高くなることがあります。
また妊娠中の発症は体力や免疫力が低下しているので、重症化し合併症を引き起こす可能性が高くなる恐れがあります。
はしかの抗体がない母親から生まれた場合には、接種前に麻疹にかかると症状が重くなる場合があるとされています。
「流行性耳下腺炎」ともいわれます。
ムンプスウィルスによっておこる感染症です。
ウィルスに感染した場合、発症までの潜伏期間が2~3週間と比較的長いのが特徴です。
また、感染力も強く大人が発症すると重症化しやすく、合併症などで希に卵巣炎、男性では精巣炎を発症し、不妊の原因になることもあります。
子どものころ発症したことがある、または予防接種を子どもの頃に接種したことがあり抗体もある場合も、その抗体が少なくなっている場合には感染することがあります。
任意の予防接種ですが抗体検査をして接種しておくことが必要です。
胎児への先天的なリスクは少なく、妊娠初期に発症した場合流産の原因になることがあります。
また、低出生体重児が生まれやすいことや、心臓や免疫にかかわる病気を発症すること可能性が希にあります。
出産前後の妊婦が感染した場合に、赤ちゃんがおたふく風邪を発症し合併症を併発することもあるといわれています。
検査を受ける医療機関など住んでいる自治体、保健所などで確認をしましょう。
また、水ぼうそうやおたふく風邪の抗体検査は任意の場合が多いので確認しておきましょう。
産婦人科ではすべての確認(抗体の有無)ができないところも多く、また予防接種も全てができないこともあります。
自治体によっては助成制度があるところもあります。
抗体検査はかかりつけの病院があれば、そちらに相談しておこなってもらうこともできます。
予約が必要なところもあるので事前に確認しておくことが大切です。
また、自費扱いになる場合もありますので、事前に聞いておくといいでしょう。
検査の方法は「採血」で、抗体の有無などの確認と、抗体についてもわかります。
予防接種を受けていても、抗体が減っている人もいるので、気になる人は念のため調べてもらいましょう。
検査結果は通常は5~10日です。
医療機関によって結果の報告方法が異なることもあります。
「郵送」なのか「再診」なのか確認しておきましょう。
その結果に応じて医師と相談のうえ接種することになります。
「採血」検査のときは通常の食事をしてかまいません。
何度も採血されることに抵抗がある場合は、事前に全ての抗体検査ができる医療機関を確認してください。
抗体の検査や予防接種はできれば、妊活をおこなうパートナーと行きましょう。
妊娠するのは女性ですが、身近にいるパートナーの抗体が低いために、気づかない間にウィルスの感染源になることもあるからです。
特に風疹の場合は、1979年~1987年に法改正で風疹の予防接種を受けていない人が多い世代のため、この年代に該当する場合は必ず検査あるいは、接種をしておきましょう。
また、風疹とおたふく風邪は、他の病気と間違われやすいので抗体検査をして初めて抗体がないことが判明するケースもありますので検査は必要です。
何度も接種することに抵抗がある場合は「MRワクチン」を接種しましょう。
風疹とはしかの混合ワクチンなので一度に予防できます。
妊活前に病気に感染して不妊の原因になることもあります。
事前に抗体検査を受けることで、特におたふく風邪の予防接種は、希に副作用もでるといわれているので抗体があれば接種しなくて済みます。
妊活の前に不安な要素は解決しておくためにも、パートナーと一緒におこないましょう。
多くの自治体で主に妊娠を希望する女性を対象に「風疹」の抗体検査を無料でおこなう助成制度があります。
ただ、全国各自治体によって適用の有無や範囲がいろいろなので、お住まいの自治体保健所に確認してみましょう。
なかには風疹やはしかの抗体検査を、男性がうける場合にも、無料あるいは助成してくれるところもあります。
その場合いろいろな条件があることが多く、各自治体で差がありますので確認する必要があります。
予防接種を受ける場合、住んでいる自治体、保健所で確認をして可能な医療機関に事前に確認してから受診しましょう。
(ワクチン等が常備していないことがあります)
また、先に抗体検査等をおこなう場合は、結果がでてからの接種になります。
5日~1週間で結果がでて、そのあとで医師と相談のうえ予防接種となります。
またどれも「生ワクチン」のため、生きたウィルスや細菌を弱毒化したものが体内に入ります。
そのため、その後一定期間妊活ができなくなりますので、妊娠の計画がある場合は、なるべく早めに受診をしましょう。
予防接種によっては、任意接種のため自費扱いなるものもあります。
抗体検査と同じく予防接種についても、各自治体で補助金制度があるところもあります。
HP等で調べておくといいでしょう。
多くの自治体で全国的に実施されていますが、その範囲はいろいろです。
任意でおこなった場合は、たとえばおたふくかぜ(ほぼ任意)の接種で、5,500円~6,000円が相場となっています。
また、MR(風疹と麻疹の混合ワクチン)の場合でも8,000円~10,000円が相場となっています。
水ぼうそうの予防接種は10,000円くらいが相場です。
抗体検査・接種を受けるまえに各自治体で確認をしましょう。
比較的MR(混合ワクチン)と単体での風疹、はしかの予防接種については全額補助や一部負担などを多くの自治体で実施しています。
また、妊娠を希望する女性のパートナー(男性)にも、同じように適応がある自治体もありますので、事前に自分の住んでいるところの自治体に確認しておきましょう。
予防接種を受ける場合、約3カ月の避妊期間が必要とされています。
これは「生ワクチン」を接種するからです。
生ワクチンは該当するウィルスや細菌を、弱毒化したものを体内にいれて抗体をつけるものです。
リスクを回避するために、必ず予防接種を受ける前1カ月と接種後の2カ月間は避妊をする必要があります。
目安としては生理中あるいは直後に接種をして、その後2回の生理がしっかりと終わるまでと覚えておくといいでしょう。
抗体検査後予防接種をおこなっても、男性の場合は避妊期間は特にありません。
男性の予防接種の場合、感染経路を断つためが妊活の場合大切な理由だからです。
空気感染や飛沫感染によって身近な男性が感染してしまうと大変なことになります。
また大人になってからの発症は重症化したり、不妊の原因にもなる場合があります。
そのためには必要ですが、予防接種後の避妊期間は特に必要ありません。
どうしても気になることがある場合は、接種のときに医師に確認するか、お住まいの保健所等で確認するといいでしょう。
妊活に入る前に予防接種と併せて、さまざまな病気回避のため、健康診断も済ませておきましょう。
婦人科の検診のほかに内科的な検診は必要です。
内科的な疾患により、妊娠しにくい状態になっている場合も考えられるためです。
内科的な健康診断は、問診、身体測定、血圧の測定、尿検査、血液検査、心電図、レントゲン撮影などです。
妊活の前に男性も受けておきましょう。
身体測定は、やせ体形、肥満体形ですと女性疾患の発症や不妊症、流産などのリスクになるため、適正体形を知っておくために必要です。
また尿検査では排卵障害など不妊の要因になる糖尿病や腎臓病、クラミジア抗原の有無をしらべます。
血液検査では貧血の有無や血中ホルモン、コレステロール値などを調べます。
血圧測定では高血圧の場合、妊娠中に妊娠高血圧症候群になるリスクが高くなりますが、普段の自分の血糖値がわかっていればコントロールしやすくなります。
また、妊娠中は受けにくい「心電図と胸部レントゲン撮影」は必ず受けておきましょう。
妊娠中にレントゲンを撮った場合、胎児の発育や形成に影響を及ぼす可能性があるためです。
心電図は妊娠中に受けても胎児への影響はないといわれていますが、上を向いて検査をするため胎児の重さで圧迫感を感じて気分が悪くなることもあるので妊活前に受けておくとよいでしょう。
産婦人科でおこなう検査です。
子宮頸がんの検査になります。
早期に発見した場合、妊娠も出産も可能です。
初期の場合、自覚症状がないので妊活の前に受けておきたい検査のひとつです。
方法としては、子宮の入口の細胞をブラシやヘラのような医療器具で採取し、顕微鏡で調べる検査です。
問診後内診台でおこないます。
特に痛みを伴うことはなく、また時間も短時間で済みます。
子宮の入口をこするので、ごく希に出血することもあるため、念のため生理用品は用意しておきましょう。
内診後エコー検査がおこなわれます。
X線ではないので問題はありません。
子宮内を映像でみて異常を確認する検査で、他のトラブルの有無を確認します。
さらに精密な検査が必要な場合、組織の一部を採取することになります。
あまり痛みはなく数秒程度で終わる検査です。
内診検査のためタイミングとしては生理後になります。
自治体や、健康保険の補助などを利用できる場合があるので確認しておきましょう。
産婦人科でおこなう乳がんの検査です。
検査の方法がX線での検査になるため、妊娠中には検査ができずに進行してしまうことがあります。
早期発見であれば乳房の温存治療も可能なので、妊娠前に必ず受けたい検査です。
問診、触診とおこないマンモグラフィー検査をするのが一般的な流れです。
この検査は、上半身裸になり撮影機械の前に立ち乳房をはさんで撮影するため、腫瘍や乳腺の歪み、また超音波検査ではみつけにくい石灰化が見つけやすい検査です。
妊娠中に発症した場合、胎児にも負担がかかる治療が多く、選択することが出てくることもあるので、必ず検査を受けておきましょう。
検査時間はこちらも撮影自体は短時間で済みます。
結果はすぐにはでないので確認しておくことが必要です。
また、しこりがあったり、乳頭から分泌液がでることがあるなど気になる場合や、身内に乳がんを発症した人がいる場合も妊活前の検査は必要です。
この検査も「子宮頸部の細胞診」と同じく、自治体や健康保険の補助などを利用して受けることができる場合がありますので、確認してみましょう。
予防接種は、体のなかに病原性の弱い病原体を接種して、からだに抗体をつくらせるものです。
この抗体により、あとから入ってくる病原体を排除してくれる大切な役割をしてくれます。
安全で安心な状態で赤ちゃんを迎えるために、また抗体をもつ母体から生まれてくる赤ちゃんは、その抗体もしっかりと持って生まれてくるため、予防接種はお母さんからの「初めての大切な贈り物」になります。