妊娠を望んでいる人にとって気になる着床時期。
妊娠検査薬を使うには早いため、つわりなどの身体の変化によって推測する人も多いでしょう。
つわりはいつ頃から起こるのでしょうか?
妊娠成立による身体の変化を知り、つわりに似た症状の原因を探りましょう。
妊娠した人のおよそ8割が経験するつわり。
妊娠初期に起こりやすい症状のひとつであり、妊娠の可能性を知る目安としても知られています。
つわりの主な症状としては、胃のむかつきやは吐き気など。食欲がなくなったり、食べてもすぐに吐いてしまったりすることもあります。
また、人によっては、強い眠気やにおいに対して敏感になるなどの症状が見られることも。
つわりの有無や症状には個人差がありますが、一体いつ頃から起こり始めるのでしょうか?
つわりの症状は、大体妊娠5~6週頃から始まり、15週くらいまでには収まっていくことがほとんどだと言われています。
しかし、個人差も大きく、人によっては妊娠が成立して間もない頃の、妊娠3~4週目から症状が現れることも。
妊娠3週目とは、排卵日のおよそ1週間後にあたる時期で、受精した卵子が子宮内膜に着床する頃。
妊娠が成立し、身体に少しずつ変化が現れ始めます。その身体の変化のひとつとして、つわりの症状が起こることがあるのです。
受精卵が子宮内膜に着床する際、少量の出血が起こることがあります。
着床出血とよばれ、ピンク色や茶色などの少量の出血であることがほとんど。
人によっては生理のような鮮血であることもありますが、生理のように何日も続かないことが特徴です。
ただし、この着床出血はそれほど多くの人にみられる症状ではなく、実際には着床出血を経験しなかったという人の方が多いでしょう。
また、同時に、チクチクとした下腹部痛を感じることも。着床出血は見られなかった場合でも、妊娠中に下腹部痛を経験する人は多いようです。
女性の体は、月経周期によって変化していきます。
分泌されるホルモンによって基礎体温も変化していくため、基礎体温を計ることで身体の状態を知ることができるのです。
排卵後に分泌されるホルモンの影響で、排卵後2週間は高温期が続きます。
妊娠が成立していない場合には、2週間の高温期を経て生理が起こり、基礎体温が一気に下がります。
しかし、妊娠が成立すると、妊娠を助けるホルモンが分泌され続けるため、高温期が続くことに。
高温期が2週間以上続き、つわりなどの症状がある場合には、妊娠の可能性を疑うことになります。
自宅でも簡単に検査することができる妊娠検査薬。
しかし使用できる時期は、基本的に生理予定日から1週間を経過した頃からとなっています。
着床時期を過ぎ、つわりのような症状が現れていても、検査薬ではまだ判定することができないのです。
まれに、使用時期を早めても反応が見られたというケースもありますが、使用する時期が早すぎると正しい判定を得られないことも。
誤判定によって必要以上に落ち込んだり、不安になってしまったりすることもあるため、使用する時期は必ず守りましょう。
妊娠が成立すると、「hCGホルモン」とよばれる女性ホルモンが分泌されます。
hCGホルモンは、大量に分泌されると尿中にも現れるため、妊娠検査薬での判定が可能になっています。
hCGホルモンは、妊娠を維持していくために欠かせないホルモンのひとつですが、一方で、つわりの原因にも。
女性ホルモンの急激な変化に身体がついていくことができず、つわりなどの症状が出やすくなると考えられています。
ホルモンバランスの変化に敏感な体質だと、着床後の特に早い時期からつわりの症状を感じやすくなるのです。
つわりは、体質以外にも、精神的な負担が原因になっていることも。
妊活や仕事、家庭、人間関係など、さまざまな心配事やストレスを強く感じると、自律神経が乱れやすくなります。
身体を整える働きがある自律神経が乱れることで、体調が崩れやすくなってしまうのです。
つわりも、精神的な負担が大きいと、症状が出やすくなったり強く出たりする可能性があります。
妊娠を強く望んでいる人にとって、着床時期はどうしても不安定になりやすい時期。
できる限り、ゆったりとした気持ちで過ごすことが大切です。
不妊治療を受けている場合には、治療段階によって子宮内の状態を把握することができます。
特に、肺移植を行ったあとの時期は、移植した受精卵が着床するのを待っている状態。
着床の時期が明確にわかるため、身体のちょっとした変化にも気づきやすいのです。
意識をしていないとなかなか気づきにくい身体の変化。
しかし、「着床していればつわりが起こるかもしれない」という思いによって、敏感に反応してしまっている可能性があるのです。
実際には妊娠していなくても、つわりなどの症状が現れることも。
想像妊娠ともよばれ、「子どもが欲しい」という強い気持ちによって起こりやすくなります。
強く妊娠を望むことで、妊娠をしているときと同じような変化が、身体に現れることがあるのです。
また、想像妊娠は、妊娠検査薬の誤判定が原因になることも。
妊娠検査薬を正しい時期に使用せず、誤って妊娠判定が出てしまった場合、信じ込んでしまい、つわりのような症状が出てしまったというケースもあるのです。
人によっては、着床前につわりの症状を感じることもあるようです。
しかし、排卵の直後や受精したばかりの時期につわりの症状が起こるとは考えにくいもの。
妊娠を強く望んでいたり不安やストレスを感じていたりと、心因的なことが原因となって、つわりのような症状を引き起こしていると考えられます。
妊娠に対して強い思いを持っている場合にはなかなか難しいかもしれませんが、排卵期や着床時期は、できるだけリラックスをして過ごすことが大切。
身体の変化にばかり気持ちが向いてしまわないよう、意識的に予定を入れたり、趣味に没頭できる時間を設けたりすることも効果的です。
妊娠検査薬で判定が出るよりも先に、つわりが始まってしまう人も。
つわりが早く始まった場合には、妊娠の可能性を頭に入れ、これまでの生活習慣を見直してみるとよいでしょう。
普段から飲酒や喫煙をする習慣がある場合には、お腹の赤ちゃんの成長に悪影響を及ぼす可能性も。
妊娠判定が出るまでは、つわりの症状だけで妊娠しているかどうかの判断はできません。
しかし、少しでも妊娠の可能性がある場合には、お酒やたばこはできるだけ控えた方が安心です。
つわりが始まると、食欲がなくなったり、吐き気を感じたりと、日常生活にも影響が出やすいもの。
仕事をしている場合には、職場への早めの報告を考えている人もいるでしょう。
しかし、赤ちゃんの袋である胎嚢しか確認できていない段階では、自然に流産してしまう可能性も。
流産の確率も15%と決して低くありません。
胎嚢確認から数週間が経過すると、心拍が確認できるようになり、流産の確率は一気に下がります。
職場などへの報告は、初めのうちは最低限にとどめ、心拍の確認を終えてから行うとよいでしょう。
ドラッグストアなどで気軽に手に入る市販薬。
しかし、たとえつわりのような症状が出ていたとしても、まだ妊娠しているかどうかわからないという状況では、市販薬を服用してよいのか迷ってしまいますよね。
市販薬の中には、妊娠中の使用が認められていないものがあります。
自己判断で服用すると、お腹の赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性も。
市販薬の服用は念のため避けた方が安心です。
妊娠の可能性があるということを医師に伝え、妊婦でも服用できる薬を処方してもらうとよいでしょう。
妊娠が成立した直後は、お腹も大きく膨らんでおらず、一見すると妊娠前の身体と変わらないように見えるでしょう。
しかし、子宮の中では大きな変化が起こっており、無理は禁物。
特に、つわりなどの症状が出ているなど、辛いときには無理に動かないようにしましょう。
妊娠初期は、急激な身体の変化によってさまざまな不調が起こりやすい時期。
意識して身体を休めるなど、できる限りゆっくり過ごすことが大切です。
パートナーや家族などを頼りながら、ゆったりと身体をいたわってあげましょう。
つわりの症状は人それぞれ。
つわりもなく普段通りに過ごせる人もいれば、吐き気がひどく日常生活すらままならないという人もいるため、必ずしも同じ時期に同じ症状が起こるとは言えないのです。
人の経験ばかりに自分を当てはめていると、身体の本当の状態に気づきにくくなってしまうことも。
「この時期だからつわりがあるはず」「なんとなく食欲がないからつわりかも」などと、一方的に考えるのは控えましょう。
つわりには個人差があるということを頭に入れ、できるだけゆったりとした気持ちで過ごすことが大切です。