妊活中の夫婦にとって着床して妊娠が成立するまでの生活には、気を使います。
着床の仕組みや妊娠のメカニズムをあらかじめ知っておくことで、ストレスなく妊活をすることができます。
着床について理解し、妊娠しやすい体を目指しましょう。
精子と卵子が出会って受精卵となります。その受精卵が、子宮内膜に根を張ることを「着床」と呼びます。
多くの場合、受精卵は4日から6日間かけて細胞分裂を繰り返し、卵管から子宮内へと移動していきます。
そのため、6日から7日で着床が起こるとされています。
性交渉を行ってから、約12日前後で着床が起こるとされ、多くの場合、着床が起こると着床出血や下腹部痛、基礎体温の変化などを感じるため、そのような症状がでてから気づく人がほとんどです。
着床時期には、身体を温めて身体を冷えから守る必要があります。
体温を上げて血液の流れがよくなることで、子宮内膜にできる血液のベッドがふかふかになり、着床しやすい環境を作ることができます。
また、栄養バランスが整った食事も大切です。
そして、着床をするためには女性ホルモンが正常に分泌されていることが重要となってくるため、しっかりとした睡眠をとるようにしましょう。
卵子と精子が出会って受精卵となり、着床をするためには、排卵をする必要があります。
女性の場合は、卵胞から卵子が飛び出すのは、月に1回しかありません。
そのため、このタイミングを逃してしまうと、次のタイミングは1カ月後となってしまいます。
この際に、黄体ホルモンと呼ばれるホルモンが関係しています。
この黄体ホルモンは、月経を正常に行われる仕組みに大きく関わっています。
また、この黄体ホルモンは排卵の直前に分泌量がピークを迎え、子宮内膜を厚くして、着床しやすい子宮を作りだしています。
精子と卵子が出会うことを「受精」と呼びます。
この受精を行うことで、受精卵が作られます。
性行為によって射精された精子は、子宮口から子宮頚管を通って子宮腔、卵管へと進んでいきます。
その後、卵管采で待つ卵子と出会う仕組みとなっています。
精子が子宮口から卵管采まで通る道のりは、人間に例えると約300kmに匹敵すると言われています。
また、女性の子宮のなかは、細菌やウイルスの侵入を防ぐために酸性の状態になっています。
そのため、酸性に弱い精子にとっては過酷な道のりとなります。
女性の身体の中で受精が行われる時期を知るためには、排卵が起こる時期を知る必要があります。
多くの女性の場合、排卵日から次の生理が起こる期間は約14日間と言われています。
そのため、生理周期が28日の女性の場合は、生理が始まってから14日後に排卵が行われます。
この排卵される前後に合わせて性行為をすることで、精子と卵子が受精する確率を高めることができます。
射精された精子は、卵子と出会うことで受精卵へと変化していきます。
この受精卵は、何回もの細胞分裂を繰り返しながら、4日から6日ほどかけて卵管を進んでいきます。
その間、受精卵は胚盤胞と呼ばれるまで成長していき、 そして卵管のなかを進んできた胚盤胞が子宮内膜に着床をすることで、胚盤胞を覆っていた透明な膜がはがれて孵化して、子宮内膜に根をはることができます。
精子と卵子が出会って受精卵となり、卵管のなかを進んでいきます。
そして、受精をしてから7日目前後に受精卵が子宮内膜に着床します。
この着床が起こることで、さらに細胞が分化していき、胎盤や胎児を作り出していきます。
そのため、一般的には精子と卵子が出会って日ではなく、子宮内膜に受精卵が着床した日が妊娠が成立した日とされています。
着床することで、女性ホルモンの分泌量などが変わり、妊娠検査薬で妊娠の有無を知ることができるようになります。
性行為をしてから精子が子宮内に入り込むには、かなりの日数がかかります。
そのため、生き残る精子の数もごくわずかとなってしまいます。
精子と卵子が出会って受精卵になった場合でも、受精から4日から5日間ほどかけて細胞分裂を繰り返しながら子宮腔内まで進みます。
そして、受精から7日ごろに着床が起こるとされています。
卵子が排卵され精子と出会って受精卵となり、子宮内膜に着床するまでの日数は約12日~13日かかると言われています。
精子と卵子が出会ってできた受精卵が無事に子宮内にたどりつき、子宮内膜に着床した場合、着床出血と呼ばれる出血が起こる場合があります。
この着床出血は、排卵日から7日から10日ほど経ったころに受精卵が子宮内膜に潜り込むときに起こると言われています。
着床出血の場合に起こる出血の量は、生理のときに比べて少ないことが特徴です。
また、生理のときにでてくる血液と比べると、茶色いドロッとしたおりもののような出血や薄い血液が2日から3日ほど出ることが多いようです。
受精卵が子宮内膜に着床して妊娠が成立した場合、着床したことで着床痛と呼ばれる下腹部に痛みを感じる場合があります。
着床痛は、激しい痛みを感じる人は少なく、チクチクする程度の痛みや鈍痛のようなズキズキするような痛みを感じることが多いようです。
また、痛みを感じるタイミングや痛みを感じる場所にも個人差があるのが特徴です。
なかには、着床痛を感じない人もいます。
着床痛は、受精卵が子宮内膜に着床することで痛みを感じるため、生理予定日の1週間前から直前に起こることが多いようです。
受精卵が子宮内膜に着床して妊娠が成立すると、着床出血や着床痛以外にも症状が現れることがあります。
これらを妊娠初期症状と呼び、なかには胸の張りや痛みを感じる人がいます。
着床をして妊娠が成立すると、女性の身体にはさまざまな変化が起こります。
特に、妊娠が成立することで、hCGホルモンと呼ばれるホルモンが急激に分泌されます。
このホルモンによって、排卵が停止したり胎盤を作るなどの妊娠や出産に向けての準備が始まります。
妊娠をする前の正常なおりものは、無色透明か乳白色、またはクリーム色をしています。
そして、乾燥をすることで黄色に変化します。また、生臭く、やや酸っぱいようなにおいが特徴です。
しかし、受精卵が着床して妊娠が成立することで、おりものに変化が起こることがあります。
妊娠が成立することで卵胞ホルモンや黄体ホルモンの分泌が増え、おりものの量が増える人がいます。
また、粘り気のないサラサラとしたおりものに変化したり、着床出血の際の血液と混ざることで茶色いおりものに変化する場合もあります。
着床して妊娠が成立することで、微熱や倦怠感、寒気、頭痛、咳などの風邪をひいたような症状がでることがあります。
これらは、妊娠初期症状によるもので生理前にでることもあります。
そのため、風邪と妊娠の見極めが難しい場合があります。
これらの風邪のような症状は、妊娠によって黄体ホルモンの分泌が増えることが原因となっています。
黄体ホルモンには、受精卵が子宮内膜に着床しやすいように血液をたくさん送り、子宮の収縮を防ぎ、身体の体温をあげる役割があります。
そのため、普段よりも体温が高い期間が続き、風邪のような症状が現れるとされています。
妊娠が成立した場合、多くの人がつわりを経験します。
つわりが始まる時期は決まっていないため、人それぞれです。
そのため、早い人だと妊娠3週目頃から始まる場合があり、その場合はちょうど着床前後から始まることになります。
つわりの感じ方も人それぞれで、吐き気を感じる人もいれば、食べ物の好みが変わる人もいます。
また、食べていないと気持ちが悪くなってしまう食べつわりや、すぐに疲れて眠くなってしまう眠りつわりなど、つわりにはさまざまな種類があります。
つわりが始まったら無理をせず、体を休めるようにしましょう。
受精卵が子宮内膜に着床して妊娠が成立すると、理由もなく悲しくなったり、イライラしてしまったりと情緒不安定になる場合があります。
これらの症状も、妊娠初期症状とされています。
着床時期に起こる情緒不安定などは、妊娠によって黄体ホルモンや卵胞ホルモンと呼ばれるホルモンの分泌量が急激に変わることで、自律神経が乱れることが原因とされています。
一時的なホルモンの変化によって起こる症状であるため、身近にいる人に理解してもらうことで、心を落ち着かせることができます。
また、イライラなどの症状が出た場合は、睡眠をとることで自律神経の乱れを改善させたり、症状を軽減することができます。
基礎体温は、運動や食事などの身体に影響を与えるものを取り除いた体温のことをいいます。
そのため、身体が一番安静になっている状態のときに測ることで、基礎体温を知ることができます。
また、女性の場合は、低温期と高温期の2種類があります。
低温期には、卵胞ホルモンが分泌されることによって、子宮内膜が厚くなり、着床をする準備をしています。
高温期には、体温を上げる効果がある黄体ホルモンが分泌されます。
この黄体ホルモンの働きによって、子宮内膜が厚くなり、着床の準備をした状態を維持することができます。
インプランテーションディップは、アメリカで知られている妊娠の兆候の一つです。
本来、排卵が起こってから数日間は高温期が続きますが、一時的に基礎体温が下がることがあり、この症状をインプランテーションディップと呼びます。
受精卵が子宮内膜に着床した際に、インプランテーションディップが起こるとされています。
そのため、高温期の途中である7日から10日前後に起こることが多くなっています。
受精卵が子宮内膜に着床して妊娠が成立することで、黄体ホルモンの分泌量が急激に増えます。
この黄体ホルモンには、身体の体温を上げる働きがあります。
そのため、妊娠が成立して高温期が続くのは、黄体ホルモンの分泌が影響していると考えられています。
排卵が起こり、妊娠が成立すると、3日から4日間の基礎体温は横ばいになることが多いです。
しかし、稀に高温期の5日から6日ごろになると体温が急激に上がることがあります。
このような基礎体温の上がり方を、2段上がりと呼んでいます。
着床時期に、軽い運動をすることで身体の代謝を上げることができます。
代謝が上がると血液の流れがよくなり、受精卵にとって着床しやすく居心地のよい子宮を作ることができます。
そのため、軽いジョギングやヨガなどの体調を整える運動はおすすめです。
しかし、登山やフルマラソンなどの過度な運動は避ける必要があります。
過度な運動をしすぎてしまうことで、身体に強い負荷がかかってしまいます。
着床時期に身体を冷やしてしまうと、血行が悪くなり、子宮の動きも悪くなることで着床しにくくなってしまいます。
また、着床しても流産を起こしてしまう原因にもなってしまいます。
そのため、妊活を行っている場合は、体を温めて血行をよくする必要があります。
身体を温めるには、お風呂にしっかりと浸かって身体を温めるのも効果的です。
また、身体が温まるショウガやニンニクを使ったスープや料理、保温効果のある靴下やホッカイロの使用もおすすめです。
着床時期にバランスの良い食事を心がけて摂取することで、着床する確率を高めることができます。
特に、妊娠をすると卵胞ホルモンや黄体ホルモンなどの数多くのホルモンの分泌が起こるため、ホルモンに良い影響を与える栄養素を含んだ食べ物をとることがおすすめです。
また、ホルモンや栄養は血液に運ばれて全身に届けられるため、血行をよくする食べ物もおすすめです。
着床時期に食べると良い食べ物として、細胞の老化を防ぐ効果があるビタミンEやホルモンの働きを助ける効果がある亜鉛などを積極的に摂りましょう。
身体を温めて血液の流れをよくする効果があるショウガやニンニク、とうがらしなどもおすすめです。
着床時期には、質の良い睡眠をしっかりととる必要があります。
寝ている間には、疲労回復の効果がある成長ホルモンの分泌が行われます。
また、成長ホルモンの分泌だけではなく、卵子の酸化や老化を防ぐために重要なメラトニンが分泌されています。
この成長ホルモンが最も多く分泌されるのが、夜10時から翌日2時までです。
この時間帯は、ゴールデンタイムとも呼ばれていて、メラトニンの分泌がされるピークは、夜中の2時から3時と言われています。
この時間帯にしっかりとした睡眠をとることで、着床に必要な身体の準備をして、着床率を高めることができます。
妊活をしている場合、なかなか赤ちゃんを授かることができなかったり、長い不妊治療のなかで、妊婦さんや小さな子供を見ることで無意識に妊娠にとらわれてしまっていることがあります。
そして、知らない間にストレスを抱えてしまっていることも。
ストレスを抱えてしまうと、排卵障害が起こりやすくなり、生理不順にもつながってしまいます。
その結果、妊活や不妊治療をしていたとしてもタイミング法を行うことが難しくなってしまい、さらに妊娠する確率を下げてしまいます。
着床時期には、葉酸やピニトール、亜鉛、マカ、ビタミンE、ザクロ、ルイボスなどのサプリメントの摂取が推奨されています。
なかでも葉酸の摂取は、積極的に行う必要があります。葉酸には、胎児の先天性障害を防ぐ効果があるとして注目を集めています。
また、葉酸を摂取することで、子宮内膜の強化や血行をよくする効果があります。
そのため、着床する確率を高め、流産しにくい身体を作ることができます。
妊活をしていて、妊娠の可能性がある場合は、着床時期には便秘薬や痛み止めの内服を控える必要があります。
特に、着床時期に抗がん剤やホルモン剤、ビタミンA、抗生剤などの薬を飲んでしまうと、お腹の中の赤ちゃんに影響を与えてしまう可能性が高くなります。
普段飲んでいる便秘薬や痛み止めの場合でも、子宮収縮を起こす成分が含まれていることもあり、内服をする前に医師に確認をするといいでしょう。
また、症状が出た場合に受診することで、妊娠していても飲むことができる薬をもらうことができます。
咳などの症状が止まらない場合は胸部レントゲン、腹痛の症状がある場合は腹部レントゲン、歯医者にかかった場合でもレントゲン撮影を行う場合があります。
ですが、妊娠初期にあたる時期にレントゲンによる放射線を浴びてしまうと、お腹の中の赤ちゃんに奇形や流産などの影響を与える可能性があります。
レントゲンによる放射線は身体に大きく影響します。
そのため、妊娠している可能性がある場合は、極力レントゲン撮影を控える必要があります。
また、受診をする場合は、妊活中であることを伝えるようにしましょう。
妊娠の可能性がある場合は、お酒はしばらく控える必要があります。
アルコールは、胎盤を通してお腹の赤ちゃんに成分が送られてしまいます。
赤ちゃんの成長が遅れてしまったり、精神の遅延、小頭症、出生時低体重、胎児性アルコール症候群などのリスクが高くなってしまいます。
また、タバコも控える必要があります。
着床時期にタバコを吸うことで、タバコに含まれるニコチンが血管を収縮させます。
そのため、子宮の血行が悪くなり、低体重になるリスクが高くなってしまいます。
着床時期に性交渉を行うと、子宮収縮を起こし、妊娠の確率を下げるといわれています。
これは、性交渉によって射精された精子に陣痛促進剤と似た成分が含まれているため、子宮を収縮させてしまう可能性があるからです。
大学の研究チームが実験を行ったところ、
着床時期に性交渉を1回行うと98%
着床時期に性交渉を2回行うと76%
着床時期に性交渉を3回行うと52%
妊娠の確率を下げるという結果がでています。
そのため、着床時期には性交渉を控え、性交渉以外のスキンシップをするようにしましょう。
体外受精によって不妊治療が行われる場合、受精卵を培養して胚盤胞と呼ばれるまでに受精卵が成長したら子宮内に移植する方法が行われます。
そして、移植後に胚盤胞が子宮内膜の中にもぐりこみ、着床が行われるまでには2日~3日かかるとされています。
培養された受精卵は、何回もの細胞分裂を繰り返します。
精子と卵子が受精した後に2日から3日ほどかけて4分割、8分割され初期胚と呼ばれるまでに成長します。
そして、4日から5日ほどかけて8個から16個に分かれた桑実胚と呼ばれる状態まで成長し、5日から6日ほどかけて着床することができる胚盤胞と呼ばれるまでに成長していきます。
胚盤胞が子宮内膜に着床する際に透明帯と呼ばれるものを受精卵が破ることで、着床することができます。
不妊治療を行う場合は、場合によっては、人工的に透明帯を破る手伝いをするケースもあります。
この場合は、通常に比べて着床しやすくなるため、1日で着床が起こる場合もあります。
子宮筋腫は、女性の4人に1人がかかると言われている女性特有の病気です。
子宮壁にできる陽性の腫瘍で、悪性腫瘍に変わることはごくまれとされています。
子宮筋腫は、卵巣から分泌される女性ホルモンによって筋腫が大きくなると考えられており、閉経によって小さくなることもあります。
貧血や頻尿、便秘、強い生理痛などの症状が現れるのが特徴です。
子宮筋腫は陽性の腫瘍であるため、子宮筋腫自体が命に関わることはありません。
しかし、できた状態でそのままにしておくことで、腫瘍が10kgまで大きくなることもあります。
また、子宮筋腫があることで子宮内膜がデコボコしてしまい、受精卵が着床しにくい原因になってしまうことも。
この子宮筋腫は不妊の原因にもなることがあるため、治療が必要になります。
年齢や子宮筋腫ができている場所、大きさや数によって治療方法が変わります。また、薬物療法や術前療法、手術療法などの治療方法があります。
子宮奇形は、女性の中で約3.8%から6.7%にある症状です。
自覚症状がないため、妊活を始めた際に気づくケースが多くなっています。
通常の子宮の場合は、前後にややつぶれたような洋ナシを逆さまにしたような形をしています。
しかし、子宮奇形になっている場合は子宮が2つに分かれていたり、通常と違う形になっています。
無形性、低形成、欠損の場合、短角子宮、重複子宮、双角子宮、中隔子宮など、さまざまなタイプがあります。
子宮奇形の場合は、自覚症状が少ないため自分で気づくことが難しい病気です。
ですが、膣に通じていない機能性子宮の場合は、初めて生理がきたときに月経血の貯留をきたすことで、下腹部に痛みが起こる場合があります。
子宮奇形があることで、着床がしずらくなり、妊娠の可能性を下げる場合があります。
子宮奇形の形によっては流産を引き起こす可能性もあります。
また、妊娠をしたとしてもお腹の中の赤ちゃんの発育が遅れてしまったり、分娩時に子宮収縮異常や子宮形態異常によって胎児の回旋異常が起こりやすくなります。
そして、陣痛が来ているにもかかわらず、分娩が途中で止まってしまう分娩停止に陥る確率が高くなります。
子宮奇形があった場合でも、妊娠や出産をすることは可能です。
ですが、他の原因が考えられないことによる不妊症の場合、流産や早産を引き起こす可能性がある双角子宮や中隔子宮の場合、子宮奇形によって下腹部痛などの症状が出ている場合は、手術が行われることがあります。
妊活や体外受精をしても妊娠をすることができない場合は、子宮内膜の癒着などの着床障害の可能性が高くなります。
過去に流産や中絶手術などの手術歴がある場合、手術時の傷によって子宮内膜に炎症が起こる場合があります。
この炎症によって、子宮内膜が他の臓器とくっついて癒着が起こることで着床を妨げ、妊娠をする確率を下げてしまうのです。
また、卵管が腹膜にくっついて起こる癒着では、卵管がふさがることで卵子が通ることができなくなり、不妊の原因となっているケースもあります。
このような子宮内膜の癒着は、手術によって治すことができます。
手術による治療の場合は、腹腔鏡手術が行われるケースがほとんどです。
腹腔鏡手術の場合は、お腹に5mmから10mmの穴を3カ所から4カ所あけます。
そして、腹腔鏡を使用しながら癒着している部分を剥がしていきます。
女性ホルモンの一種である黄体ホルモンは、妊娠の成立や継続をするために必要不可欠なホルモンです。
黄体ホルモンによって、受精卵が子宮内膜に着床しやすいように子宮内膜を厚くしたり、子宮内膜のコンディションを整えることで妊娠が継続できるようにしています。
また、身体の中の水分量を保ったり、基礎体温を上昇させたり、食欲の増進や、乳腺の発達などの重要な役割もあります。
ですが、この黄体ホルモンの分泌が少なくなると、子宮内膜が厚くなることができなくなってしまいます。
そのため、子宮内膜に受精卵が着床しにくくなったり、着床したとしても流産してしまう確率が高くなってしまいます。
このような、受精卵が着床しにくい着床障害が起きている場合は、黄体機能不全と呼ばれる病気にかかっている可能性があります。
黄体機能不全になると、着床したとしても妊娠を継続することが難しくなってしまいます。
黄体機能不全の場合は、基礎体温を測ると高温期が通常よりも短かったり、普段の体温が低いなどの症状があります。
治療には、ホルモン剤を投与して黄体期を伸ばす処置が行われます。
高プロラクチン血症は、プロラクチンと呼ばれるホルモンの血中濃度が高くなる病気です。
本来プロラクチンには、母乳を作ることができるように乳腺を発達させたり、子宮収縮を促すことで身体の働きを早める作用があります。
ですが、高プロラクチン血症になることで、妊娠や出産をしていないのに母乳が出たり、生理不順が起きたり、無月経が起こります。
また、低温期から高温期への移行が緩やかであったり、基礎体温表のグラフがガタガタだったりします。このような症状によって、妊娠する確率が下がってしまいます。
高プロラクチン血症は、他の治療薬を長期間内服していることでホルモンバランスが乱れることや、ストレスや脳下垂体に腫瘍ができることで、プロラクチンがたくさん分泌されてしまうことが原因となっている場合があります。
ほかにも、病的要因、生理的要因、薬剤によるものなど、さまざまな原因が考えられ、、治療方法は原因によって変わってきます。
妊活を始める場合は、着床の仕組みや妊娠のメカニズム、着床時期の注意点など、さまざまなことに気を付けなければなりません。
また、自身の生理周期に合わせて自分に合った方法で妊活を進めていく必要があります。
女性には、子宮頸がん、子宮体がん、子宮内膜症、子宮筋腫、不妊症といった女性特有の子宮の病気が多くあります。
そのため、妊活を始めると同時に検査を受けることで早期発見ができ、早めに治療することで、妊娠の確率を高められる場合もあります。
妊活は、想像以上に時間とお金がかかってしまいます。
また、なかなか赤ちゃんを授かることができない焦りや不安がストレスとなりやすく、考えすぎてしまうこともあるでしょう。
気負いすぎずに、赤ちゃんを授かるために夫婦で協力して、不妊治療を乗り越えることが大切です。