最近では、結婚をする年齢が上がってきていることから、妊娠する年齢も上がってきています。
そのため、赤ちゃんが授かれず不妊治療を行う人が増えてきています。
不妊の原因や不妊治療について知っておくことで、ストレスなく治療を受けることができます。
最近では、女性の社会進出が進んでいることから、仕事を優先してしまったり、仕事にやりがいを感じてしまうことで、結婚をする年齢が高くなっている傾向にあります。
結婚をする年齢が高くなると、子どもを授かる年齢も上がります。
年齢を重ねるにつれて妊娠する確率が下がってしまうことから、不妊治療を受ける人が増えてきています。
その結果、高齢での妊娠も増えてきており、高齢出産のリスクなども高くなってきています。
不妊治療を始めたとしても年齢を重ねるにつれて、妊娠をする成功率も下がってきてしまうため、なかなか妊娠することができない場合も多くなってきています。
不妊治療を行う上で、排卵誘発剤を使用したタイミング法と呼ばれる方法があります。
この排卵誘発剤を使ったタイミング法は、男性と女性ともに問題がない場合に行われます。
排卵誘発剤を使用して、卵子を刺激して卵胞の数を増やすことで妊娠する確率を高めることができます。
排卵誘発剤を使ったタイミング法の場合の妊娠成功率は50%と言われています。
しかし、タイミング法をしていても年齢が重ねるにつれて、排卵する力が衰え妊娠する確率が下がってきてしまいます。
この場合は、他の方法を行う必要があります。
排卵誘発剤には副作用があるため、注意が必要です。
おもに、頭痛や吐き気などの身体で感じる副作用が代表的です。
また、卵巣過剰刺激症候群と言われる卵巣にあるいくつもの卵胞が同時に排卵することで、卵巣が腫れてしまうという副作用がでる可能性があります。
そのため、排卵誘発剤を行うまえに、副作用についての理解が必要になってきます。
人工授精による不妊治療は、採取した精子を人工的に子宮の奥に入れることで受精の手助けをする方法です。
人工授精の場合は、受精を手助けするだけになり、その後は自然妊娠と同じような流れをとることができます。
そのため、赤ちゃんへの影響や副作用もほとんどないことがメリットです。
精子を直接子宮の奥に届けることで妊娠する確率を高めることができます。
ですが、人工授精をすることで、副作用として腹膜炎のリスクがあります。
洗浄された状態で直接子宮に注入されますが、稀にばい菌が子宮内に入ってしまう可能性があります。
この時に入ったばい菌が、子宮や卵管内に入ることで腹膜炎を起こす場合があります。
人工授精を行った場合の妊娠成功率は、一般的には15%~20%と言われています。
通常のタイミング法に比べると格段に妊娠成功率が高くなっていますが、人工授精だけの場合は、受精しないケースも多いことが現状です。
そのため、人工授精の回数を増やしたり、治療の方法を変えて体外受精に移行するといった方法がとられることが多いです。
体外受精は、女性の卵巣内から取り出した卵子を体外で受精させる治療のことをいいます。
体外で受精した受精卵をある程度成長させてから、子宮の中に戻します。
体外受精の場合の妊娠成功率は、35歳未満で41%と言われています。
また、35歳以上で32%と、年齢を重ねるうちに確率も下がってきてしまいます。
体外受精の場合は、妊娠確率が下がることで、逆に流産をしてしまう確率が高くなっています。
体外受精は誰でも行うことができるというわけではなく、女性の卵管に障害がある場合、抗精子抗体によって精子が奥まで入ることができない場合、精子数が少ない場合などに行われます。
顕微授精とは、顕微鏡で見ながら卵子のなかに精子を注入することで受精させる方法です。
受精後は、受精卵をある程度まで成長させてから、子宮の中に戻します。
顕微授精を行った場合の妊娠成功率は、一般的には35%と言われています。
人工授精や体外受精に比べると、妊娠成功率は高くなっています。
しかし、顕微授精をする場合は、健康保険の適応外となってしまうため、負担も大きくなってしまいます。
使用するホルモン剤の種類や回数などによっても変わってきますが、1回あたり45万円~55万円ほどかかると言われています。
体外受精の妊娠成功率は、20代の場合は40%と言われています。
これは、年齢が若いほど卵子の年齢も若いことが理由です。
卵子が若いことでエネルギーが多くあり、受精卵が成長する力があります。
また、受精卵が子宮内膜に着床する確率も高くなってきます。
卵子のほかにも、20代の場合は、子宮内膜の環境がいいことが考えられます。
このほかに、女性側だけではなく男性側の精子にしっかりとした数があったり、年齢が若いことで精子の運動率が高いことも要因と考えられます。
また、20代は比較的時間にも余裕があることで、妊娠する確率が高くなっています。
30代が体外受精を行った場合の妊娠成功率は、37%と言われています。
しかし、30代前半の場合は、20代とほとんど妊娠する確率は変わりません。
ですが、35歳を超えてからは、妊娠の確率も下がってくると言われています。
35歳を過ぎると、いままで緩やかに下がってきていた妊娠成功率が、急激に下がります。
これは、卵巣とともに卵子の老化が進み、子宮内膜症や子宮筋腫といったさまざまな病気の可能性も増えてきているからです。
40代が体外受精を行った場合の妊娠成功率は、20%と20代や30代に比べるとかなり低くなってしまいます。
これには、卵子の老化によって染色体異常が起こりやすくなったり、妊娠をするために必要不可欠な卵子の排卵が少なくなってしまうことが原因とされています。
40代になると、体外受精だけでは妊娠する確率がとても低くなります。
そのため、体外受精だけではなく、検査と一緒にタイミング法や人工授精なども並行して行う必要があります。
不妊の原因は、女性にあると思われがちですが、原因の半分は男性にあると言われています。
女性と同じように、男性側も老化によって精巣の力が衰えてしまいます。
精巣には、男性ホルモンの分泌をするだけではなく、精子を作る重要な役割があります。
そのため、精巣が老化により衰えてしまうことで、元気な精子を作ることが難しくなってしまいます。
妊活を行っている夫婦で多いのが、男性側の勃起障害です。
この場合は、精子の問題があるわけではありません。
夫婦のすれ違いなどが原因でセックスレスになってしまい、勃起障害が起こることがあります。
このほかに、男性側が停留精巣になっていることで不妊になってしまっていることもあります。
不妊の原因としても比較的多い理由です。
片側だけの場合でも精子の数が少ないなどの症状が出ている可能性があるため、適切な治療を受ける必要があります。
女性側が不妊の原因となっている場合、女性特有の病気が原因になっていることもあります。
特に、子宮内膜症と呼ばれる腹膜子宮内膜症、卵巣チョコレート嚢腫、深部子宮内膜症、子宮腺筋症、多臓器子宮内膜症は、不妊にの原因になることが多い病気です。
子宮内膜症になってしまうと、卵巣や卵管が癒着することで、卵子が通れなくなってしまいます。
また、子宮内膜症になってしまったとしても、適切な治療を受けることで、妊娠することができる可能性もあります。
これらの子宮内膜症は、不妊の原因になるだけではなく、徐々に痛みも強くなり、場合によっては緊急手術が必要になる場合もあるため、注意が必要です。
子宮内膜症は、20代30代と年齢が上がるにつれてなりやすく、40代が最もかかりやすい病気です。
そのため、定期的な検査をする必要があります。
クラミジアや膣カンジタ、性器ヘルペスなどの性行為をすることでかかってしまう病気のことを総称して性病と呼びます。
この性病の中で、特に若い人たちに多いものがクラミジア感染症です。
最近では、女性の感染者が増えています。
自覚症状が少ないことが特徴です。
クラミジアの場合、初期の段階では無症状です。
また、症状が出たとしても、少しおりものが増えたり、不正出血がある程度なため、気づかない人がほとんどです。
そのため、放置して悪化させてしまい、子宮内膜炎や卵管炎を起こしてしまいやすくなります。
その結果、流産や早産を起こしやすくなるだけではなく、卵管が詰まることで不妊の原因になったり、卵管が狭くなることで子宮外妊娠の確率が高くなったりします。
最近では、仕事を優先してしまったり、仕事にやりがいを感じていることで、なかなか結婚をするタイミングを逃してしまう女性も増えています。
その結果、晩婚化となり、子どもを考える年齢も上がってきています。
年齢が上がると、男性女性問わず卵子や精子の老化が進み、不妊になってしまいやすくなります。
タイミング法を行っても妊娠することができない場合は、医師の手を借りて不妊治療をする必要があります。
不妊治療は、なかなか妊娠することができず、時間とお金がかかることも多いです。
焦りやストレスを感じることも多く、夫婦で上手に乗り越える必要があります。
夫婦で協力して不妊治療を乗り越えて、赤ちゃんがやってくるのを待ちましょう。