妊娠したくてもできない不妊症。
その原因は遺伝などの先天的な要因と生活習慣や病気などの後天的な要因に分けられます。
また、不妊の原因は女性だけでなく、男性にもあります。
男性・女性それぞれの不妊原因およびその遺伝との関係性を確認していきましょう。
DNAは両親より受け継がれ、背の高さや髪の毛の質などの外見・身体的特徴やIQ・好奇心などの内面・性格、運動能力や酒・ギャンブルの依存などの才能や身体能力、がんなどの疾患リスクについては両親の影響を受けると考えられています。
また、逆に利き手や動体視力など両親からの遺伝の影響を受けない項目も存在しています。
顕微授精とは体外受精の一つであり、採取した卵子と精子を体外で授精させる方法であり、有名な男性不妊治療の方法です。
この方法は授精確率が通常の体外受精と比較し高いことがメリットとして挙げられますが、出産した子が男児の場合、親の遺伝子異常、たとえば無精子症などの不妊症が伝達される可能性があるというデメリットが存在します。
妊娠はするけれども、流産や死産などにより結果的に子どもを持てない「不育症」という病気があります。
この不育症は遺伝の場合、両親や祖父母、兄弟姉妹が保因者(染色体の構造異常があって、その以上が発現していない者)である可能性があります。
不育症の場合でも授精前の着床前診断を受けるなどの方法により、出産確率を高める方法が存在しますので、専門医に尋ねてみましょう。
卵管由来の不妊原因として、卵管留水腫や卵管間質部の閉塞が挙げられます。
前者は性感染症であるクラミジア感染症によって引き起こされる卵管采(卵巣から排出された卵子を吸い上げて卵管に送る、卵管の先端のイソギンチャク状の部分)及びその周囲の癒着が原因となっており、後者は子宮内膜症やクラミジア感染症による反復炎症の結果引き起こさるものです。
クラミジア感染症は不妊症となるまで無兆候であることが多く、注意が必要です。
検査を繰り返しても不妊の原因が特定できない場合があります。
このような原因不明の不妊は機能性不妊と呼ばれています。
この機能性不妊と診断されるのは全体の10~15%程度といわれています。
その場合は原因不明のまま治療を進めていくこととなりますが、そのような場合であっても体外受精・顕微授精などの方法により妊娠するケースや自身のペースで自然妊娠するケースも多いことから、悲観しないことが大切です。
卵子の数は女性の出生時に既に定数が用意されてるため、増えることはなく減少するのみとなります。
よって卵子は女性の老化とともに老化していき、45歳程度で妊娠可能性がほぼなくなり、50歳以上になると妊娠可能性はゼロになるといわれています。
卵巣の若さを保つためにはできるだけストレスを貯めないことやホルモン異常を防止することが大切です。
男性不妊には先天的な異常および後天的な異常があります。
先天的な男性不妊については遺伝的要因や発育段階での何らかの影響が原因となり、後天的な男性不妊はストレスやアルコール、病気などが要因として挙げられます。
なお、男性不妊の原因の約90%が造成機能障害(精子をうまくつくれない状態のこと)であり、以下の種類が挙げられます。
いずれの症状の場合であっても、体外受精などの方法によれば妊娠することが可能といわれています。
精液中に精子が一匹もいない状態。重い症状。
精液の中に精子はいるが、少ない状態。
精子の運動率が悪い状態。数は正常。
上記の造成機能障害の中で一番多い(70%以上を占める)のが「特発性造成機能障害」という原因不明の機能障害です。
原因が不明であることから、基本的には、効く可能性のあるビタミン剤や抗酸化剤、漢方製剤などの薬物を投与しする薬物療法で治療をすることがほとんどです。
喫煙やアルコールの取り過ぎなどの生活習慣が不妊原因になっている場合も多いため注意が必要です。
性機能障害とは性機能に障害があることによって、性交がうまくいかない場合の総称です。
男性の場合には勃起障害、早漏、膣内射精障害、性嫌悪障害、性欲低下障害などが挙げられます。
性機能障害は加齢が原因で発生することが多いですが、最近では若者の性機能障害が増加しています。
若者の性機能障害が増加している原因は肉体的過労や精神的ストレスなどの慢性的な心身過労にあるといわれています。
不妊症については遺伝的な要因などの先天的要因だけでなく、後天的な要因の割合も非常に高いです。
会社でのストレスや過度のアルコール摂取、食事の偏りや喫煙など日々の習慣などが大きな影響を与えます。
まずは、ご自身の生活習慣を振り返り、体に悪影響を及ぼす行為については見直すことを心掛けましょう。
妊娠しやすい環境を整えることで、不妊の早期改善につながるかもしれません。