どんな人にも起こり得る不妊。誰にでも可能性があるとはいえ、高齢になるとその確率は格段にアップしてしまいます。
避けようがないともいえる不妊ですが、体質を改善することで、不妊を乗り越えることも可能だといわれているのです。
女性の社会進出に伴って、晩婚化が進行している現代。
晩婚化に伴い、妊活に取り組みはじめる年齢も高くなってきています。
こうした社会背景があり、高齢不妊が大変増えています。
高齢不妊のメカニズムを知って、おすすめの体質改善法を実践していきましょう。
高齢妊娠とは、35歳以上での初産のことを指します。
いいかえれば、妊娠において35歳以上の女性は、「高齢」と判断されることになります。
少し前までは、30歳以上の女性が高齢とされていました。
しかし、晩婚化が進むとともに医療の発達も進み、35歳まで引き上げられることとなったのです。
女性は、加齢と共に自然妊娠できる確率が減っていきます。
もともと女性は、産まれたときから体内にある卵子の数が、減る一方となっています。
その数は年々減少していき、閉経を迎える50歳前後でゼロとなるのです。
また、卵子は若いほうが自然妊娠できる確率が高くなります。
こうした理由があり、高齢女性での自然妊娠の確率は、18%ほどとされています。
20代女性で25%ほどとされているので、確率が下がっていることが分かります。
さらに年を重ねるとともに、この確率は一気に下がっていってしまうのです。
高齢となり自然妊娠が難しくなると、不妊治療に踏み切る女性が多くなります。
しかし、不妊治療を乗り越えて自然に妊娠できる確率は、わずか15~20%ほどに留まるといわれています。
20代での不妊治療でも、なかなか成功しないといわれている中で、高齢という条件がついてくると、ここまで確率が下がってきてしまうものなのです。
そこで、不妊治療の末に、体外受精を試みるという夫婦も増えています。
医療の発展が著しい現代では、体外受精のほかにも、人工授精などさまざまな方法が確立されています。
とはいっても、これらの方法でも100%妊娠できるという保証はないのです。
高齢になると不妊になりやすい理由としては、排卵の間隔が長くなってしまうことが挙げられます。
通常ならば1カ月に1回、不要となった卵子が排出されることを排卵と呼びます。
この排卵には、二つの女性ホルモンのバランスが、非常に重要なポイントになってきます。
ホルモンがそれぞれバランスよく分泌されているからこそ、定期的な排卵が起こるのです。
しかし高齢になってくると、ホルモンバランスは乱れやすくなります。
また閉経が近付くとともに、ホルモンのバランスは、自然に排卵しにくい状態になっていきます。
そのため、排卵の間隔が長くなってしまうのです。
排卵の間隔が長くなって不定期になってしまうと、当然生理周期も乱れてきます。
すると、排卵のタイミングが分かりにくくなり、自然妊娠しにくくなってしまうのです。
若い女性でも、病気になる可能性がある子宮。
年を重ねれば、それだけ子宮系の病気が発症しやすくなってきます。
たとえば、子宮筋腫や子宮内膜症などは、誰でも発症するリスクがあるといわれています。
これらの病気では、少なからず子宮にダメージを与えてしまうことも多くあります。
そして、自然妊娠が難しくなってしまうということも、中にはあるのです。
加齢とともに、卵子の鮮度も落ちていきます。
すると、たとえ妊娠に成功したとしても、染色体異常が発生する確率が高くなってしまいます。
染色体異常が発生すると、子供に障害が残ってしまったり、流産や死産となってしまったりすることも多くあります。
この染色体異常は、現在の医療では手の施しようがありません。
もちろん、20代の若い女性でも、染色体異常を起こす可能性はあります。
そんな中でも高齢のケースでは、染色体異常の発症リスクは、非常に高くなるのです。
高齢となればなるほど、卵子の老化が進行していきます。
これは、女性ホルモンの分泌が低下していくことに由来するもので、卵子の鮮度を保つことができなくなってくるのです。
卵子が老化すれば、それだけ自然妊娠できる可能性は減ってしまいます。
鮮度のよい卵子でも、妊娠できる確率は決して高くない自然妊娠。
老化が進めば進むほど、自然妊娠が厳しくなり不妊となってしまうのです。
高齢で不妊に悩んでいる女性には、体質を改善することが重要です。
なるべく新鮮で、健康な卵子を保つことこそ、不妊を脱するポイントといえるのです。
体質改善には、卵子の老化を防いでくれるサプリメントが活躍します。
多種多様なサプリメントがありますが、中でもミトコンドリアやビタミンEはおすすめの成分となっています。
また、妊娠において欠かせない成分である「葉酸」も、しっかりと摂取しておくことが大切です。
サプリメントを選ぶときは、なるべく無添加で体に優しいものにすることもポイントです。
妊娠しやすい体作りのための漢方薬も、大変おすすめです。
漢方薬は、さまざまな生薬で作られた、体に優しく作用する薬です。
中でも、当帰芍薬散は、高齢不妊におすすめしたい漢方薬です。
当帰芍薬散は健康にもいいので、ぜひ服用していきたい漢方薬の一つといえます。
最近では、ドラッグストアでも手軽に手に入る漢方薬。
忙しくてなかなか医療機関へ出向けないという人にも、おすすめです。
肥満は、不妊には悪影響となります。
さらに妊娠しにくい体質となってしまうので、健康的な体形を維持することも大切なのです。
健康的に体形を維持するためには、健康的な食事と適度な運動が必要です。
過度な食事制限などをするよりも、適度な運動をする方が体にも優しく効果的といえます。
また適度な運動により代謝もアップするので、妊娠しやすい体に近付けるのです。
高齢になると、不妊に悩む女性が大変多くなります。
これは加齢によるもので、そのほとんどのケースが仕方のないことです。
とはいっても、晩婚化が進んでいる現在では、一昔前に比べると、圧倒的に高齢妊娠の比率が高くなっています。
高齢でも自然妊娠するためには、体質を改善して健康を保つことが大切です。
大変なことに聞こえるかもしれませんが、体質の改善は日々のちょっとした工夫で始められます。
サプリメントや漢方薬は、身近な店舗で簡単に手に入ります。
適度な運動も、明日からでもすぐに取り入れられるものです。
まずは自分にできることから始めて、高齢でも不妊を乗り越えていきましょう。