妊活に取り組んでいるのであれば、着床時に起こるさまざまなサインに気付いて、応じた対策をとりたいもの。
そんなサインの中で今回は「便秘」について触れていきます。
着床期で便秘になりやすい原因を見極め、自然な排泄ができるように解消していきましょう。
受精卵が子宮内膜に着床すると、そこから受精卵の成長が始まり赤ちゃんへ少しずつ細胞分裂を繰り返しながら近づいていきます。
この着床のサインともなるのが、妊娠超初期(妊娠0週~妊娠4週まで)に現れてきます。
このサインには個人差があります。
出血、倦怠感、腹痛、胸の張りを感じる、食の好みの変化などさまざまなものがあげられますが、生きていく為に必要となる排泄に関するものもあるのです。
便秘になったり逆に下痢をしやすくなる場合もあります。
できるだけ早く気が付くことで、赤ちゃんに悪影響を及ぼす喫煙や飲酒などを避けることができ、他にも生活習慣の見直しもできるようになります。
ではどうして着床時期に便秘が起こりやすいのか原因をみていきましょう。
妊娠するとそれまで好きでもなかった食べ物が好きになったり、よくあるのは柑橘系しか好まなくなるなど「味覚の変化」が起こります。
サインとして、早期につわりのようなものが出る場合もありますので、そうなるとどうしても食べられるものを食べるようになり、結果として栄養が偏ります。
栄養が偏ってしまったり必要となる栄養が不足すると、過度なダイエットの状態と同じで腸の動きが鈍くなり、スムーズに便が排泄されなくなる原因に。
便秘を引き起こす場合に、考えられる不足している栄養素は「食物繊維」「脂質」「ビタミン」などが考えられます。
妊娠超初期には女性ホルモンにさまざまな変化が起こります。
中でも着床することで、分泌が始まるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)ホルモンは胎盤の細胞で作られるホルモンで、心身を維持していくために重要なもの。
黄体(卵子を排卵した後に卵胞部分が変化したもの)の分解を防いでくれるエストロゲン、プロゲステロンの生成を保ってくれるものです。
とても重要な変化ですが、これが原因となってさまざまな兆候につながっています。
便秘も例外ではありません。
中でもプロゲストロンの増加によって、身体の栄養を逃さないように蓄えようとするため、身体全体の代謝が低下したり、腸のぜん動運動を鈍くしたりしてしまうので、便秘になりやすくなるのです。
着床すると出るサインの中に、倦怠感や眠気が出てくるなど体調の変化があります。
これにより運動量が減ってしまい、運動不足となる原因に繋がることが。
妊娠中はどうしても身体を動かすことがつらくなったり、面倒になったりしてしまいがちですが、適度な運動が腸の活発な動きを促すため、おのずと便秘になりやすくなってしまうのです。
妊娠初期に少なからず歩くなどの対策をしておかないと、妊娠後期にはお腹が大きくなることもあって、さらに運動量が減ってしまう傾向がありますので注意したいポイントになります。
精神的であったり肉体的であったり、何かしらのストレスを受けて私たちは生活をしていますが、妊娠超初期からはホルモンバランスが変化し、不安感やストレスを感じやすくなるので自律神経が乱れやすくなります。
自律神経は、身体にある各機能を調整してくれる役割をもっていますので、その自律神経が乱れてしまうということは腸の動きにも悪影響を与えてしまい、うまく腸が働かず便秘になってしまうのです。
妊娠をしていなくても便秘の主な原因として考えられる「水分不足」。
妊娠超初期からはよりこまめに水分を取るように心がけましょう。
つわりや、寝不足などによる吐き気によって、いつもよりも水分を身体は失っているのです。
それによって便秘が起こってしまうというわけです。
スムーズな排泄を促すためにも十分な量の水分が必要となりますので、飲みたいと思うまで待つのではなく、定期的に時間を決めるなどして積極的に水分を摂取しましょう。
食生活や生活習慣の改善によって便秘が解消する人もいますが、これも個人差があります。
中にはこれだけではまったく改善されないケースも。
そんな場合には便秘薬に頼りたくなるものですが、自己判断で飲むのは控えてください。
さまざまなタイプの便秘薬が現在は市販されており、もしかすると妊娠に対して悪影響を及ぼしてしまう場合もあるのです。
我慢せずに産婦人科の担当医に相談して、妊娠中でも使える便秘薬や漢方などを処方してくれることもありますので、一緒に解決方法を見つけてもらうのがよいでしょう。
もしも市販の便秘薬を使わなければならない場合でも、飲む前に医師に確認したうえで、服用するか決めてください。
便意を感じたり、試しにトイレで踏ん張ってみることは妊娠していないときにはあったかもしれませんが、妊娠初期からの場合には気をつけてください。
理由としては、赤ちゃんに影響がないとしても母体に対する負担が出てきます。
トイレに長い時間座っていることもできるだけ避けたいところ。
また踏ん張ることで、血圧が急激に上昇してしまったり、便が硬かったり思うように肛門の筋肉が動いていない場合には、負担がかかってしまい痔になってしまう場合も。
妊娠後期には子宮口が大きく開いてきます。
あまり踏ん張りすぎると切迫早産のような症状が出てしまうケースもありますので、覚えておきましょう。
妊娠初期の段階である妊娠12週までは、流産が発生しやすい時期でもあります。
便秘の痛みとは違う強い痛みがあった場合には早期に病院を受診してください。
妊娠初期には大体流産の発生確率が10~15%ほどあります。
ですので腹痛に関しては注意するようにしましょう。
ただ心配のない腹痛もあります。
特徴的には痛みは一時的なもので長く続くことはありません。
よく見られるのは、「下腹部に外側に張るような感覚があり痛む」「お腹から腰に掛けて痛む」「生理痛のようなお腹の痛み」「キュッとした軽い痛み」などがあります。
逆に注意したい痛みは次のものになりますので、当てはまるようなら病院を受診しましょう。
・ぎゅっと締め付けられるような継続的な痛み
・ズキズキと下腹部が強く痛む
・痛みに伴い出血したり基礎体温が低下する
これらの症状には絶対に油断せず、いち早く対応しましょう。
便秘を改善する上で、食物繊維はとても重要となります。
食物繊維には不溶性・水溶性の2種類があり、不溶性はインゲン豆や小豆、ライ麦などの穀物に多く含まれていて、腸内で水分を取り込んで数十倍にふくらみ腸壁を刺激してくれるものです。
水溶性は、胃や腸で吸収されずに硬くなってしまった便を柔らかくしてくれる効果のある食物繊維。
海藻類や豆類、ゴボウやニンジン、オクラなどに含まれています。
この2つの食物繊維の力で便秘の解消を促してくれるのです。
発酵食品を摂取することで、腸内環境を整えることができます。
その働きをしてくれるのが、発酵食品に含まれている乳酸菌です。
食べやすく摂取しやすいものでは、ヨーグルトやチーズなどの乳製品、納豆、味噌、キムチなど。
中でもヨーグルトには腸まで乳酸菌が届きやすく、腸内環境を整えるだけではなく、免疫力もアップします。
乳酸菌が多く含まれている食品で、自分の食べやすいものを選びながら上手に摂取しましょう。
いつも使っていた砂糖を「オリゴ糖」に変えてみましょう。
先ほどあげたヨーグルトなどで摂取した乳酸菌のエサになるのがオリゴ糖です。
できるだけ加糖のヨーグルトは避けたいですが、少し甘みが欲しいときにはオリゴ糖を足して、乳酸菌の力を引き出すお手伝いをするとよいでしょう。
ただ食べすぎは体重増加につながりますので、適量を摂取してくださいね。
もしかしたら水分が足りていないということも考えられます。
朝起きてすぐにコップ1杯でいいので、白湯を飲む習慣をつけましょう。
睡眠中の睡眠不足解消だけでなく、胃や腸が刺激されてしっかりと動くように準備してくれるのです。
冷たい水ではなく白湯を飲むことで、身体がびっくりしてしまうこともないですし、身体を冷やしてしまう心配もありません。
妊娠初期にはホルモンの変化についていけず、体調不良やストレスを抱えてしまいがちです。
日頃の食生活や生活習慣を見直してみて自然な方法で、便秘を解消できるようにリラックスした気持ちで向き合っていきましょう。