赤ちゃんを身ごもるためには、受精卵が母体に着床しなくてはいけませんよね。
どのくらいの着床率があるのか、その着床率を上げるためにできることとは?
女性だけではなく、妊活に取り組む女性のパートナーである男性にも知っていただけたらと思います。
受精卵は、精子とめぐり合い何度も細胞分裂を繰り返しながら約7~10日かけて子宮へと向かい、その受精卵が子宮内にたどり着いて子宮内膜に到達し、母体と結びついた状態を「着床」といいます。
妊娠するためには、受精卵が着床しなくては育ちません。
精子の命は3~5日で卵子は24時間と、とても短いため着床を成功させるためには性交のタイミングも重要となります。
例えば排卵日に性交したとして、1回当たり卵子と精子が受精し受精卵となれる確率は10~20%といわれ、そこをクリアした上で、受精卵が着床する着床確率は20~30%といわれているのです。
少しでも確率を上げるためにいくつか方法を上げてみましたので、試せるものを取り入れていただいて妊活につなげていただけたらと思います。
まずは基礎体温を測り、自分の排卵日を把握しましょう。
排卵日を予測するためには基礎体温だけではなく、おりものの状態をみたり、現在では「排卵検査薬」というものも購入できますので、これを使って予測することもできます。
不妊治療のファーストステップでも取り入れられている「タイミング法」で、より正確に排卵日を把握してから性交することで、受精卵となる確率を上げ、その後の着床率もおのずと上がりやすくなります。
不妊の原因はさまざまな要因が考えられますが、ライフスタイルの改善も要因として考えられます。
その中でも食事は体を作る上でとても大切なもの。
元気な卵子や精子を育むためにも、質のよい食材をバランスよく摂取しましょう。
良質なたんぱく質で赤ちゃんを作る機能を高めることができ、卵子の質を向上させることができます。
具体的には卵や青魚、肉類や大豆製品が上げられ、男性側には亜鉛をしっかり摂取してもらい、男女ともに十分な量のミネラルとビタミンをとることが重要です。
亜鉛は、牡蠣や赤みの肉類に多く含まれていますが、日本人には特に不足しやすい栄養素ですのでサプリメントなどで補いましょう。
運動をすることで、妊娠しやすい体を作ることも可能です。
運動することにより上手にストレス発散ができたり、体のバランスを整えてくれる効果があります。
過度な運動は女性の月経サイクルを崩してしまい、生理や排卵が止まってしまうこともあるので避けましょう。
適度に楽しんで継続的に取り組めるものにチャレンジすることが大切です。
具体的にはウォーキングや水泳、ヨガなどが上げられますね。
体内時計の改善で生活リズムを整えることにもつながります。
運動によっても血行がよくなりますので体の冷えが改善されますが、他にも入浴することによって体の冷えを改善できます。
できるだけシャワーではなく、リラックスもかねて20分以上は湯船につかるようにしましょう。
体の芯から温まることで冷えを解消できます。
また、室内で過ごす際にどうしても足が冷えてしまうのであれば、靴下を履くなど自分のライフスタイルに合った解消法で冷えない体を作りましょう。
生活習慣の乱れによって妊娠は遠のいてしまいます。
生活リズムを整えて、規則正しい生活を送ることがとても重要なことなのです。
その中でも睡眠の質や適度な睡眠の量はとても大切。
なるべく同じ時間に起床と就寝をするサイクルを作ることです。
朝しっかりと日光を浴びることで、体内時計がリセットされます。
夜更かしをしてしまうと新陳代謝を促す成長ホルモンの分泌がおこりずらくなりますので、注意しましょう。
睡眠の量が十分でないと疲労の回復は見込めません。
リラックスして過ごせるように就寝前にはあまり考え事をせずに、水分の取りすぎにも注意して、良質な睡眠をとるように心がけることが大切です。
一周期あたり自然妊娠する確率は約20%というドイツの研究結果がありますが、女性は年齢が上がると妊娠するまでにかかる時間は比例して長くなります。
これは卵子の老化が原因ではないかといわれているのです。
質のよい卵子が育たなかったり、育って排卵しても受精や着床しなかったりというものも、この数字には含まれていて、年齢別に20代では自然着床確率は25~30%と最も高く、妊娠の初期に起こるといわれる化学流産率は9~11%と最も低くなっています。
次に30代での着床確率ですが、30~34歳では25~30%ですが35歳からは18%となり、30代で徐々に女性の妊孕力(子供を生む能力)が低下していきます。
さらに先ほども上げた化学流産率は15~25%。
20代の頃と比べ、上がってきているということもこういったデータから読み取ることができるのです。
卵子の老化により40代となると着床確率は40~44歳で5%、45歳以上で1%となり、ほぼなくなってしまうのです。
また卵巣内の卵母細胞は、37歳から42歳にかけて急激なスピードで減少してしまい、卵子の数はそれまでの10分の1となってしまいます。
あわせて化学流産率は50%以上となり、もし着床に成功しても妊娠5週目ごろに化学的流産がおこりやすく、いつもの生理と勘違いして、その化学的流産に気が付かないということが多いのです。
そういったリスクが40代となると、着床した約半分の確率でおこってしまうのでとてもリスクが大きくなります。
排卵日を正確に判断して、排卵日にあわせて性交をするという不妊治療の初期段階でおこなう方法である「タイミング法」。
このタイミング法の成功率は約30%といわれており、年齢や希望によって期間はまちまちですが、一般的には6周期を目安におこなっていくこととなります。
次に人工授精は採取した精子を子宮の奥に入れる治療法です。
卵子と精子の出会う確率を高めてくれるのですが、その後受精卵となったり着床に関しては自然妊娠とまったく同じになります。
人工授精の成功する確率は、平均して10%といわれていますが、その結果には個人差があります。
個人差がありますので一概にはいえませんが、平均としては20~40%の成功率といえます。
体外受精は顕微授精によって体外受精してできた胚である受精卵を凍結して移植する「凍結胚移植」と、受精卵を2~3日培養して分裂が進んだのを確認し、移植する受精卵を形状のいいものから順に移植する「胚盤胞移植」があります。
妊活するにあたって普段の生活を見直して着床しやすい体を作りましょう。
規則正しい生活を心がけて、必要栄養素を多く含んだ食材をバランスよく取り入れながら、着床確率を上げるためにパートナーと一緒に取り組みましょう。