人工授精を行った後、受精卵が子宮内膜に着床することで妊娠が成立します。
そのため、人工授精後に着床する時期がいつごろなのか、とても気になるという女性は多いようです。
個人差はあるものの、着床時期には女性の体に特定の症状がみられることがあります。
着床したことにいち早く気付けるように、人工授精をしてから10日目に現れやすい症状を確認しましょう。
人工授精10日目に入ると、そろそろ妊娠兆候が表れないかと気になってきます。
医学的にはない言葉なのですが、妊娠0週目~3週目ごろを「妊娠超初期」と呼んで、早い時期から妊娠の可能性について調べる人も増えているようです。
体のちょっとした変化に、もしかして妊娠初期症状かも?と考えて妊娠検査薬を使ってみる人もいます。
人工授精10日目に現れやすい症状について紹介していきましょう。
精子と卵子が受精した後、7日目~10日目ごろに着床が始まるのが一般的です。
人工授精の翌日を高温期1日目とするので、高温期10日目には着床が始まっている可能性は高いと言えます。
受精卵がうまく子宮内膜に着床していれば体内でhCGというホルモンの分泌が増えてきて、妊娠超初期症状があらわれてくることがあります。
妊娠超初期症状についてみていきましょう。
着床して妊娠が成立した場合は、卵胞ホルモンや黄体ホルモンが分泌され続けるため中には着床後におりものが増える人もいるようです。
さらに粘り気がなく、サラサラした状態におりものが変化する人もいます。
いつもと違う織物が出た場合は妊娠初期症状の可能性があります。
ただし、これは個人差があり、すべての人にあてはまるわけではありません。
生理前の下腹部痛はぎゅーっと内側に向かって縮まるような痛みが生じ、妊娠超初期のころはぐーっと外側に向かって広がるような痛みが生じる、とよく言われています。
これは痛みの原因が生理前は子宮の収縮、妊娠超初期の下腹部痛は子宮拡張のためです。
また、妊娠超初期症状としてちくちくとした下腹部の痛みが挙げられます。
これは子宮が膨張するときに子宮付近にある靱帯も一緒に引っ張られるためです。
そのため、生理予定日あたりに、下腹部にぐーっと外側に向かって広がるような痛みやチクチクする痛みが現れたら妊娠の可能性があるとされています。
ですが、痛みの感じ方は個人差があるので、体感で明確に区別できるような違いはありません。
妊娠したら食べ物の好みがガラッと変わったという話を聞いた経験もあるのではないでしょうか。
これは、妊娠でホルモンバランスが変わってしまうことが原因で、妊娠超初期によくある傾向です。
いわゆるつわりの一種でもあり、多くの方が妊娠4週目から6週目に症状が現れ始めます。
妊活中の方は、特に妊娠初期症状に敏感で、症状が少しでもあてはまっていたら妊娠の可能性を信じてしまいがちです。
妊娠初期症状を生理前症状は、実はとてもよく似ています。
ちょっとした違いを認識していれば過度な期待をすることを減らせるのではないでしょうか。
妊娠中・生理前には、必ず黄体ホルモンが分泌されています。
黄体ホルモンは乳腺の発達をもたらす作用があります。
そのため、乳腺が刺激されて胸が張ったり乳首が敏感になり痛くなったりします。
生理が始まると治る人がほとんどです。
黄体ホルモンには睡眠作用や体温を高めに保とうとする効果が含まれているため、やたら眠かったり風邪のような症状の倦怠感がでてしまいます。
黄体ホルモンは情緒不安定やイライラなどの精神症状も引き起こすため、生理前にイライラしやすくなったり、精神的に不安定になる場合があります。
人によっては心身の安定を与える卵胞ホルモンが下がることによって精神的な安定が得にくくなるため、生理中にもイライラが続くことがあります。
女性の体は、大腸の前に子宮があります。
黄体ホルモンは、流産を防ぐために子宮の収縮を抑える作用があります。
その作用が大腸にも影響し、便秘になります。
また、黄体ホルモンの分泌量が少ないときには子宮の収縮を抑える作用も弱まりますので、大腸への収縮を抑える作用も弱まり、下痢になります。
基礎体温は、妊娠時と被妊娠時で状態が異なります。
女性は卵胞ホルモン、黄体ホルモンという2種類のホルモンの影響を大きく受けます。
このふたつのホルモンは、一定の周期で分泌量が多くなったり少なくなったりします。
この周期的な変化が月経周期をつくっていて、月経が起こるのはこのふたつのホルモンの影響です。
人工授精した10日目の基礎体温はどうなっているのでしょうか。
高温期を持続させる作用をもつホルモンを黄体ホルモン(プロゲステロン)といいます。
人工授精の治療では処置が終わった日から、この黄体ホルモン剤を処方されることが多いです。
服用している期間は高温期が持続することになります。
薬の服用が終わっても高温期が継続している場合に妊娠の可能性ありということになりますので、焦らず結果を待つようにしてください。
妊娠すると高温期が2週間以上続きますが、高温期の途中で急に体温が下がっていつもの体温に戻ることがあります。
これは俗にインプランテーションディップと呼ばれている現象で、妊娠の目安にされることもあります。
医学的に認められている現象ではなく、下がらずにずっと高温期が続くケースもあります。
ひとつの目安として覚えておいてください。
高温期は一般的に11日~16日継続するので、妊娠していなければ最短で次の日に低温期に入り、体温が下がることになります。
妊娠しなかった場合は黄体はしぼんで白体となり、卵胞ホルモン、黄体ホルモンとも分泌が減ります。
不要になった子宮内膜が剥がれ落ち、血液と一緒に体外へ排出されます。これが生理です。
妊活していれば、ほぼ確実に買ってしまう妊娠検査薬ですが、いつごろ使えばいいのか悩んでしまいます。
使い方を間違えると不確定な情報に一喜一憂することになってしまいますので注意して使用しましょう。
基礎体温を測っていて2週間以上高温期が続くと妊娠の可能性が高くなります。
高温期が続けば妊娠検査をしたくなりますよね。
妊娠や排卵を検査できる市販薬にはさまざまなものがあります。
それぞれ使い方や使う時期が異なり、正しい用法で検査を行うことが大切です。
妊娠検査薬は生理予定日のおおよそ一週間後から、排卵検査薬は人工授精にはあまり関係のないものですが、生理予定日のおおよそ17日前から使用できるものが多いようです。
この排卵検査薬を妊娠検査薬の代わりに使用する人もいるようですが、用途が異なるため判定結果をもとに妊娠の可能性を判断するのは難しいので注意してください。
市販の妊娠検査薬では妊娠すると分泌されるhCGと呼ばれるホルモンの有無によって陽性・陰性の判定が行われます。
検査薬によって使い方は異なる場合があるため、必ず説明書を読んでから正しい方法で使用するようにしましょう。
どうしても妊娠しているかどうか知りたくて、判定時期よりも早くから妊娠検査薬を使う方も少なくありません。
気持ちはわかりますが、いわゆるフライング検査によって、陽性反応がでて妊娠がわかった方もいれば陽性反応が出たけれど妊娠はしていなかったというケースもみられるようです。
また、逆に陰性反応がでた方でも妊娠しているというケースもあります。
フライング検査を行うのは個人の自由ですが、確かな結果ではないので一喜一憂しないようにし、説明書に記載されている通りの期間にあらためて検査しましょう。
万が一陰性反応が出た場合でも妊娠していた場合、妊娠していないという結果だけを見て飲酒や薬の服用をしてしまうといったことがあるので注意が必要です。
妊娠を希望していると特に検査結果に敏感になりますので、無理に検査を行うことでかえってストレスがたまることが無いように注意する必要があるかもしれません。
妊娠検査薬の性質上、陰性反応でも実はhCG濃度が不足していたというケースや、逆に陽性反応がでたけど妊娠していなかったというケースもあるようです。
妊娠以外で陽性反応が出る原因は、不妊治療中のhCG注射による反応、高度の糖尿などが考えられます。
陰性反応が出ても、hCG濃度が不足していたり、水分の摂りすぎによって濃度が低くなる場合もあります。
妊娠検査はあくまで目安なので自己判断せずに最終的な判断は病院で診察を受けましょう。