妊娠を望むカップルがまず初めに試すのはタイミング法ですが、何回くらいで妊娠できるのでしょうか?
タイミング法を試す予定であれば、妊娠の成功率について知っておくことが大切です。
また、成功しなかった場合の原因と対処法も頭に入れておきましょう。
妊娠を望んでいる方は、排卵時期の1カ月に1回チャレンジできるタイミング法から始めます。
ではタイミング法は何回くらいで妊娠できるのでしょうか?
タイミング法の周期ごとの妊娠の成功率を確認してみましょう。
成功率を知ることで、タイミング法を何回試したらいいのかひとつの目安になります。
健康なカップルが排卵時期にタイミング法を試した結果、1周期で妊娠する確率は約3割です。
約3割が妊娠に成功する一方で、約7割のカップルは妊娠に成功していません。
健康であっても1周期では妊娠できないことのほうが多いのです。
この結果を見ても、妊娠するということは簡単なことではないということがわかります。
しかし、タイミング法は周期を重ねていくごとに成功率が高くなるので、不安にならなくても大丈夫です。
タイミング法は排卵時期に性行為をして妊娠を望むことです。
そのためチャレンジできるのは1カ月に1回。
タイミング法で妊娠できなかった場合は、しばらくの間、次の周期にタイミング法を試すということを続けていきます。
タイミング法を重ねていくごとに妊娠の成功率は上がっていき、6周期で約6割の方が妊娠に成功。
毎月タイミング法を試したとすると、約6割のカップルが半年ほどで妊娠できるということになります。
逆にいうと、約4割のカップルが妊娠に至らないということなので、このタイミングでまだ妊娠できていなかったとしても、まだタイミング法を試してみる価値はあるでしょう。
タイミング法を12周期試した場合の妊娠の成功率は約8割まで上がります。
毎月タイミング法を試していたとすると、1年ほどで多くのカップルが妊娠に成功するということです。
しかし、タイミング法を毎月試していたとしても、妊娠できないカップルは約2割ほどいます。
その場合は、人工授精に切り替えるなど、次のステップの不妊治療を考えたほうがよいでしょう。
タイミング法の治療期間は1年が目安だといわれています。
医師の指示をあおぎ、夫婦でよく相談して今後の不妊治療の方向性を決めましょう。
健康なカップルであれば、タイミング法を1年試すと約8割は妊娠しますが、一方で何回も失敗するカップルもいます。
失敗する原因にはどのようなことがあるのでしょうか?
妊娠できないのは、女性に限らず男性にも原因がある可能性があります。
タイミング法で何回も失敗する原因として考えられるのは、卵子や精子の質が悪いということです。
卵子や精子の質が悪くなっている原因は、加齢、乱れた食生活、ストレスなどが考えられます。
近年、結婚・出産が高齢化しているので、加齢が原因で不妊になるカップルは多いです。
食生活やストレスが原因の場合は、それらを改善させることで妊娠できる可能性があります。
暴飲暴食を避け、規則正しい時間に栄養バランスの摂れた食事を摂ることが大切。
また、ストレスは溜め込まないように、好きなことをして発散させながら生活しましょう。
精子の通り道になる卵管がつまっている卵管閉塞になっていると、精子が卵子のところまでたどり着けず、受精することができません。
詰まっていなくても、狭くなって通りが悪くなっている卵管狭窄の可能性もあります。
また、卵管の通過性が保たれていたとしても、卵管が周りの臓器と癒着していたり、卵管采が癒着していて閉じていると、卵子をうまく取り込めないというピックアップ障害が起こることもあるのです。
このように、卵管に問題があると、受精そのものができないので妊娠することはできません。
卵管閉塞や狭窄、または卵管周囲の癒着は、不妊患者の約35%にみられる症状です。
子宮に問題があり、タイミング法に失敗している可能性もあります。
子宮の問題には、子宮筋腫や子宮内膜症があり、症状が重い場合は治療が必要です。
子宮筋腫や子宮内膜症になっていると、月経時の出血量が多い、性交痛があるという症状が起こることがあります。
不妊治療を受ける前に不妊検査をすることで、子宮の問題が発見されることがあるので、気になる方は不妊検査を受けてみましょう。
妊娠するためには、排卵時期に性行為をするしかありません。
タイミング法というのは、その排卵時期に合わせて性行為をすることをいいますが、そもそも排卵日の予測がずれていたら妊娠はできません。
自分で排卵日を予測する方法は、基礎体温を測って予測するか、排卵予測検査薬を使用する方法があります。
それでも排卵日を予測できているか不安であれば、病院で診てもらい、排卵日を特定してもらいましょう。
病院で診てもらう場合でも、基礎体温表の提出を求められることが多いので、どちらにしても基礎体温はつけておいたほうがよいです。
タイミング法で何回も失敗すると落ち込んでしまいますが、まだ妊娠に成功するためにできることはあります。
また、妊娠できないということで頭がいっぱいになりストレスを溜め込むのもよくありません。
気持ちを切り替えましょう。
タイミング法を試すのは1年が目安だといわれています。
1年間(回数でいうと12周期ほど)試しても妊娠できなければ、人工授精へと不妊治療をステップアップさせることを検討しましょう。
人工授精で妊娠する確率は、平均で10%くらいだといわれています。
タイミング法を1年以上ダラダラと続けるよりは、人工授精に切り替えたほうが妊娠できる可能性がありますが、飛躍的に確率が上がるというわけではないということも頭に入れておきましょう。
人工授精とは、採取した精子を人の手によって子宮の奥に入れ、卵子と精子が出会う確率を高める治療のこと。
その後、受精・着床に至るまでの流れは、自然妊娠と同じです。
例えば、卵管に問題がある、精子に問題があるなどが原因で、タイミング法では妊娠できなかった場合、人工授精をすることで妊娠できる確率が上がります。
不妊治療に行き詰まったら、成功率の高い病院へ転院するという選択肢もあります。
病院により治療方針はさまざまです。
不妊治療の治療成果のデータを多数集め、より成功率の高い治療を研究し実施してくれる病院もあります。
成功率だけでなく、不妊治療にかかる費用も病院によって異なります。
新しい病院や、さまざまな検査を行ってくれる病院であれば、多額の費用が必要になる可能性があるのです。
予算と照らし合わせつつ、成功率の高い病院について調べてみましょう。
何回もタイミング法に失敗すると、気持ちが落ち込み、治療に疲れてしまう方が多いです。
精神のバランスを崩し、うつ気味になってしまう方もいれば、ストレスが溜まってイライラしてしまい、夫婦仲が悪くなってしまうこともあります。
治療に疲れたら、一旦を休んでリフレッシュする期間をつくりましょう。
次の治療にステップアップするタイミングでも構いません。
気持ちを一度リセットすることで、また新たに不妊治療を頑張ろうという意欲が湧いてきます。
例えば、旅行に行くというのもおすすめ。
旅行などで気分転換をして気持ちが落ち着いたら、治療に関係なく自然妊娠できたということも稀ですがあります。
少なからずストレスは体調や不妊に影響を与えるので、治療によるストレスを溜め込まないようにしましょう。
タイミング法での妊娠を望む場合は、何回までタイミング法を行うかを事前に夫婦で相談しておくとよいです。
健康なカップルがタイミング法を行った場合、1年で約8割の方が妊娠できるというデータがあります。
一般的な目安は1年とされているので、毎月タイミング法を試すなら12周期が目安だということです。
ただし、あくまでも一般的な目安として参考にしつつ、自分たちは何回までタイミング法を試し、失敗した場合はどうしていくのか、夫婦でよく話し合いましょう。