2018.09.06

男性不妊に見られる特徴は?不妊原因の約半数が男性側にある!

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結婚から数年、子供が欲しいけど、なかなかできる気配がない…

昔は女性側に不妊の原因があるという認識が一般的でしたが、近年は男性側に問題があることが判明し、注目されていますよね。

なかなか子供が授からない場合、不妊の原因は奥さん(女性)ではなく、旦那さん(男性)のほうにあるのではないかと思い始める方もいらっしゃると思います。

そこで今回は、男性側が原因となっている不妊や疑問について解説していきます。

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不妊原因の約半数は男性側に問題が

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不妊の原因について世界保健機関(WHO)が1996年に行った不妊原因調査では、7273組の不妊症のカップルを

調べると女性が41%、男性が24%、どちらにもある場合が24%、原因不明が11%という結果が出ています。

これを見てもわかるように男性と女性で原因の割合が約半分ずつなのです。

また日本の国立社会保障人口問題研究所の調査によれば、6組に1組のカップルが不妊治療をしていますので12人に1人ほどの割合で男性が不妊症ということになります。

日本はどうしても原因が妊娠する体でもある女性にあると考えがちですが、結びつかなくてはいけない精子を持っている男性側にも不妊の原因があるのです。

男性不妊の原因と特徴は?

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男性不妊の原因には大きく分けて、先天性のものと後天性のものがあります。

先天性の性機能不全になる原因としては、発育段階で受けた影響やさまざまな遺伝的要因が挙げられます。

性機能不全に挙げられるものとしては、勃起状態や持続時間が不十分で、性行為が行えないED。

不十分な状態の「勃起障害」。

射精が早期に生じ、性行為が満足に得られない「早漏」。

オルガズムに達しない、または時間がかかり過ぎ、射精困難で満足が得られない「オルガズム障害」などがあります。

先天的な要因としては、染色体の異常によるホルモンの不均衡や、生まれつき精管が欠損しているために、

精子が外に放出されずに精巣内に留まった状態である「先天性精管欠損」などが挙げられます。

後天性の要因では、子供の頃の病気のおたふく風邪、過度な喫煙やアルコール摂取、加齢などがあります。

※参考:https://www.menshealth-tokyo.com/infertility/column_01/report02.html

先天的な男性不妊の原因

先ほどお話したように、不妊の原因には先天性要因と後天性要因があります。

ここでは「先天性な要因」について解説していきます。

遺伝子や染色体からくる不妊

先天的な要因としては、ニつ以上のX染色体とY染色体を持つ性染色体異常が原因の病気の「クラインフェルター症候群」があげられます。

こちらは、体が成長しても精巣が未発達で、精巣で作られる男性ホルモンが欠乏する病気です。

また、生まれつき精管がなく、精巣内に精子が閉じ込められた状態になる「先天性精管欠損」も要因の一つとしてあげられます。

発育段階で影響をうける

発育段階に受けた影響で、性機能不全になることもあります。

性機能不全には、ED、勃起障害、早漏、オルガズム障害などがあります。

勃起障害では性交渉自体が行えなかったり、射精困難や早漏になることもあります。

後天的な男性不妊の原因

続いて、後天性な要因としては、どのようなものがあるのでしょうか。

子供の頃の病気が影響することもある

後天性の要因として、大人になってからの「おたふく風邪」があげられます。

大人になってから掛かったおたふく風邪の高熱により、さまざまな影響が出ます。

その中の一つに合併症があります。

この合併症は、男性の10%~30%に起こります。

1週間ほどで治まる症状が長期化したり、両側の睾丸が腫れたりなど炎症を起こすと、

睾丸の中の精子をつくる細胞が死んでしまい、不妊となる可能性があります。

精巣の機能障害で不妊状態

精巣の機能障害は、「造精機能障害」と「精路通過障害」の二つにわかれます。

「造精機能障害」とは、男性不妊の90%を占め、精液を作る機能に障害がでます。

精液検査をすると「精子の数が少ない」「精子の運動率が低い」「精子が正常形態ではない」の三つの症状がでます。

「精路通過障害」は精子の通り道がふさがっていたり、通り道の近くに炎症があることで、精子が通過しにくい状態をいいます。

精子が観察できない「無精子症」、精子の運動能力が低い「精子無力症」の原因となります。

加齢と共に精子が老化

男性の精巣も加齢とともに、機能が低下していきます。

精巣の大きさが小さくなっていき、男性ホルモンを作る量も低下。

1日あたりにつくられる精子の量も減り、運動量も低下すると言われています。

男性不妊になりやすい人の特徴

次は、男性不妊になりやすい人の特徴について解説していきます。

肥満体型で野菜不足

肥満体型の人はホルモン値が変化したり、分厚い脂肪により精巣が温められて、正常な精子の数や量が低下したりします。

さらに、野菜不足(ビタミン不足)になると、活性酸素の攻撃を受けやすくなります。

緑黄色野菜や果物から摂取できる抗酸化ビタミンは、活性酸素を消去してくれる働きがあります。

また、ビタミンCは細胞内の活性酸素を消す働きをし、ビタミンEは脂質を主成分とする細胞内にとどまって酸化を

防いでくれるので、積極的に摂るようにしましょう。

さまざまなところからストレスを受けている

疲労やストレスは、男性不妊の原因になるとされています。

現代の働く人は、社会からさまざまなストレスを受けています。

会社での日々の仕事、人間関係や家族の将来。

こうした疲労やストレスは、男性ホルモンの分泌量を低下させ、

精子の数の減少や運動能力の低下、性欲の低下などを引き起こします。

日頃からの喫煙や過剰飲酒

喫煙者は非喫煙者に比べて、精子の量が10%から17%低下します。

タバコは「百害あって一利なし」といわれる通り、男性不妊の原因となります。

また、飲酒も精子を作る力を低下させる原因の一つです。

理由としては、精巣内にある酵素はアルコールを分解する働きがあるのですが、

アルコール量が増えると、分解する際に作られるアセトアルデヒドという毒が精巣内に増え、精子を作る力を低下させます。

ストレス発散にと、仕事帰りにお酒を飲みに行って深酒をしたり、心配事で眠れない夜に、

お酒の力をかりて眠っていたりすると、不妊となる可能性が高くなっていきます。

※参考:https://www.menshealth-tokyo.com/infertility/column_01/report02.html

理解されにくい実情

やはり、不妊のイメージといえば、女性というイメージになるかもしれません。

しかし、周りからは、そう見えないかもしれませんが、男性もとても悩んでいるのです。

見た目にはわからない男性不妊

大昔から子供ができないことは、女性側に原因があると思っていた人は多かったのかもしれません。

そのせいか、現在でも自覚症状がないためわかりづらく、

男性側が不妊の原因だとは考えていない方もいるのではないでしょうか。

また、不妊の症状は女性に限らず、男性についても見た目ではわかりませんし、

カミングアウトすることも恥ずかしいとの理由で、周りからの理解も得にくいでしょう。

まだまだ周知が十分でない不妊治療

最近では、女性の不妊に関しては世間に認知され、「不妊治療」という言葉が浸透してきたように思えます。

しかし、女性と同様に、男性にも不妊治療が必要な場合もあります。

男性の不妊治療とは、どのような治療をするのでしょうか。

男性の不妊治療も女性と同様に、検査から始まります。

男性の場合は「精液検査」を行い、精子の量、濃度、運動率、正常形態率(奇形率)などを調べます。

検査の結果、原因に応じた治療が行われます。

正常な場合は「タイミング法」、精子数が少ない、運動率が悪い、奇形が多い場合は

「人工授精、顕微鏡受精」、精子数がかなり少ない場合は「ホルモン治療」、

精子がない「無精子症」の場合は、「精路再建術」などの薬物療法や外科的療法が用いられます。

また、症状によっては外科手術が行われます。

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不妊原因の割合は約半数が男性

男性の不妊の原因や特徴、そして不妊になりやすい人の特徴などをみてみると、

不妊の原因は女性だけのせいではないことはご理解いただけると思います。

数値でみると、不妊の原因の割合は男性が約50%、女性が約60~70%で、10%~20%は両方が原因となります。

これらの結果から見ても、不妊の半数は男性側にあることがわかります。

仮に、子供ができずに検査を行った際に、どちらかのパーセンテージが大きかったとしても、決して相手を責めないでください。

もしかしたら、あなたが原因だったと考えると、相手に対して申し訳なく思うのではないでしょうか。

それは相手も同じです。

不妊は夫婦の問題です。

一人で悩まずに相手に相談して、二人で一緒に乗り越えましょう。

※参考:http://www.ogikubo-hospital.or.jp/interview/message14.html

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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