2018.07.04

ホルモン注射は女性の大きな味方。種類ごとに上手に活用を

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女性ホルモンは、女性の一生に大きな影響を与える重要なホルモンです。2つのホルモンの分泌が正常に行われ、バランスを取ることで、体調が整い健康的な日々を送ることができます。ホルモンを補うにはホルモン注射があります。うまく利用して活用しましょう。

女性ホルモンの種類ごとに効果を紹介

女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2つのホルモンがあります。この2つがうまくバランスを取ることで、生理周期が整い妊娠、出産などのほかにも女性の全体的な健康を支えています。

バランスが安定しなかったり、分泌がうまく起こらない場合は、ホルモン注射での治療が可能です。体調改善だけではなく美容効果もありますが、まれに副作用もあります。プラスの面とマイナスの面を把握し、種類ごとに上手に活用しましょう。

女性ホルモンの働きとは

女性ホルモンは2つのホルモンがあります。健康的な生活を送るには、この2つのホルモンのバランスが整い正常に分泌されることが必要です。

女性ホルモンには2種類ある

女性らしさを保つエストロゲン(卵胞ホルモン)

エストロゲン(卵胞ホルモン)は、女性らしい体を作るホルモンです。健やかな肌や髪を保ち、骨や血管を丈夫にし、コレステロール値を調整する働きがあります。また脳細胞も活性化し、もの忘れを防いだり、感情を安定させます。

エストロゲンの分泌は、初潮を迎える思春期頃から分泌が盛んになり、20代~30代前半がもっともピークになります。35歳から徐々に減少し、45歳を過ぎると閉経に向け急激に分泌量が減ります。この更年期の時期は体調不良がおこりやすくなります。閉経後は動脈硬化、骨粗鬆症に注意が必要です。

妊娠するために必要なプロゲステロン(黄体ホルモン)

プロゲステロン(黄体ホルモン)は、受精卵の着床を促し子宮内膜の状態を整えます。妊娠するために必要なホルモンで、乳腺を発達させ体温を上昇させます。生理前にもっとも分泌が盛んになり、妊娠した場合はこの黄体ホルモンの分泌が続き、妊娠継続に向け、子宮内膜や胎盤の状態を安定させます。

このホルモンは体内の水分を保持するため、むくみやすくなります。生理前はこのプロゲステロンの影響で、イライラしたり、ストレスがたまりやすくなります。妊娠するためには大切なホルモンですが、体調不良や精神的に影響が出やすいといえます。

女性ホルモンは脳からの指令で分泌される

2つの女性ホルモンが造られるのは卵巣ですが、脳の視床下部から卵巣に指令が行くことで分泌されています。女性ホルモンの分泌を正常に促すには、卵巣自体の機能も大切ですが、卵巣への指令がうまく伝わることも大切といえます。

ストレスや睡眠不足は、視床下部に大きな影響を与え、指令がうまく伝わらず、ホルモンバランスの乱れに繋がります。睡眠時間はきちんと確保し、食生活にも気を付け生活習慣を整えましょう。また軽めの運動などでストレスをうまく発散できるよう心がけましょう。

不妊治療には黄体ホルモン注射が有効

黄体ホルモンは妊娠や出産にむけて重要なホルモンです。この分泌が上手くいかないと、不妊に繋がります。黄体ホルモンの注射を継続することは、不妊治療に有効です。

プロゲステロン注射は着床率を高める

プロゲステロン(黄体ホルモン)は、妊娠をするために必要なホルモンです。不足していると妊娠まで至らない場合があります。黄体ホルモンの注射をおこない補充することで、着床しやすい子宮内膜の状態や体を作り、妊娠に繋がりやすくなります。

また基礎体温が安定しない場合、ホルモンの分泌がうまくおこなわれていないか、ホルモンバランスが乱れている可能性が充分にあります。妊娠を考えている場合は、数カ月基礎体温を測り、医師に相談しましょう。注射による治療をおこなうことで、着床率を高めることが期待できます。

黄体不全の人が妊娠するためにはホルモン注射が必要

黄体不全とはプロゲステロン(黄体ホルモン)がうまく機能しなくなる病気です。黄体ホルモンの分泌が通常より大きく減少し、ほとんど分泌されないことで、妊娠準備に必要な黄体期の継続ができず、不妊の原因になります。

黄体不全の場合は生理周期が短く、不正出血もおこりやすくなります。基礎体温を数カ月測定し、高温期と低温期の差があまりなく、生理前の高温期が短い場合は、黄体不全の可能性が考えられます。婦人科へ相談し、検査を受けましょう。黄体不全の場合、妊娠を望むのであればホルモン注射での治療が必要です。

ホルモン注射は妊娠後も打ち続ける

ホルモン注射は妊活中のみではなく、着床後もしばらく使い続けることがあります。通常は妊娠12週頃になると、胎盤から黄体ホルモンが十分分泌されるため、注射の必要はなくなります。

黄体ホルモンには受精卵を子宮内膜にとどめ、流産しにくくする働きがあります。12週頃まではホルモンの分泌量が少ない場合や子宮内膜の状態によっては、注射を使い続けることがあります。自分の判断で止めることはせず、産婦人科で医師の指示を守るようにしましょう。

筋肉注射なので多少の痛みはある

女性ホルモンの注射は、筋肉に直接注射針を刺す筋肉注射です。皮下注射に比べ体の中に吸収されるスピードが2倍です。おもに肩から腕の上部にある、三角筋に注射を行うことが多いようです。個人差がありますが、筋肉注射ですので針を刺す際に、多少の痛みを感じることがあります。

医師や看護師は経験豊富なので、力を抜きリラックスして任せるようにしましょう。もしも注射時に強い痛みがあった場合や、針を刺す以外のしびれを感じる痛みや、体調が悪くなった場合などは、すぐに伝えるようにしましょう。

費用は保険適用される

女性ホルモンを注射で受ける場合の費用についてですが、黄体ホルモンは不妊治療のための注射であれば、健康保険が適用されます。まれに他の注射と併用し金額が高くなる場合や、病院によっては回数に制限があり、適用ではなくなることもあります。

一般的に保険適用であれば、1回200~300円ほどの自己負担で済むことが多いようです。診察を受ける前に、注射を行う予定の病院で金額を確認しておくと安心です。

卵胞ホルモン注射は美容効果を発揮

卵胞ホルモンは不妊効果だけではなく、美容にも効果が期待できます。35歳を過ぎると徐々に分泌量が減少していく卵胞ホルモン。上手に注射で分泌を促しましょう。

乳腺組織を発達させるので胸が大きくなる

エストロゲン(卵胞ホルモン)は、女性らしい丸みをおびた体のラインを作り、乳腺も発達させます。胸は脂肪が90%、乳腺組織が10%でできています。脂肪をつけるには、この10%の乳腺組織を発達させることが必要です。

ホルモンの分泌が増えると、この乳腺組織に働きかけます。乳腺が発達することで、胸の脂肪も増え、胸が大きくなります。しかしエストロゲンだけが必要というわけではありません。食事や睡眠に気を付け、エストロゲンとプロゲステロンの割合をどちらもバランスよく保つことが1番です。

ホルモンバランスを整えて薄毛を改善

エストロゲンは、コラーゲンの生成を促し血流を促す働きもします。血流がよくなると、体全体が活性化し、頭皮も健やかに保ちます。また健康的なハリのある髪の毛を作るのもエストロゲンの働きです。

ホルモンが減ると抜け毛が多くなり、生えても産毛のまま成長せず、ボリュームがなくなってしまいます。特に産後や更年期は急激なホルモン減少により抜け毛が多くなります。エストロゲンは増毛に期待はできませんが、抜け毛を止め薄毛を改善する効果があります。

ひげが薄くなる

女性も体内にわずかですが男性ホルモンが存在します。通常は女性ホルモンが男性ホルモンの働きを抑えていますが、女性ホルモンの分泌がうまくいかないと、男性ホルモンが活発化してしまい、ヒゲや体毛が濃くなることがあります。

女性ホルモンの注射を行い、分泌量が増えることで、男性ホルモンの働きを抑えることができますので、ヒゲや体毛が薄くなります。卵胞ホルモンが充分に分泌されると女性らしい体つきになり、ヒゲが薄くなるだけではなく肌自体もきれいになります。

美容目的の場合は保険適用にならない

女性ホルモンの注射は婦人科で行うことがほとんどですが、美容外科クリニックでも行うことが可能です。しかし美容目的でホルモン注射を希望する場合は、保険適用外になりますので、事前に病院に連絡をし金額を確認するようにしましょう。

婦人科であれば、不足しているホルモンの検査を詳しくおこなうことができます。美容目的であっても更年期やほかの病名が付けば、保険適用になることもあります。まずは専門医のもとで検査を行うようにしましょう。

女性ホルモン注射を打つ前に知っておくべきこと

薬もそうですが、注射を希望する場合には、副作用もあるため気を付けて使用する必要があります。ホルモン注射を受ける場合もリスクを把握しておきましょう。

血栓症を発症する危険性がある

ホルモン注射の初期症状の副作用として頭痛や吐き気、眠気、倦怠感などがおこる可能性があります。これらは体が慣れてくれば治まることが多いですが、長引く場合は必ず医師に相談します。

そして注意しなければいけないのが血栓症です。ホルモンの注射をおこない、血液の粘度が高くなることにより、血が血管内で固まって詰まってしまいます。血栓症になる可能性は低いですが、万が一ということもあります。血栓ができた場合命にかかわる危険も。注射を受ける前に病院で説明を詳しく聞いて納得し開始しましょう。

肝臓に負担をかける

ホルモン注射を継続して長期でおこなう場合は、肝臓に大きな負担がかかることを覚えておきましょう。治療が長引く場合、病院からリスクについての説明がある場合がほとんどですが、不安な点は最初に質問し納得して開始するようにしましょう。

病院で長期に亘る治療の場合は、医師が定期的に血液検査をし様子をみながら行います。万が一定期検査が無く不安な場合はこちらからお願いしましょう。しかし病院まかせにせず、自分でもお酒を控えたり、生活習慣を整えるなど、気を付けながら続けることが大切です。

美容目的の場合は打ち続ける必要がある

ホルモン注射はホルモンバランスが一時的に崩れたなどの軽い場合は、1回で済むこともありますが、根本的にホルモン値が低いなどで治療をする場合は、継続して行うことが多くなります。また美容目的の場合は、すぐに効果が現れるのではなく、継続してよい状態をキープしていく必要があるため、打ち続ける必要があります。

注射は自己判断で止めてしまうことはしてはいけません。止めたときにめまいや不眠やうつ症状など、更年期に似た症状が現れやすくなります。ホルモン注射は始めるときも、止めるときも必ず医師の判断で行うようにするようにしましょう。

医師の指導の元で行おう

エストロゲンとプロゲステロンは、不足すると体に大きな影響を与え、不妊にも繋がります。この2つの女性ホルモンが充分に分泌されバランスをうまく保つためには、日々の食生活や生活習慣の改善、ストレス発散が大切です。

しかし年齢を重ねてきたり、不妊治療などの場合、ホルモン注射が大きな味方になります。女性の健康の中心になる大切な女性ホルモン。一度詳しく検査をおこない、自分に足りていないホルモンを医師の指導の元で正しく補いましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

妊活部編集スタッフです。妊活に関するお悩みを解決するためのサポートをします。最新情報から妊活にまつわる情報を提供します。