健康診断で、または診察を受けて、子宮頸管にポリープができていると言われたら不安になってしまいますね。しかし、子宮頸管ポリープは想像しているよりも簡単に切除できるものです。不安をなくせるよう、子宮頸管ポリープの切除について学んでいきましょう。
「子宮頸管にポリープが見つかったので切除しましょう」などと、どんなに信頼してる医師に言われても、不安に思ってしまうことは当たり前です。「ポリープって?」「切除ってお腹を切るってこと?」など、わからないことだらけで、こわくなってしまいますね。
そこで、子宮頸管ポリープの症状や治療、手術などに関して、くわしく解説しますので、不安に思っていることをひとつひとつなくしていきましょう。もちろん、さらに不安な場合は、担当の医師に直接伝えてみましょう。不安を抱いたままではよい治療は望めません。
子宮頸管ポリープの症状として、出血がありますが痛みはありません。出血は、性交時やスポーツなどの激しい運動をしたあとや、排便時にいきんだときなどに起こります。または、おりものの量が増えたり、おりものに血が混じることもあります。しかし、自覚症状がない場合も多くあり、検診を受けたときに見つかることが多いようです。
原因はまだよくわかっていないのですが、女性ホルモン(エストロゲン)や細菌感染の炎症、分娩・流産などが関わっているといわれています。出産経験のある30代から50代女性に、多く見られるようです。
子宮頸管ポリープは、粘膜が膨れ上がったイボのような突起物です。通常2~5mmほどの米粒大の大きさで、大きいものでも1cmほどです。ほとんどの場合、ポリープは1個ですが複数個できることもあります。
子宮頸管ポリープは多くが良性であり、自覚症状がなければ必ずしも切除する必要はありません。しかし、自然治癒することはほぼないため、妊娠を望んでいる場合は切除することが好ましいです。
子宮頸管ポリープの切除治療とは、どのように行われて痛みなどはどうなのか、解説していきます。
子宮頸管ポリープを切除する場合、通常は膣から器具を挿入し、ポリープの根元から、ねじり取るように切除します。ポリープの大きさが小さいときは、鉗子(かんし)と呼ばれるハサミのような形状をした、外科器具を使用します。
ポリープが大きいときには、電気メスまたはレーザーメスを使用して行われます。ポリープを切除した部分ですが、縫合は行われずに、電気焼灼か凍結治療、またはレーザー処置によって、出血や再発防止策がとられます。
子宮入り口には痛覚がないため、子宮頸管ポリープを切除するときには、ほとんど痛みを感じません。ポリープ切除自体も、簡単に行える処置であり、外来診療の内診時に施術できます。
施術時には、手術室に通されることもありますが、出血することへの対応のためです。痛みはほとんど感じないため、麻酔も必要ありません。子宮頸管ポリープはほぼ良性ですが、安心のために切除したポリープは組織検査を行い、調べてもらうことが望ましいでしょう。
子宮頸管ポリープの切除は、外来の内診時に行えるものなので、基本的に短時間で終了します。切除後、少し院内で安静の時間をとることもありますが、日帰りできます。
しかし、ポリープが大きかった場合には、安静のための入院が必要となることもあるようです。
子宮頚管ポリープを切除する場合、どのくらいの費用がかかるのかをみていきましょう。
手術といわれると、気になってしまうのが費用ですが、多くの場合、実際に支払う費用は以下のとおりです。
日帰りの処置:約5,000~10,000円
入院の場合(1泊2日):約30,000円
※いずれも、3割負担の場合です。
子宮頸管ポリープの切除には、健康保険は適応されます。ポリープ切除の手術を行った年の1月から12月の1年間で、医療費が10万円を超えた場合(ポリープ切除だけでなく全ての医療費が適応されます)は、確定申告で医療費控除の申請ができます。
保険会社などの任意保険でも、子宮頸管ポリープ切除の手術給付金を受け取れる場合があります。ただし、加入している保険内容によって条件等が異なるため、事前に確認しておきましょう。
子宮頚管ポリープの切除手術を受けたあとには、どのような悩みがでてくるのかについて、みていきましょう。
ポリープ切除後は、傷口が癒えるまでには、どうしても多少の出血があります。切除当日は大事をとって、無理をしたりせず安静に過ごすとよいでしょう。
しかし、出血は数日で止まるので、以降は普段通りの生活をして支障はありません。もしも、出血がいつまでも続く場合や、出血量が多いと感じた場合は、病院で受診するようにしましょう。
子宮頸管ポリープは、切除しても繰り返しできてしまうことがあるといわれています。それは、原因となる炎症などが改善されていなかったり、切除したときにポリープの根っこの部分が、完全に取り除けずに残ってしまったりすることが理由のようです。
子宮頸管ポリープは無症状のことも多いため、再発しても自分では気付きにくいでしょう。そのため、ポリープを切除したあとも、再発していないかどうかを知るために、定期的な検診を受けることが大切です。
妊娠中の検診で子宮口を診てもらったときに、ポリープが見つかることがあります。基本的に、症状のない子宮頸管ポリープは、妊娠や出産にほとんど影響することはないといわれています。
ただし、ポリープが大きかったり炎症を起こしていたりすると、流産や早産の原因となってしまうことがあります。そのため、様子を見て妊娠が安定期に入った4カ月以降に、ポリープを切除することも。もちろん、妊娠に悪影響を及ぼすと考えられる場合には、時期に関わらず治療します。
妊娠中の子宮頸管ポリープの治療については、医師によって意見が異なることがあるようです。「切除するときに妊娠中の子宮を刺激して、流産などを誘発する恐れがあるとし、切除を良しとしない」という考えが一つ。もう一つは、「ポリープがあることで、出血や細菌感染などのリスクがあるため、切除したほうがよい」という考えです。
ポリープの状態や妊娠中の状態、考えられる影響など、担当の医師とよく相談して、治療方針を決めましょう。
子宮頸管ポリープを切除して、治療を終えたあとも、再発しやすいということを考慮して、定期的な検診を受けましょう。もちろん、子宮頸管ポリープだけでなく、ほかの異常があった場合にも、検診で分かることがあります。
子宮頸管ポリープもそうですが、異常は必ずしも症状を現わすとは限りません。自分を守る、大切にするためにも、年に一度は婦人科検診を受けるようにしましょう。