子宮外妊娠とは本来子宮内膜に着床するべき受精卵が卵管や卵巣などの子宮内膜以外に着床して妊娠すること。子宮外妊娠は約1~2%の確率で起こると言われています。今回は子宮外妊娠になってしまったときの、手術にかかる費用について詳しく見ていきます。
子宮外妊娠とは、本来子宮内膜に着床するはずの受精卵がさまざまな原因によって子宮内膜以外の場所に着床することです。正式には異所性妊娠と呼ばれており、1~2%の確率で起こると言われています。特に異所性妊娠で受精卵が多く着床してしまう場所として一番多い場所が卵管で、異所性妊娠の患者の約9割が卵管に着床してしまい子宮外妊娠の状態になっています。
子宮外妊娠に気づかずにいると卵管破裂などが原因で出血性ショックなどで命にかかわることもあります。そのため、子宮外妊娠を疑うような症状が出た場合はすぐに医療機関への受診が必要になってきます。今回は、子宮外で妊娠してしまったときの手術による治療法や費用について詳しく見ていきます。
まずは、子宮外妊娠とわかった時に行われる手術についてです。
子宮外妊娠と分かり、卵管などの着床部分がすでに大きくなっており薬物治療の効果が期待できない場合は外科的な手術が必要になってきます。
子宮外妊娠の手術による治療は大きく分けて2種類あります。一つ目は腹部を切開して行う開腹手術と、腹腔鏡と呼ばれる内視鏡を使った腹腔鏡手術の2種類です。それぞれ症状や術後の希望などで選択することができ、違いを知っておき理解しておくことが重要です。
腹部を切開して行う開腹手術は回復に時間がかかってしまうのが難点です。入院期間は個人差がありますが入院期間は10日前後で、さらに退院してから1ヶ月間は安静にする必要があり、仕事をしている女性は復帰に時間がかかってしまいます。
腹腔鏡手術は医師の技術が問われてきますが、開腹手術は比較的簡単な手術方法なのでどのような症状でも手術を受けることができます。卵管破裂や緊急手術を行う必要性が出てきてしまう
内視鏡を使った腹腔鏡手術は開腹手術に比べて回復が早いのが特徴的です。腹腔鏡手術では小さな穴をあけてそこから内視鏡を入れて手術を行うので、開腹手術に比べて切開する大きさが小さくて済むので回復がその分早いです。
しかし、腹腔鏡手術は医師の技術に頼るとこもろもあります。また、卵管が破裂してしまっていたりすると腹腔鏡手術は受けることができません。腹腔鏡手術で行えるのは薬での治療が難しい段階になっており、かつ卵管破裂などの緊急手術が必要な状態ではない場合に行うことができます。
子宮外妊娠とわかった時にどのような手術が行われるか見てきましたが、次は開腹手術にかかる費用について注目していきます。
入院して手術を行うことが決まったら健康保険を使って自己負担3割適用と、高額療養費制度の申請がおすすめです。高額療養費制度とは、医療費の家計負担が重くならないように医療機関や薬局での支払う医療費が月で一定額を超えた場合、超えた分の額を支給するという制度になります。
健康保険とこの制度を利用することによって入院費用を抑えることができます。さらに民間保険会社の給付金対象になる場合があるので、もし保険に加入している場合は前もって調べておくのがおすすめです。
開腹手術は腹腔鏡手術よりもかかる費用は安く、約10万円の費用で手術を行うことができます。しかし、卵管内に受精卵が着床し、成長して卵管が破裂した場合などはさらに費用がかかり30万円を超える場合もあります。
開腹手術は腹腔鏡手術ほど難しくなく、手術費用は抑えることができますがその分手術後の入院期間が長くなるので入院費用のほうも頭に入れておくことが必要です。
手術費用自体は腹腔鏡手術よりもかかりませんが、開腹手術は入院期間が長くなるので入院やその期間にかかる費用は腹腔鏡手術よりもかかってしまいます。
また入院期間が長い分投薬も長くなってきますので、薬代もかかってきます。トータルのことを考えて手術方法を選ぶ必要があります。
開腹手術にかかる費用に続いて、次は腹腔鏡手術にかかる費用について詳しくみていきます。
通常の妊娠出産の場合は健康保険の適用外ですが、腹腔鏡手術も開腹手術と同様に健康保険の対象になるので自己負担3割で済みます。また、高額療養費制度も利用することができ、二つを組み合わせることによって手術費用や入院費用などを抑えることができます。
その他にも民間の保険会社の給付金がある場合が多いので事前に調べて利用するのがおすすめです。
腹腔鏡手術は開腹手術に比べて手術費用が高額です。腹腔鏡を使った手術は開腹手術に比べて医師の技術が必要になってくるので手術費用も高額で、病院によって差がありますが約20万円かかります。
しかし、腹腔鏡を使った手術は回復が早いので入院期間が身近くて済むので、開腹手術に比べて入院にかかる費用は抑えることができます。
子宮外妊娠の手術には約10万円から20万円くらいかかります。子宮外妊娠の手術には健康保険が適用されるため自己負担額は約3割の支払いで済みます。また、高額療養費制度の対象になるのでさらに支払う額は抑えることができます。
支払う医療費も個人病院か大きな総合病院で変わってきます。一般的に個人病院よりも総合病院のほうが治療費は高くなるので、医者の技術と設備が同じレベルなら個人病院のほうが医療費を抑えることができます。
医療機関で医療費の支払いが高額な負担になった場合に、後から申請することによって自己負担限度額を超えた額が支払われる制度が高額療養費制度です。この制度を利用することによって医療費の支払いを低く抑えることができます。
自己負担限度額は年齢や所得などによって個人差があるので事前に確認が必要になってきます。
今回は子宮外妊娠とわかったときに行われる手術と、その費用について見てきました。子宮外妊娠は1~2%の確率で起こると言われていますが、子宮外妊娠とわかった時にどのような対処が必要なのか理解しておく必要があります。妊娠するということは喜ばしいことですが、妊娠初期は子宮外妊娠に気を付けなければいけません。
もし子宮外妊娠の疑いがあった場合は、すぐに医療機関を受診し、早期発見早期治療が肝心です。