女性の体に毎月訪れる生理。生理がくる前というのは何かしら予兆があり、その生理前の予兆というのがどのようなものなのかを知ることで、その後の体の変化に備えることができます。生理の予兆による症状と自分自身ができることを覚えておきましょう。
生理の数日前ぐらいには、生理前の予兆がやってきます。その予兆では体に変化を起こしますが、具体的にどのような症状を起こすのかを知ることで、やってくる体の変化に備えることができます。さらに、妊娠との違いも知り、正しい判断ができるようにしましょう。
まずは、生理の予兆について見ていきましょう。生理の予兆では、どのような症状を起こすのか、人それぞれ個人差はあるかと思いますが、参考にしていきましょう。
PMS(月経前症候群)はプロゲステロンというホルモンの分泌による症状のことを指しますが、生理が始まるとこのPMSの症状は和らぐといわれています。
PMSの症状は、主に頭痛や吐き気、便秘やイライラなどが起きますので、これらが和らぐということですが、腰痛や頭痛、または下腹部の痛みなどは生理が始まった後も続くことがあります。
基礎体温は、排卵を起こすと上がっていきます。およそ2週間ほどの、生理がくるまでの期間は高温が続いた状態です。排卵前と体温の差を比べてみると、大体0.3~0.6度高くなります。この高温期が徐々に下がっていくのですが、その基礎体温が下がってくる頃が、生理が近い時期ということです。
生理前は便秘だったのに、生理後はお腹を下しやすくて、酷ければ下痢になったということがある人がいます。その原因は、プロゲステロンの分泌によるものです。生理前およそ2週間は、プロゲステロンは多く分泌されますが、妊娠成立が無かった場合は、プロゲステロンは少なくなって生理がやってきます。
プロゲステロンは、妊娠に備えた栄養や水分をためこむ力があるため、腸の動きは鈍くなって便秘がちになります。しかし、プロゲステロンが少なくなれば腸の動きがよくなり、今度は下痢などを起こすようになるのです。これらから、便秘だったのに急に便通がよくなったという症状が出るといわれています。
先ほど紹介した生理の予兆。これらの症状があるのに、場合によっては生理がこないということがあります。それはなぜなのでしょうか。予兆があるのに生理がこない、その原因や考えられることについてみていきましょう。いざ同じことを経験したときのための知識としても身につけましょう。
生理予兆があるのに生理が来ない原因として考えられるのは、生理周期の乱れです。生理が来るように命令をする視床下部というのが脳にあり、この部分が食欲や血圧、自律神経などを調整する場所です。
しかし、この視床下部はストレスに影響を受けやすく、視床下部への影響が酷くなると、生理にとって重要なホルモンの分泌にまで影響を及ぼします。これが原因で排卵が正しく行われなければ、生理周期は乱れることが多いようです。
生理周期は、ほんのちょっとしたことでもズレてしまうもので、ストレスや服薬などでズレてしまった場合は、その原因を解消することで生理周期の乱れを改善できるでしょう。
生理が止まってしまったということになった場合、もし60日以上経っても生理が来ないときは注意してください。そのまま放置をすればさらに重症化していき、不妊の原因になることもあります。
他には、無月経や閉経の可能性も考えられます。90日以上の周期が空くと「続発無月経」といいますが、病気が隠れていることもありえます。閉経は、大体50歳前後に訪れますが、それより前の40歳前後で閉経を起こすことを「早期閉経」といいます。早期閉経でも、無月経の場合でも、どちらにせよ病院への受診をおすすめします。
生理予兆があっても生理が来ない原因に、妊娠している可能性があります。PMSの症状と、妊娠初期症状は似ているところが多いため、見分けるのが難しいことがあります。症状から妊娠かどうかを見分ける方法を紹介していきます。
一番信頼できる方法が、基礎体温を測ることです。普段から基礎体温を測ることを習慣にしておくことで、自分自身の月経周期や体の状態がわかり判断しやすいでしょう。基礎体温の高温期が続くと妊娠の可能性が高いといわれています。
その理由は、生理前になると基礎体温は下がるのですが、妊娠している場合は高温のままだからです。もし高温期が16日以上も持続されているときは、妊娠を疑いましょう。
生理予定日から2週間以上も遅れていて、さらに少しの出血があった場合、着床出血の可能性があります。着床出血は、普通の生理の出血とは違い、明らかに出血量が少ないでしょう。受精卵が子宮内膜に着床するときに出血するからなのですが、必ずしも全員が着床出血を起こすということではありませんので、注意しましょう。
妊娠していると、おりものに変化があります。排卵後から生理までの期間はおりものは減っていくのですが、妊娠している場合、エストロゲンというホルモン分泌がされ、織物が多くなることがあります。さらに、排卵前後には水っぽいおりものだったりもします。
もし茶色っぽいおりものだった場合は、着床出血の可能性があります。おりものの量や色は個人差がありますが、少しでも血が混じっているような色だったら、着床出血を疑いましょう。また、妊娠によっておりものの匂いはさほど変わらないですが、匂いが明らかに違う場合は、病気の可能性がありますので注意しましょう。
PMSにも吐き気の症状がありますが、妊娠によって起こるつわりと区別するには、食の嗜好や匂いに敏感になるなどで判断しましょう。
妊娠するとこれまでの食の好みが変わったり、これまで何でもなかった匂いに突然敏感になってしまうことがあります。これらはつわりの症状ですので、PMSによるものというよりはつわりによるものと判断してもよいでしょう。
出産した後、産後の生理がくるまでの予兆がどのようなものなのか見ていきましょう。さらに、妊娠を続けられずに中絶をしてしまった後の生理再開までの予兆についても知っておきましょう。
産後の生理予兆として、腹痛を感じることがあります。生理再開すると、プロスタグランジンというのが体の中で合成されることで、子宮収縮させる力を発揮します。
これは後陣痛に似た痛みで、産後は子宮の位置が戻っていないために腹痛を起こすのです。ちなみに、大体産後の生理再開は6か月から15か月程度といわれています。
中絶後の生理再開に関しては、個人差があります。大体ではありますが、初期中絶の場合は30日~60日ぐらいで再開するといわれ、中期中絶の場合はさらに遅くて2か月以上を過ぎるといわれています。
しかし予兆がないこともあります。中絶後による精神的ストレスによってホルモンバランスは安定していませんし、体は不安定な状態だということは知っておく必要があります。
生理周期や生理期間にも個人差があるように、生理前の予兆に関しても個人差があります。しかし個人差があるとはいえ、生理予兆があるのになかなか生理がこないというときにはさまざまな原因が考えられます。
そのために、基礎体温を測るなどして、自分の体の状態を知っておくことをおすすめします。状態を知っておくことで、妊娠や他の症状などについて正しい判断ができ、体の変化に備えておくことができるでしょう。