妊娠しやすい時期は「高温期」と言われています。基礎体温での高温期の正しい日数を知ることで、自分の体のリズムを把握することが出来ます。基礎体温の仕組みを知って、高温期の日数を判断できるようになりましょう。
女性の体には「低温期」「高温期」の2つのサイクルが存在します。高温期は何日続くのが正常なのか、基礎体温表をつけることで、排卵のタイミングや生理のタイミング、妊娠したかどうかの判断もつくようになります。
妊娠を望む女性にとって、排卵日がいつなのか判断できるのは、かなり重要。基礎体温表をつけて、体温の動きをみることで、体の変化にもいち早く気がつけます。基礎体温が変化する仕組みをしっかり理解して、妊活や体調管理に役立てましょう。
「高温期」についての理解を深めていきしょう。
基礎体温とは、朝起きてすぐ、安静状態で測る体温のことです。体温は高温期と低温期が0.3?0.6度の間で推移します。発熱時に使うような体温計ではなく、小数点第2位まで計測してくれる婦人体温計を使う必要があります。
体温の測り方も、発熱時の熱の測り方とは違うので覚えておきましょう。
一般的に、生理開始から排卵までの期間は「低温期」、排卵後から次の生理開始までの期間が「高温期」。排卵が起こると、体温を上げる作用をもつ「プロゲステロン」の分泌量が増えることで高温期に入ります。妊娠していると、通常は低下する体温がプロゲステロンの持続分泌により高温期は維持されます。
そのため、妊娠有無を判断する材料として、毎日の記録は重要になってくるのです。
高温期の体温は低温期に比べ、0.3~0.6度程上がった状態になります。しかし、毎日記録していても「今日から高温期」と判断することは難しいです。
また、自分の体で実感することも不可能ではありませんが、低温期よりも多少上がった状態ですので風邪・熱など体調不良と勘違いしていまう方もいます。
基本的に「排卵日=高温期0日目」と数えますが、基礎体温が最も低い日が必ずしも排卵日であると言えません。その日と前後の日数のどこかで排卵が行われているのです。
1周期分では定かなリズムを把握することはできません。最低でも2~3カ月分(3周期分)の記録は必要です。毎月、同じ体温で変化している訳ではありません。変化している日数など、ある一定の傾向を掴めるようになります。自分の体のリズムを把握することで妊娠可能なタイミングを図りましょう。
記録した基礎体温をグラフで表してみましょう。正常な基礎体温を描くと、低温期→高温期→低温期のサイクルで変化していきます。そのため、低温期と高温期がはっきりと存在しています。身体の状態が良好であれば、生理開始から排卵日までは約14日間あり、この期間は体温は低く、「低温期」と呼ばれています。そして、低温期の最後に排卵日を迎えます。
排卵日を迎えると、体温は上がり「高温期」に移行します。高温期の間は、体温が高く維持され約14日間、高温期が続きます。
一般的には低温期と高温期はそれぞれ14日間。1サイクル28日が理想の基礎体温パターンと言われています。
記録をつけていても、高温期と低温期の境目がなかったり、高温期・低温期のみガタガタだったりすることはありませんか?体温が綺麗に分かれない原因としては、測り方が間違っている、無排卵月経、妊娠初期、ストレスや寝不足、更年期でホルモンバランスが崩れている、などが挙げられます。
基礎体温がガタガタになってしまった場合には、日々の生活習慣を改善することで正常値に戻すことが出来ます。食事や睡眠、適度な運動などに心がけましょう。
妊活しており、基礎体温を記録している方の中には高温期が長いと妊娠していると勘違いしてしまう方も少なくありません。いつ高温期に入り、どのくらいの期間であるのかを理解しておきましょう。
高温期は排卵日の翌日から生理開始まで続きます。ですから、排卵日=高温期0日目と数えていきます。この期間は約2週間(14日)ほどですが、プロゲステロンの分泌量にもよるので、10日程度で終わる人もいれば、2週間以上続く方もいるため、個人差があります。
また、ストレスや健康状態によって長さが変動することがあります。
高温期の期間には個人差がありますが、生理予定日が過ぎても高温期が続く場合には妊娠している可能性が高いとされています。その時には妊娠検査薬を使用しましょう。結果が陽性反応であれば妊娠しています。
しかし、妊娠検査薬を使用しても陰性が出る、性交渉がない、妊娠していない場合にも関わらず、高温期が持続し、低温期が中々来ないことが稀にあります。原因として、プロゲステロンの分泌が過剰に行われている可能性があります。
生理周期であるのに、高温期が10日未満であったり、低温期との差が0.3度も上がらない場合にはプロゲステロンの分泌不足する「黄体機能不全」の可能性があります。
黄体機能不全は、不妊の患者によくみられる病気です。プロゲステロンは体温を上昇させ、妊娠を継続させるホルモンですが、分泌不足になると高温期の短縮、生理周期の短縮に繋がります。しかし、この病気は診断基準がはっきりしていません。
病状の程度にもよりますが、早期治療によっては妊娠できる可能性もあります。基礎体温表をつけて入れば、受診するときも役に立つので、日頃から基礎体温をチェックしておきましょう。
「高温期が短い」あるいは「高温期が来ない」などの症状がある場合には、その期間に排卵が行われてない可能性があります。女性は低温期から高温期へ移行する時に排卵しますが、プロゲステロンが十分に分泌される高温期がなかったり、短かったりする異常な状態になると、卵子を育てる卵胞が十分に発育されずに無排卵となってしまうことがあります。
また、月経=排卵があると思ってしまう方も居ますが、月経があっても排卵が起こらない無排卵月経になっている場合があります。無排卵月経は不妊の原因にもなりますので、基礎体温から無排卵が考えられる場合には、早めに婦人科に相談をしましょう。
生理が始まっても高温期が続く場合があります。2~3日程度続くのであれば珍しくなく、特に原因がない場合が多いので心配はありません。しかし、3日以上高温期が長く続くようであれば他に原因があると考えます。
妊娠が成立した2%の女性に見えられる出血です。妊娠はしているので高温期が続きます。
血が出ていることで生理かと勘違いする方も少なくありません。しかし、血液の量や色、出る期間など通常の生理とは異なる場合が多く、大半は自然と見分けをつけることが多いです。
着床出血は量が少なく、色が薄かったり茶色い場合が多いです。まれに、生理と同じような出血をすることもあります。気になることがあれば、婦人科に相談しましょう。
生理以外で性器から出血することを「不正出血」と言います。原因としては、ストレスによるホルモンバランスの乱れや、女性ホルモンの分泌量の変化、子宮・膣の病気などさまざま。
期間や量は、場合によって異なります。少量で収まることもあれば、大量に出血し数日~数週間続くこともあります。出血量が明らかに多い、またはだらだらと続く場合には、強い下腹部痛や性交時痛などの症状がみられます。この場合には病気である可能性が高いので早めに婦人科を受診しましょう。
基礎体温を下げるのは黄体ホルモンが急激に減少するからです。しかし、ホルモンバランスが崩れることで体温が下がらず、高温期が続くことがあります。
また、ホルモン補充治療を行っている場合にも高温期が長く続くケースがあります。その場合には心配はありませんが、生理の量や機関に異常があると疑いを持ったら、婦人科に受診することをオススメします。
低温期と高温期の期間を知ることが妊娠を成立させることへの第一歩につながります。理想の基礎体温グラフは低温期と高温期がはっきりしていること。排卵日を推定することが出来れば、タイミングを図ることも出来ます。
そのためにも、正常な基礎体温を記録するために体調管理に心がけましょう。食事、睡眠、適度な運動を習慣としましょう。また、ストレスによるホルモンバランスの乱れによって数値が変化してきてしまうので、必要以上に神経質になる必要はありません。自分に合った生活リズムを整え、妊活に活かしていきましょう。