女性特有の生理は、個人差こそありますが、健康のバロメーターといえます。普段は定期的に来る生理が、予定よりも早く来るなど、普段と違う場合は不安に思う人も少なくないはずです。生理が早くきてしまう原因と、その対処法をみてみましょう。
自分の生理周期を正しく把握しているでしょうか。生理周期とは、生理初日から次の生理の前日までを一つの周期として数えますが、一般的に正常といわれる周期の、25日~38日から大きくはずれ、不安に感じている人も多いのではないでしょうか。
生理周期の乱れは、あなたの体からのサインかもしれません。そのことに気づくには、まず日頃から自分の生理周期を知っておく必要があります。特に生理が早く来てしまう原因を探り、悩みを解消しましょう。
生理が早く来る原因はいくつか考えられます。どのような可能性があるのかみてみましょう。
生理予定日より早い出血の場合は、「無排卵月経」の可能性があります。この無排卵月経とは、無排卵周期症ともよばれ、通常の生理とは違い、排卵が起きていないのにも関わらず、月経のような出血が起こることです。ただし、生理痛や出血量が少ないのが特徴で、一週間以上続くこともあります。
無排卵月経の場合、基礎体温が低温一相性(正常な基礎体温は高温相と低温相の二相性)で、生理不順の人が多く、また、不妊の原因になることもあります。
妊娠が疑われる状態で生理より早い出血の場合は、着床出血の可能性があります。これは子宮に精子が着床すると起こる出血で、生理と勘違いすることもあります。しかし、着床出血を経験したことがある妊娠経験者は少なく、着床出血が起きる確率は50人に1人くらいといわれています。
個人差はありますが、着床出血の量は微量の場合がほとんどのようです。妊娠したときの目安にもなりますが、生理不順の人などは、着床出血か不正出血かの判断が難しいかもしれません。
生理が早い原因には子宮がん、子宮頸がん、子宮内膜症、子宮筋腫などの婦人科系疾患の可能性があります。この場合、出血が鮮血だったり量が多かったり、生理痛がひどかったりすることがあります。また、レバー状の出血があった場合も注意が必要です。
このような症状が続くようなら、早めに婦人科を受診することをおすすめします。
実は、生理が早く来る原因で最も多いのがストレスです。ストレスを感じることで、自律神経が乱れ、女性ホルモンの分泌が不安定になり、生理が早く来てしまうことがあるのです。
不正出血があり、病気や妊娠の可能性が無い場合、出血量も少なく、期間が数日であれば、ストレスによる出血の可能性があります。
生理周期が24日以下と早く、月に二回生理が来たりすると、「頻発月経」の可能性があります。頻発月経は月経異常の一つで、黄体機能不全や卵胞刺激ホルモンの不足が原因のこともあります。
生理周期後半の黄体期は通常、黄体ホルモンが多く分泌される時期です。この黄体ホルモンの分泌が少なくなる状態を「黄体機能不全」とよび、子宮内膜がはがれやすくなります。
生理周期の前半に卵胞期がありますが、この時期に卵巣内の卵胞が成長します。卵胞の成長を促進する、卵胞刺激ホルモンが不足すると、卵胞期が短くなり、生理周期も短くなります。
生理が始まったばかりの10代や閉経が近づく40代は、生理周期が早くなる可能性があります。また、産後に生理が再開したばかりの女性も、生理周期が整うまでに時間がかかることがあります。
10代や産後、更年期に該当する人の場合、ホルモンバランスの崩れや、女性ホルモンの分泌量が増減することが原因で、生理予定日よりも早く生理が来てしまうのことがあるのです。
生理が早く来てしまったら、どうすればよいのでしょうか。原因に応じて、上手に対処しましょう。
ストレスがたまると、女性ホルモンが崩れやすくなります。日々の生活でストレスをためないように心がけることで、女性ホルモンのバランスが整い、生理周期を安定させることができるでしょう。
定期的にストレス発散をして、ストレスのない毎日を過ごすことが大切です。それでも症状の改善がみられないときは、医師の診察を受けてみましょう。
睡眠不足や乱れた食生活などの不摂生がある場合も、ホルモンバランスは崩れやすくなります。夜更かしをせずに、バランスのよい食事を心がけることで、女性ホルモンの分泌やバランスが整い、快適な生活が送れるようになるのです。
規則正しい生活は、健康の基本です。日頃から意識して規則正しい生活を送ることで、体に負担をかけず、また、ストレスをためない体を作ることにつながるでしょう。
低用量ピルには、避妊だけでなく、生理周期を整えたり、生理日をコントロールしたりする効果が期待できます。ただし、ピルにもいくつか種類があり、種類によって合う合わないがあるので、注意が必要です。
たとえば、体質により血が固まりやすい人が、合わないピルを服用すると、くも膜下出血を引き起こす場合もあります。このように副作用のリスクがあるものなので、きちんと受診し、医師に処方してもらいましょう。
基礎体温とは、朝一番の体温のことで、生理のサイクルによって体温が異なります。たとえば、排卵期前の「低温期」では36度~36.5度程度。排卵後の「高温期」では36.5度~37度程度。そして生理前に「低温期」になるというサイクルです。
このようなサイクルがみられない場合は、ホルモンの分泌が正常ではない可能性があります。基礎体温を毎日つけておくことで、自分の生理の予測ができたり、体調の変化にも気づくことができます。また、婦人科を受診するときにも役にたつので、実践してみましょう。
日頃から自分の体と向き合い、規則正しい生活を送り、体調の変化を見逃さないようにしましょう。少しでも、いつもと違いおかしいな、変だなと感じるような症状が続くようなら、早めに婦人科を受診するようにしましょう。