健康や美容に適したフルーツとして知られるザクロですが、その成分や効果から妊活中の女性からも注目を集めています。ザクロに期待できる効果や含まれる成分、意外と知らないザクロの食べ方、気をつけておきたい注意点について幅広く解説します。
真っ赤で硬い皮と、ルビーのようにみずみずしい中身のザクロは、その見た目の美しさと味の美味しさから、古くから食用や観賞用に用いられてきました。近年はその含まれる成分や健康への効果から、美容に関心の高い女性の間でも注目を集めています。
妊活に取り組んでいる女性の中には、「ザクロが妊活にも効果がある」という話題を耳にしたことがあるかもしれません。そこで、「具体的な効果が知りたい」「でもザクロってどうやって食べればいいの?」といったよくある疑問にこたえていきます。
まずはザクロについて、気になる妊活や健康に関する主な効果を知っておきましょう。
ザクロは抗酸化作用が豊富なフルーツの1つで、体の中の細胞が酸化していくのを防ぐため、生活習慣病の予防に効果的とされます。普段から摂取する事で健康を整える事ができるため、生活習慣病や細菌への感染をできるだけ避けたい妊活中の女性にも最適なフルーツといえます。
身近な病気である風邪など、妊活中はできれば体調を崩したくはないものです。ザクロに含まれているポリフェノールはアントシアニンというもので、ブルーベリーにも豊富ですがザクロの方が量的には豊富です。このアントシアニンは、白血球の活性化に効果的であり免疫力を高めることができます。
特に女性は免疫力を向上させる事が妊活において効果的なため、ザクロは健康にも妊活にもよいといわれるようです。
ザクロにはビタミンEが豊富に含まれています。このビタミンEにはホルモン分泌を整える働きがあり、血行促進や不妊症の改善にも効果的とされます。特に血行が滞ることで起こりやすい冷え性は不妊の原因になる場合もあり、冷え性が気になる妊活中の方にもおすすめです。
ザクロには様々な成分が含まれていますが、具体的にはどのような成分があるのか、代表的で妊活に効果的な成分を3つチェックしていきましょう。
妊娠中は血圧が高くなりやすく、中には妊娠高血圧症候群になる女性もいます。出産時の母体と胎児へのリスクが高まるため、できれば妊娠前から血圧には気をつけておきたいところ。
ザクロに含まれるカリウムは水分補給に欠かせないミネラルで、体内の余分な塩分や水分を排出してくれます。そのため、高血圧が気になる妊活中の女性に効果的です。
クメステロールとは、女性ホルモンであるエストロゲンと似た成分の1つであり排卵には欠かせません。クメステロールは主に種子含まれているため、種子ごと摂取するのが妊活には効果的といわれています。ところが非常に含有量が少ないので、直接食べてもエストロゲンを補給するような効果は得られないとされます。
しかし、ザクロは健康面での抗酸化作用や免疫アップ、ホルモンバランスの乱れを整えるといった効果が期待できるため、妊活に適した体づくりができるフルーツといわれているのです。
ザクロに含まれているエラグ酸は、天然のポリフェノールの1種です。そのため抗酸化作用とともに、メラニン色素の抑制によるシミの予防が期待できます。
また抗酸化作用によって血液中の過酸化脂質を抑え、高血圧や動脈硬化、高脂血症、糖尿病など生活習慣に関わる病気を予防するため、健康的な体作りに効果的です。もともと食生活が乱れがちな人にとっても、エラグ酸はおすすめの成分といえます。
ザクロは食べる機会も少なく、いざ食べようと思っても「どうやって食べればいいの?」と悩む人も多いフルーツ。そこで、おすすめの摂取方法をチェックしていきます。
ザクロは種にも豊富に栄養が含まれているため、できれば種ごとそのまま食べる事がおすすめです。秋ごろがザクロの旬なので、外側の皮に切れ目を入れたら皮を剥き、水の中で赤い実をとうもろこしのようにはずして食べます。水の中で剥くことで、汁が飛び散るのを防ぐことができます。
ザクロは他の果物と食べ合わせる事で、より効果的に摂取する事ができます。種が気になる人は、美肌に効果的なぶどうやいちごとともに、スムージーにしてみましょう。
また冷え性が気になる妊活中の女性は、酢を合わせて食べるのがおすすめ。オリーブオイルや酢を合わせ、ザクロドレッシングを作ると手軽に食べられます。
ジュースは一番手軽に摂取できる方法で、生でザクロを食べるよりコストパフォーマンスの面も優れています。しかし果汁100%のザクロジュースは、非常に酸味が強く、えぐみもあります。飲みやすい甘いザクロジュースもありますが、その場合は砂糖などがプラスされておりカロリーが気になるところです。
できれば種ごと絞っている果汁100%のザクロジュースを選び、ストレートで飲むのが苦手な場合は、牛乳や豆乳で割って飲みやすくしましょう。1日どのくらい飲んでよいか、ジュースごとに表記があるので、それを守ることをおすすめします。
どんな食べ物でも、摂り方を間違えると体調不良の原因になります。ザクロを摂取するときの注意点について確認しておきましょう。
ザクロは稀にアレルギー反応を起こす場合があるため、特に果物アレルギーを持っている場合は注意が必要です。もしザクロを食べて体に異変が起きた場合には、すぐに食べるのをやめて病院へ行きましょう。
アレルギー症状として多いのはじんましんなど皮膚の症状や、目のかゆみ、くしゃみ、呼吸困難、吐き気などです。中にはアナフィラキシーショックのように緊急性が高いものもあるので「アレルギー症状かも」と感じたときは、自己判断は禁物です。
ザクロの皮は乾燥させて漢方として使用されることもあり、条虫駆除や下痢止め、止血の効果があるとされます。これは大量に含まれるタンニンが理由とされていますが、このザクロの皮自体を大量に摂取することで下痢や眩暈、嘔吐、吐き気といった副作用が起こるといわれています。
また大量に摂取し続けると、熱が出たり視野へ影響が出たり、発熱や呼吸障害などが起きたという例もあります。タンニンを除去したジュースやサプリメントもあるため、選ぶ際はチェックしておきましょう。
1988年に、ザクロの種子からとれる油にエストロゲンが含まれることが確認されました。そのため女性特有の病気に効果があるのではないか、という期待から大きなブームになり、今でもザクロを使ったサプリメントやジュースによっては「エストロゲンが含まれている」ということをアピールポイントにする商品もあります。
しかし研究結果が非常に古いこと、2000年の国民生活センターの調査ではエストロゲンが含まれるとするザクロ関係の商品であっても、エストロゲンが検出されなかったという事実があります。大げさに妊活に有効なエストロゲンが含まれている、ということをアピールする商品は、避けた方がよいでしょう。
【参照リンク:http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20000406_2.pdf】
ザクロは美容効果とともに、健康維持に欠かせない成分が豊富に含まれています。またルビー色の美しい見た目も、女性にとっては楽しめる要素の1つといえます。
しかし摂取方法や期待する効果を誤ると、購入したことを後悔したり、食べづらさからせっかく買っても効果を活かせない場合もあります。美容と健康に効果的なザクロを正しく摂取して、妊活に役立てていきましょう。