「できれば妊娠の確率をもっと高めたい」「排卵日の2日前が大切な理由って?」そんな疑問を抱えている人へ。ベストタイミングとして、排卵日の2日前がおすすめされる理由や2日前の体調変化、2日前を見極めるコツについての情報をお届けします。
「タイミングとして、排卵日2日前がいいとされているのはなぜなのか知りたい」。こんなふうにお考えの方へ。
1回の性交で妊娠できる可能性は、実は20~25%ほどです。体調などに関わる要因が非常に多いため、たとえ不妊の可能性が全くない健康的な男女であっても、妊娠できないことは少なくないのです。しかし、妊娠しやすい期間を見計らって複数回の性交を行うことで、妊娠の確率をグンと高められます。だからこそ、妊娠を目指すときは、タイミングが重要となってくるのです。
本文では、排卵日2日前がタイミングとしてよい理由を、さらにくわしく解説していきますので、妊活の参考にしていただけたらと思います。
妊活のためには、「どうして2日前なの?」と疑問に感じる人もいるかもしれません。そこには、いくつかの理由があります。
1回の射精で女性の体内に入る精子は、およそ2億から5億個もあります。しかし、このうちの1%以下しか、最初の難関である子宮頚管を通過できず、最終的に受精にたどり着けるのはたったの1個です。それだけ確率が低いのに、さらにここに精子や卵子の寿命が関わります。
精子は、射精されてから受精可能になるまでに約7時間かかります。寿命は5日間ありますが、受精可能な時間は84時間程度しかありません。一方の卵子は、寿命は24時間ありますが、受精可能な時間は12時間しかないため、排卵日当日ではタイミングが遅くなってしまうのです。
排卵日当日では精子や卵子の寿命もあり、妊娠に間に合いにくいのです。中でも2日目がよいとされるのは、実際にアメリカの生物統計学者が行った研究に由来します。研究では、避妊をしていないカップルのうち、排卵日の5日前から当日までの6日間の間で、最も妊娠確率が高かったのが、排卵日の2日前というデータが得られています。
これは、新鮮な卵子が放出される瞬間に、すでに受精可能な精子が待機していることが理由とされています。100%とはいきませんが、少しでも妊娠確率が高い日は逃したくないところです。
そもそも、精子は卵管に達するまでにほとんどが死んでしまい、卵子と出会っても、受精できる確率は20%前後と低いことが実情です。しかし、忙しい毎日の中や、体調などのさまざまな要因から、性交に臨めるタイミングは人によっても異なります。回数自体が少なくなってしまうことも、よくあることです。
だからこそ妊娠を希望しているなら、受精しやすいタイミングである「排卵日の2日前」を狙うことが、効率的といえます。
女性の染色体を持つX型精子は、アルカリ性に弱いため、排卵日近くの性交には適していないとされています。ところが、通常は膣は精子が通りにくい酸性に保たれていますが、排卵日が近づくほどに、多数を占めるアルカリ性の精子のためにアルカリ性へと変化していってしまいます。
このことからも、女の子が欲しい場合には、特に排卵日の2日前がベストなタイミングになります。もっとも可能性があがるかもしれないという程度なので、確実にそうなるわけではありません。
排卵日に近づくと、女性の体調にも変化が起こりやすくなります。
排卵日の前には、気分が落ち込みやすくなったり、些細なことでイライラしやすくなったりと、いわゆるPMS(月経前症候群)の症状があらわれやすくなります。
このPMSは、環境の変化や仕事のつらさによるストレス、もともとの性格、たばこを吸ったりコーヒーをよく飲んだりした場合、または、体力が低下しているときに症状が重くなりがちです。
排卵に伴うホルモンバランスの変化により、ごく少量の出血が起こることがあります。これは生理とは異なり、短い期間で終わる生理現象のため、心配ない場合がほとんどです。
しかし、少量の出血とはいえ、1~3日で終わらずに長期間続く場合は、別の理由が潜んでいる可能性もあります。気になることがあれば、婦人科へ相談しましょう。
膣内を細菌や雑菌などから守るため、または、精子をスムーズに運ぶためという2つの目的から、排卵日の前はおりものの量が多くなってきます。また、その性質にも特徴があり、透明で粘りが強くなり良く伸びます。
この場合、普段よりとろみが強いので、ショーツにつくのが気になる人は、おりものシートを活用しましょう。
体調の変化も合わせて、排卵日の2日前を見極めるコツを知っておきましょう。
尿をかけるだけで、排卵日の数日前から上昇する黄体ホルモンを感知できるのが、排卵検査薬です。排卵検査薬にも種類があり、「黄体ホルモンが上昇し始めた瞬間を知らせてくれるもの」「濃度がしっかり濃くなった段階で知らせてくれるもの」があります。
排卵検査薬を選ぶときは、陰性と陽性が明確であること、少量の黄体ホルモンの分泌にも反応してくれること、コスパが良く長い期間使用できる商品がおすすめです。
移ろいやすい女性の体調を知るためにも、基礎体温を測り続けることは、大切な健康チェックの一つといえます。排卵前は体温も低めですが、排卵期に入ると、一旦普段よりも体温がさらに落ち、その後0.3℃以上高い高温期に移行します。
基礎体温による排卵日の予測は、何度か記録をつけないと予測が難しい面はありますが、自分の体調を毎日気遣うきっかけにもなります。自分の排卵日を把握し、2日前のタイミングを予測できるようにしていきましょう。
卵子は排卵に向け、成熟を日々続けていきます。そのため、卵子をつつむ卵胞は、日を追うごとに大きくなっていきます。その卵胞を超音波検査でチェックすることで、卵子の育ち具合を確認し、排卵日の2日前をより正確に予測することができます。
医師に相談しつつ行えるので、性交を行うタイミングだけでなく、体調面で不安なことを相談する機会にもなります。基礎体温表や排卵検査薬も含めて、自分にとって使いやすいものを選んでいきましょう。
妊娠は、男女のどちらか一人だけでできることではありません。パートナーとのかかわりがあって、初めて妊娠に至れます。したがって、自分一人で悩みすぎずに、ときにはパートナーを含め、信頼できる人に相談することが大切です。
排卵日の予測を行う過程で、自分の健康にも目を向けながら、妊活に役立てていきましょう。