ある日、生理がものすごく長いことに気づき、焦ってしまうことがある人も多いのではないでしょうか。なにかの病気になったのではないかと、心配になってしまいます。そんなときも、しっかりした知識があり、原因がわかれば落ち着いて対応ができるでしょう。
生理が長いことに不安を感じているけれど、原因がよく分からない…。このような状態で、自分の体に関して悩んでいる人が多いようです。病気かもしれないという不安や、年齢によっては更年期なのではという不安もあります。
それは、「わからない」ということが不安につながっているので、生理の長さも含めて、まずは正しい知識を得ることが大切です。生理が長いことについて考えられる原因を、できるだけ探っていき、少しでも不安を取り除いていきましょう。
基本的には、生理期間が8日を超えると「過長月経」といわれていて、1カ月のうちで合わせて14日間以上続くようであれば、貧血になる可能性もあります。しかし、生理の始めと終わりに、茶色いおりもののような出血があり、それを合わせると8日を超えるという場合は、あまり心配はないようです。
それよりも、あまりよくない傾向は、通常の生理の量なのに、8日間も続いていることなのです。自分の生理の期間と照らし合わせてみて、気になる場合は、一度産婦人科でみてもらったほうがよいでしょう。
正常な生理とは、大体毎月定期的にやってきて、生理期間は3?7日間で終わるといわれています。反対に、生理が1?2日で終わることも「過少月経」と呼ばれ、これはこれで心配です。生理周期は25~38日で、1?3日ずれても、とくに異常はないので心配しすぎないようにしましょう。
正常な経血量は20~140gで、個人差がかなりあることが特徴です。多い人の目安として、1時間に1度は生理ナプキンを変える必要があるという人は、生理過多の可能性があります。
そもそも生理が長くなってしまうのは、体になんらかの変化が生じて、SOSのサインなのかもしれません。そのままにしておかずに、しっかりと自分と向き合ってみることも、ときには必要なのです。
よく「ホルモンバランスが乱れている」という言葉が飛び交っています。実際には、どのようなことでホルモンバランスが乱れてしまうのでしょう。その要因として、「ストレス」「生活環境が悪い」「更年期」「無理なダイエット」などが挙げられます。
女性ホルモンにはニつあり、生理後から排卵前に多く分泌される「エストロゲン」と、排卵後から生理前までに子宮環境をよくする「プロゲステロン」があります。このニつのホルモンのうち、どちらかが多くなっても体調が悪くなってしまうのです。
自分ではなかなか気づかない、婦人科系の疾患の代表的なものに、子宮筋腫や子宮内膜症、子宮腺筋症や子宮内膜ポリープ、子宮がん、卵巣がんが挙げられます。子宮内膜症は20?30代が一番多い症状で、生理痛がひどく、吐き気をもよおすくらいのときは疑ってみてください。
一回だけ生理が長くなったという人は、あまり心配ありませんが、生理が長びく状態が数カ月続く場合は、医師の診察を受けることをおすすめします。
ピルを飲み始めた人は、生理が長いと感じることがあります。原因としては、ピルを生理初日から飲み始めた、または、服用によるエストロゲンの分泌過多が挙げられます。生理初日から服用すると、ピルによって出血を抑える作用が働きますが、経血を排せつしようとします。
本来なら、自分の力でエストロゲンは分泌されますが、それに加えてピルの作用でエストロゲンがさらに多くなってしまうのです。よって、本来の生理の作用を抑えきれず、出血が長引いてしまったということも考えられます。心配な人は、産婦人科の医師に聞いてみてもよいでしょう。
膣の筋力の低下によって子宮の収縮運動が弱くなり、血液の排せつがうまくできなくなることで、生理が長引いている可能性があります。筋力の低下の要因として、加齢や肥満、常に姿勢が悪く腹筋が弱い、妊娠出産後であるなどが挙げられます。膣は鍛えれば改善されるので、ぜひ試してみてください。
通勤電車で手すりにつかまりながらもできます。気がついたときに毎日行うことで、膣が鍛えられるので実践してみましょう。
もしも生理が長引いたとしても、パニックにならずに、落ち着いて判断できる知識を身につけておくことが大切です。どのような状態なのかを知っておきましょう。
いつもと経血の状態がおかしいときには、原因として、無排卵や妊娠していれば流産の可能性、更年期や排卵出血などの婦人科系の疾患などが挙げられます。無排卵とは卵巣機能に異常があり、排卵がうまくできない状態です。しかし、生理も来るので「無排卵性月経」と呼ばれていて、出血のキレが悪く、ダラダラと長くなる症状です。
もう一つの要因は生理ではなく、「不正出血」の可能性もあります。不正出血とは、生理予定日以外のときに出血することを指し、茶色い血やピンクのおりもののようなもの、鮮血などが出てきます。とくに、鮮血の場合は少し注意が必要で、なんらかの婦人科系の病気になっている可能性があるため、早めに受診しましょう。
茶色い血液が長く出ている原因として、婦人科系の疾患やホルモンバランスの乱れが挙げられます。また、妊娠したときに、着床出血としても現れる症状なので、妊娠を望んでいた人は、妊娠検査薬を試してみてはいかがでしょうか。
経血が茶色だと不安になってしまいますが、前回の生理のときに、経血が子宮内に出しきれずに残ってしまい、酸化した可能性もあります。また、経血を流れ出す力が弱く、時間がかかってしまい、酸化したということも考えられるのです。
生理痛もひどい場合は、子宮内膜症や子宮筋腫といった婦人科系疾患の可能性があります。
子宮内にこぶのようなものができる症状で、いくつもできる人もいます。良性ですが、ある程度まで大きくならないと、症状がわかりにくいことも特徴です。主な症状は、筋腫の場所により生理の量が増えて、レバー状のものが経血に混ざることがあります。
放っておくと、筋腫の場所によっては、不妊や流産につながります。そのほかにも、腹痛や便秘、尿が出にくいなどの症状が続いている人は、一度受診してみましょう。
子宮にしかないはずの子宮内膜が、卵巣や腹膜などの場所で増殖することがあります。その子宮以外にできた内膜は、剥がれ落ちても排せつされないため、痛みをともなう場合も。子宮内膜症は炎症を起こしたり、ほかの部分と癒着したりするので、生理時につらい痛みがあるのです。
生理痛と勘違いして気づかないことが多いので、吐き気をもよおすほどつらいときは、病院に行ってみてもらったほうが賢明です。良性の病気で命に関わることはないですが、閉経までの間、上手に付き合っていかなければなりません。
女性の体は、自分が思っているよりもはるかに繊細です。しかし、心配しすぎることもかえってストレスの原因になるので、常にリラックスすることを心がけるようにしたいです。生理は閉経までの間、仲良く付き合っていかなければならないもので、正常に生理が来るということは、女性にとっては大切なことなのです。
生理が正常でないと心配ですが、誰にも相談できずに悩んでしまうことがあるかもしれません。しかし、ずっと悩み続けているのであれば、思いきって産婦人科医に相談することをおすすめします。不安を解消して、楽しく健康な毎日を過ごしましょう。