2018.07.05

子宮外妊娠による卵管破裂の兆候について。不安を感じたら即受診する

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普通は子宮の内膜が厚くなり、そこに受精卵が着床すると妊娠しますが、受精卵が卵管などの子宮以外の部分に着床すると、胎嚢が大きくなり卵管が破裂することがあります。その場合は母体にも危険があるので疑いがあったらすぐに受診しましょう。

子宮外妊娠の破裂を理解し早期発見する

子宮外妊娠は、ほとんどが卵管で着床する場合が多く、卵管破裂すると母体がとても危険な状態になります。

排卵された卵子は受精して受精卵になり、その後、受精卵は卵管を通って子宮から子宮内膜に着床します。子宮外妊娠は異所性妊娠とも呼ばれています。子宮外妊娠を早期発見できるようにあらかじめ子宮外妊娠の破裂について理解しておきましょう。

子宮外妊娠の概要について

子宮外妊娠は、子宮以外の場所に着床し妊娠するので妊娠を継続することが難しくなるので早期発見が大切です。子宮外妊娠の90%が卵管内の妊娠です。

子宮以外の場所で着床し妊娠する

子宮外妊娠は、卵管、卵巣、腹腔、子宮頸管に着床し妊娠します。子宮外妊娠でも正常妊娠したときと同じhCGホルモンが分泌されるので、妊娠検査薬を使うと陽性反応がでます。そのため、初期の段階では生理がとまり通常の妊娠と同じ状態なので子宮外妊娠ということがわかりにくいです。

子宮外では妊娠を継続できない

胎児は厚くなった子宮内膜の上で羊水に守られ、次第に成長していきます。しかし、子宮内膜のような収縮を、しない場所では、受精卵はうまく育ちません。そのため、子宮外妊娠では初めの段階で流産をしたり、妊娠が7~8週まで進むと卵管が破裂をしたりして、妊娠の継続はできません。つまり、受精卵は厚くなった子宮内膜に着床しないと、胎児として成長できないのです。

子宮外妊娠の約90%が卵管妊娠

子宮外妊娠の90%が卵管妊娠です。卵管は約7㎝と細く収縮がない場所なので、卵管に着床しても受精卵が育ちません。卵管では卵管間質部、卵管峡部、卵管膨大部での着床があります。子宮外妊娠はクラミジアなどの性感染症が原因になることや、子宮内膜症や卵管などの手術が原因で起こります。

また、卵管が癒着して受精卵が卵管を移動できずに子宮へいけないなどの原因があります。卵管の不妊手術を受けている女性も子宮外妊娠になることがあります。10%の子宮外妊娠は卵巣、腹腔、子宮頸管に着床したものですが、受精卵が卵管内に入らず、卵巣や腹腔の外に着床することもあります。中絶をしている人や避妊具を子宮内に装着したことがある人も子宮外妊娠をすることがあります。

子宮外妊娠の疑いがある症状

子宮外妊娠の疑いがある時は不正出血や腹痛があります。痛みの症状も子宮外妊娠のときの痛みは鈍痛とは違います。不正出血や痛みがあったら、すぐに受診をして検査をうけましょう。

妊娠初期の不正出血

子宮外妊娠をしても初期の段階ではほとんど症状がでません。正常妊娠と同じで、妊娠検査薬で陽性がでて生理がとまります。その後、着床した受精卵が次第に大きくなるにつれて症状がでてきます。6週目くらいから下腹部の痛みや不正出血があり、吐き気などの症状もあります。

不正出血は正常妊娠の着床出血と間違えやすいので注意が必要です。子宮外妊娠をしたときの不正出血はずっと続きます。不正出血あって受診すると、産婦人科ではエコー検査を行い、子宮内に胎嚢があるかどうかをみます。

不正出血の量が増えると同時に腹痛を伴う

妊娠が7~8週になると、個人差がありますが、出血量が増えて強い痛みや片方のわき腹に激痛があります。また、腰痛や腰がだるい感じの訴えもあります。ただ、正常妊娠の場合も胎児が成長するにつれて痛みが起きることもあり、着床出血もあるので検査して胎嚢が分かるまでは安心できません。

着床出血は出血量が増えませんが、不正出血の場合は出血量が徐々に増えていきます。不正出血がふえていき、痛みが強くなった場合は子宮外妊娠が疑われます。

子宮外妊娠の発見と卵管破裂について

子宮外妊娠だと疑われるのは、妊娠5?6週目で胎嚢が確認できない場合です。子宮外妊娠をそのままにしておくと卵管破裂の危険性が高まるので非常に危険です。

妊娠5~6週に胎嚢が確認できないと疑いがある

エコー検査をして、子宮内膜に胎嚢が見えないと、子宮外妊娠の可能性が疑われます。エコー検査の中には、膣内にプローブと呼ばれるものをいれて行われる経腟超音波検査とお腹に上からプローブをあてて行われる経腹超音波検査があります。

6週くらいになると、経腹超音波検査で胎嚢が見つかりますが、5週くらいの初期では経腟超音波検査のほうが見つけやすいと言われています。ごく初期の段階では、正常妊娠であっても胎嚢が子宮内に認められないこともあります。そのため、胎嚢が見つからないときは子宮外妊娠だと判断するのは難しいですが、一般にエコー検査をすると子宮内ではなく子宮内以外の場所で胎嚢が発見されます。

妊娠7~8週になると破裂の危険性が高まる

卵管破裂を起こすとお腹で大量に出血をして猛烈な痛みに襲われます。出血量が多いので貧血になり気を失い、救急車で運ばれることもあります。また、大出血を起こす危険性があり、命の危険にみまわれることもあります。今まで普通の妊娠だと思っていたら、卵管破裂をして病院へ運ばれて子宮外妊娠だったと初めて気が付くケースもあります。

子宮外妊娠による痛みについて

子宮外妊娠をしたときの痛みは個人差があり、初期の痛みと破裂前の痛みや破裂時の痛みでは痛みの強さが全く違います。痛みの強さや出血の量で子宮外妊娠を疑います。

子宮外に着床したときの痛みには個人差がある

子宮外に着床したときには生理痛のような痛みがある人もいれば、突き上げるような急激な痛みがある人、腰のだるさ等がでる人など、痛みや症状は人によって個人差があります。卵管で胎児が成長するときに出る痛みは、ずっと下腹部の痛みが続き、次第に痛みが強くなります。

胎児が育つときの痛みは、正常な妊娠で子宮内膜で胎児が育つときも出るので、痛みだけで子宮外妊娠だと決めることはできません。また生理と間違えやすいのですが、不正出血が次第に多くなってきます。

破裂の前兆と破裂時の痛み

卵管破裂の前兆は鈍い痛みがあります。いつもの痛みと違うときは、すぐに婦人科を受診してください。破裂時は胃のあたりまで激痛があり、立っていられないほどです。大量出血もしてお腹にたまっていることもあるので救急車で運ばれる事態になることもあります。

破裂には個人差があり、突然破裂して激痛に襲われるという人も入れば、最初は卵管からの出血が少しずつで、そのうちに痛みが耐えられないほど強くなってきて、受診すると卵管が破裂していて大量の出血がお腹の中でおきていたということもあります。

不安を感じたら破裂の前に受診する

子宮外妊娠とは、子宮以外の場所、特に卵管に受精卵が着床した状態のことです。子宮内膜の着床ではないので、子宮外妊娠では胎児は育ちません。そのため、早期に流産することがありますが、そのまま胎嚢が大きくなることもあります。

子宮外妊娠をすると、不正出血や下腹部の痛みや鈍い腰痛などがあり、不正出血は続き痛みは次第に強くなります。妊娠検査では子宮外妊娠でも陽性になるので、痛みや不正出血など子宮外妊娠ではないかと不安を感じたら破裂する前に婦人科を受診しましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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