排卵日付近になると熱っぽくなって、「もしかして病気かもしれない」「軽い風邪?」と悩む女性は多いのではないでしょうか。ここでは、排卵日に熱っぽくなる原因と、対処法や病気の熱との見分け方のポイントをみていきましょう。
排卵日頃になると熱っぽくなったり、体にほてりが出たりなどの症状を経験した人は多いでしょう。「風邪かな?」と思っても高熱が出るわけでもないし、咳やくしゃみなどの風邪の症状もなく、排卵日が終わったら熱がひき、また翌月の排卵日になると微熱が出てしまう。
「よく考えると、決まって排卵日頃に起こっているような…」「どうして毎月同じサイクルで熱が始まるの?」など、排卵日に熱っぽくなる原因はなんなのかみていきましょう。
排卵日に熱が出る理由は、ホルモンのバランスの変化以外にもさまざまな原因があります。どのようなものがあるのでしょう。
排卵後から月経前までは、基礎体温が上昇します。したがって、排卵日に熱っぽくなったり体がほてったりすることは、異常なことではありません。排卵による、女性ホルモンバランスの変化によって起こるものであり、排卵をしたからこそ熱っぽくなるのです。
熱っぽい状態は、子宮内をよい環境に導く妊娠の準備のためといわれています。また、排卵日頃は、熱以外にも吐き気や頭痛、下腹部痛、気分の落ち込みなどといった症状が見られます。
排卵日頃になると、微熱が出たり、体全体がなんとなく重く感じる倦怠感があったり、ときには体のほてりのせいで集中できずにボーっとしてしまい、仕事が手につかないこともあります。
そのため、風邪の症状と勘違いして、抗生物質や市販の風邪薬を飲んでしまうこともあります。そのとき服用した抗生物質や、市販の風邪薬が副作用となって、微熱の症状が起こることがあります。
微熱の原因は、風邪やインフルエンザなどの病気のほかにも、さまざまな病気の可能性が考えられます。女性の体は、排卵日をさかいに体調が不安定になりやすく、免疫力が低下しやすくなります。そのため、ウイルスや細菌に感染しやすくなるのです。
排卵日頃と重なるため、排卵日の熱と思っていたら、風邪だったということも珍しくありません。また、貧血でも微熱が続くことがあります。鉄不足のために微熱が出ることもあるので、女性に多いといわれる貧血には注意しましょう。
排卵日の熱っぽさと、たまたま排卵日に病気になって熱が出た場合の、見分け方はあるのでしょうか。ここでは、排卵日と病気の熱の見分け方のポイントについてみていきましょう。
排卵日の「熱っぽい」と感じているときは、実際に体温測定をしてみると、熱は36℃台後半といった一般的な平熱か、37.3℃以下の微熱であることがほとんどです。普段の平熱よりも0.5~0.7℃程度熱が高い場合は、排卵期特有のものなので、そこまで心配する必要はないでしょう。
実際に、37℃以上の微熱が出てしまう人は、黄体ホルモンの作用が大きく出たり、自律神経のバランスが崩れて体温調整がとれなかったりして、熱っぽい感じになるのでしょう。
排卵時期になると毎回熱っぽくなる場合は、排卵による女性ホルモンの変化が、影響している可能性が高いです。日ごろから「基礎体温」をつけグラフにしておくと、排卵日による熱っぽさだとわかる目安になるのでおすすめです。
基礎体温をつけていれば、風邪や病気との違いがわかりやすいだけではなく、いざ妊活を始めようというときに、医師にチェックしてもらえるので、妊活に役立つでしょう。
感染症の場合は寒気が強く、高熱が出やすくなります。また、咳や鼻水などの症状がある場合は、風邪などの感染症の可能性が高いでしょう。病気にともなう熱は、熱の高さが37.5℃を超えるなど、はっきりとした「発熱」が見られることが多いのが特徴です。
ほかに、全身の関節痛、激しい頭痛をともなうなど、少しでも気になる症状があるようなら、排卵日による熱ではなく、病気の可能性もあるので、早めに医師の診察を受けましょう。
排卵日に発熱した場合、いくつかの対処法があります。市販薬はどのようなものが効くのか、婦人科ではどのような薬が処方されるのかなどをみていきましょう。
手軽に体を冷やせる冷却ジェルシートや、氷枕で頭部を冷やすと、熱によるだるさが緩和されます。また、わきの下や足のつけ根など、脈がふれる場所を冷やすことで楽になるでしょう。冷却ジェルシートや氷枕がない場合は、保冷剤でも代用できます。
また、体をぬるま湯で軽くしぼったタオルで拭くことで、体を清潔にできて、体を拭いたあとのぬるま湯が冷えていく際に、体を冷却するので効果的です。
頭痛や微熱がつらい場合は、市販の鎮痛薬を用いて、症状を改善する方法があります。アセトアミノフェンやイブプロフェンの含まれた解熱鎮痛薬を選ぶと、熱や痛みを抑えてくれるのでおすすめです。また、排卵日の微熱は、ウイルスや細菌に感染したわけではないので、一般的には医師の処方でなくても、市販の解熱鎮痛薬で、症状は改善するといわれています。
アセトアミノフェンやイブプロフェンの含まれた解熱鎮痛薬などは、ドラッグストアで手軽に買えるので、痛みを我慢せずに試してみてもよいでしょう。
症状の改善が見られない場合は、我慢せずに婦人科やレディースクリニックで受診することをおすすめします。婦人科やレディースクリニックで受診すると、排卵日の不調の波を小さくできる、卵胞ホルモンと黄体ホルモンを含んだ経口避妊薬である「ピル」を処方される場合があります。
また、ほてり感が強くてつらい人には、月経前の時期だけ、ほてりを抑える作用のある漢方薬や、自律神経をコントロールして整えられる漢方薬を使う場合もあります。
排卵日の微熱は、子宮内をよい環境に導く妊娠の準備のためのものです。しかし、「妊娠のために微熱が出ている」「これは大切なサイクル」とわかっていても、毎月のこの微熱がつらいと悩んでいる人も少なくありません。
そんなときは、適切な対処法にくわえて、ハーブティをおすすめします。ハーブティは女性ホルモンを整えてくれる作用があるといわれています。ラズベリーリーフやカモミールなど、自分の好きな香りを楽しみながら、気持ちを落ち着けて、排卵日を快適に過ごせるように心がけましょう。