2018.07.05

卵子の寿命について。妊活中に知っておきたいタイムリミットとは

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妊活中は卵子の寿命を意識することが、大切とされています。しかし卵子の平均寿命は、あまり知られていないのが現状なのです。そこで今回は卵子の平均寿命と合わせて、卵子の寿命を延ばす方法や、卵子の老化を遅らせる方法についても見ていきましょう。

卵子はどのくらい生きられるのか

妊活を行っていると、受精のメカニズムや卵子に対する興味が増しますよね。卵子がどれくらいの期間生きているのか気になっている人も多いでしょう。自分の卵子の状態を知るためにも、卵子は通常どれくらい生きているものなのか、知りたいという人も多いと思われます。

また卵子は年齢と共に、老化し受精確率も低くなったり、妊娠中に問題が起きやすくなってしまったりするとされています。そのため妊娠を希望している人は、卵子の老化も気になりますよね。妊活中には特に、卵子の老化を少しでも抑えて、安全な妊娠、出産を迎えたいと思うものです。

そこで今回は卵子の寿命と合わせて、卵子の老化を防ぐ方法についても、見ていきましょう。特に妊活中の人は卵子の寿命をよく把握して、妊活に生かしてみて下さいね。また卵子の老化を防ぐ方法もぜひ実践して、より卵子を若く健康に保ち、妊娠の可能性を大きくしてみて下さい。

人間の卵子の寿命の目安

卵子の平均寿命はあまり知られていないので、妊活中に妊娠の可能性が高いタイミングが掴みにくく、困っている人も多いでしょう。そこで以下では、卵子の寿命の目安について見ていきましょう。特に妊活中の人は、ぜひ卵子の寿命の目安を、妊娠の可能性が高いタイミングの把握に、役立てて下さいね。

平均的な寿命は24時間

卵子は通常、排卵が起きてから平均約1日生きているとされています。卵子は通常卵管の肥大部で待機しており、受精すると子宮内に移動していきます。通常卵子は卵管で約1日生きており、その後は経血と一生に体外に排出されるのです。

しかし人によって卵子の寿命は、微妙に異なるので、卵子の約24時間という寿命はあくまで目安として覚えておくとよいでしょう。

受精可能時間は7時間

卵子は平均で24時間生きているとされていますが、その内受精が可能なのは、たった7時間ほどとされているのです。意外と短く驚きますよね。この短い時間内に精子が卵子に辿り着くことで、受精卵ができるので、妊活中には排卵日の正しい予測が、重要になるのです。しかし人によって卵子の寿命に微妙な差があるように、受精可能時間も微妙に異なるので、注意しましょう。

最長で36時間生きることもある

人によっては卵子が36時間ほど生きていることもあります。卵子の寿命が長かれば長いほど、受精可能時間も長くなるので、妊活では有利になります。しかし24時間以上卵子が生きているというケースは、とても少ないので、ほとんどの人は卵子の寿命は24時間ほどと捉えておくとよいでしょう。

また、卵子の寿命を伸ばすには、まず卵子の質を高めることが重要になるので、妊活中の人には卵子の状態をよく保って、少しでも妊娠の確率を上げるために、体のコンディションをよい状態にすることをおすすめします。

機能の寿命は30代後半で迎える

卵子そのものの機能の寿命は、平均で30代後半とされています。現在では晩婚化が進んだことで、高齢妊娠や高齢出産も増えましたが、卵子の機能の寿命は大昔から、ほぼ35~40歳のまま変わっていないので、妊娠を希望する人はぜひ覚えておきましょう。

卵子の機能の寿命を迎える年齢になっても、妊娠は全く不可能という訳ではないですが、妊娠しにくなったり、妊娠中に胎児と母体の健康が脅かされるようなトラブルが起きやすくなったりするのです。

また卵子の機能が完全に停止するのは、42~43歳頃とされています。しかし卵子の機能が停止してもホルモン分泌の影響から、生理が10年間ほど起こり続けることもあるので、生理があるからといっても卵子も機能しているとはいえないのです。

卵子の寿命が短くなる原因

卵子の寿命が短くなる原因には、さまざまなものが考えられます。少しでも妊娠の確率を上げるために、妊娠を希望している人には、なるべく卵子の寿命が短くなることから、遠ざかった生活を心がけることをおすすめします。以下では卵子の寿命が短くなる原因について、見ていきましょう。

加齢による老化

年齢と共に卵子も老化が進むとされています。卵子の老化が進むにつれて、卵子の数は減り、卵子の質も低くなっていってしまうのです。その結果、卵子の寿命も短くなるとされています。30代後半になると、出生時には200万個ほどあった卵子の元となる細胞は、急激に減り始め、40歳後半になるとその細胞は1000個ほどにまで減少し、やがて閉経するとされているのです。

妊娠を希望する人は、ぜひ加齢によって、卵子の生存時間だけでなく、数も減っていくということを、よく把握しておきましょう。

喫煙や飲酒の習慣

過度な飲酒や喫煙が習慣化してしまっていると、酸化ストレスが体内にたくさん蓄積されていきます。そのストレスによって、卵子の質が悪化し、結果的に卵子の寿命が短くなってしまうこともあるのです。

過度の飲酒や喫煙は生殖器官だけでなく、肝臓や肺などのさまざまな臓器にも、悪影響があるので、安全な出産や妊娠だけでなく、自身の健康のためにも、過度な飲酒や喫煙の習慣は、早めに改善するようにしましょう。

無理なダイエット

無理なダイエットをして、急激に体重が減ると、脳は飢餓状態であると判断して、生命活動を優先させるために、排卵を停止させてしまうこともあるのです。飢餓状態によって排卵が停止してしまうと、当然妊娠の可能性も無くなってしまいますから、妊活中に無理なダイエットは、絶対にしないようにしましょう。

ストレスの蓄積

ストレスが過度に溜まっていると、卵胞の成長や排卵を促す女性ホルモンを分泌する脳下垂体に、悪影響が出て、排卵が正常に行われなくなってしまう排卵障害や、生理不順などが起こりやすくなってしまうとされています。

排卵障害や生理不順が長く続いていると、卵子の寿命も短くなっていってしまうので、ストレスをしっかり発散するということも、妊活中には欠かせないことなのです。

卵子の老化を防いで寿命を長くする秘訣

卵子は質がよくなることで、寿命も長くなるので、卵子の老化をできるだけ防ぎ、質をよい状態に保つことで、妊娠の確率も上がっていくでしょう。しかし卵子の寿命を延ばすには、具体的にどのようなことをすればよいのか、分からないという人は多いと思われます。そこで以下では、卵子の寿命を延ばす方法について見ていきましょう。

卵子の質にかかわる栄養を摂取する

卵子の質は抗酸化成分や葉酸といった栄養素によって、よい状態に保たれるとされています。そのため卵子の寿命を延ばすには、抗酸化成分を多く含んでいるナッツやフルーツ、子宮内膜の強化にも役立つ葉酸が豊富に含まれたホウレンソウやブロッコリーなどを、積極的に摂取することがおすすめです。

最近では葉酸や抗酸化成分などを効率的に摂取できるサプリメントも、たくさん販売されているので、バランスのよい食事を用意することが難しい人は、ぜひそのようなサプリメントも活用してみて下さいね。

質の良い睡眠をとる

良質な睡眠をしっかりとることでも、成長ホルモンの分泌が促され、卵子の質がよくなり、寿命も延びるとされています。必要な睡眠時間は6~8時間ほどとされており、成長ホルモンの分泌は、ぐっすり眠ってから約2~3時間後に、特に多くなるとされているのです。

そのため特に妊活中の人は、寝る前はしっかり睡眠の準備をして、ぐっすり6~8時間は眠るように心がけましょう。

適度な運動を習慣にする

卵子の質を高めて寿命を延ばすには、卵子が成長するために必要な栄養がしっかりと卵子に届くように、卵子が成長する卵巣に血液を送ることが重要になります。

そのため卵子の寿命を延ばすには、全身の血流をよくする適度な運動を、習慣化することが効果的とされているのです。適度な運動にはストレッチやジョギングなどが、おすすめです。

体を冷やさずに温める

下半身が冷えてしまうと、卵巣の機能が低下して、卵子の寿命も短くなってしまうので、卵子の寿命を延ばすには、バスタイムをシャワーだけで済まさず、しっかり湯舟に浸かって、下半身を温かく保つことが大切です。また夏でも冷房が強い所では、下半身が冷えることもあるので、特に妊娠を望む人には、常に下半身にかける小さなブランケットを持ち歩くことを、おすすめします。

卵子の寿命を知るためにできること

卵子の寿命を知ることは、妊娠しやすいタイミングを正確に予測することにも、つながります。そのため、特に妊活中の人には、自分の卵子の寿命を知る方法を確認しておくことを、おすすめします。卵子の寿命を把握するには、さまざまな方法があるので、以下ではそれらの方法について、見ていきましょう。

毎日基礎体温を測る

基礎体温の変動から、卵子の寿命を把握することができます。そのため自分の卵子の寿命が知りたい人は、ぜひ毎日基礎体温を測って、基礎体温グラフを作るようにしましょう。基礎体温グラフを作ることで、排卵日の予測もより正確に、より簡単になります。排卵日と卵子の寿命に合わせて性交渉を行うことで、妊娠の確率を上げることができるので、妊活中の人はぜひ基礎体温を測る癖を付けましょう。

おりものの変化を観察する

排卵日間近になると、おりものの色が白っぽくなり、卵の白身のような粘り気も出てきます。そのため、排卵日の予測や卵子の寿命を知るには、おりものを注意深く観察することも、役立つのです。卵子の受精可能時間はかなり短いので、排卵日間近のタイミングから、避妊をしない性交渉を始めると、体内に残った精子が、卵子の受精可能時間の間に卵子に到達して、受精しやすくなるとされています。

排卵検査薬を使用する

排卵が近づくにつれて、尿の中には黄体ホルモンが多く含まれるようになるので、尿の中の黄体ホルモンの量から、排卵日を予測する排卵検査薬を使用することでも、卵子の寿命を知ることができます。約2日前から尿の中の黄体ホルモンは増え始めるので、排卵検査薬を使用すれば2日ほど前から、卵子の寿命に合わせた妊活が可能になるでしょう。

卵子の数を調べるamh検査を受ける

残っている卵子の数を知りたい人には、卵巣から排出される抗ミュラー管ホルモン(AMH)と呼ばれるホルモンの値から、排卵可能な卵子の数を予測するAMH検査を受けてみることをおすすめします。排卵可能な卵子の数を知ることで、自分の排卵の大体のタイムリミットを知ることができるのです。このAMH検査は血液検査なので、気軽に受けることができますし、検査結果を参考にしてあらかじめ自分で妊活のタイムリミットを設けておくと、妊活にもメリハリが出るので、妊活予定の人にもおすすめです。

卵子の寿命を意識して妊活に励もう

いくらしっかり準備を行っていても、卵子の受精可能期間内に精子が卵子まで到達できなければ、妊娠は成立しないので、妊活中には自分の卵子の寿命をしっかり把握しておきましょう。自分で手軽に確認できる基礎体温やおりものの変化などが、卵子の寿命を指し示すヒントになります。そのため妊娠を希望しているが、あまり基礎体温やおりものに注目していないという人は、ぜひ今から基礎体温やおりものを、よく確認するようにしましょう。

また妊活には費用も時間もかかるものですから、なるべくメリハリをもって妊活を行いたいものですよね。卵子の機能そのものの寿命も、しっかり把握して、自分なりのタイムリミットを設けておくことで、自然とメリハリのある妊活を行うことが、可能になるでしょう。

妊娠を強く望んでいる人にとって、自分の卵子の機能そのものの寿命を知ることは、勇気が要ることと思われます。しかし、もし自分の卵子での妊娠が不可能になってしまっても、卵子凍結や卵子提供などの方法で妊娠できる可能性はあるので、ぜひ勇気を持って自分の卵子の機能そのものの寿命を把握しておきましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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