卵子は老化します。卵子の老化は誰にも止めることはできません。そして、若返らせることもできません。しかし、その老化を遅らせることはできます。生活習慣や食生活を改善することにより卵子の老化を改善し妊娠の確率があがるようにしましょう。
妊娠を望む女性ならば、卵子の老化の知識を正しく理解して、妊娠のタイミングを逃さないことはとても重要なことです。卵子の老化を止めることはできません。少しでも老化を遅らせて卵子を健康な状態に保つことが妊娠につながります。
この記事では、卵子の老化の原因と、老化のサインについて、また老化を改善していく生活習慣などについても詳しくみていきます。自分の体の状態を見極めて、日々の生活の中で実行できる卵子の老化改善方法をみつけてみましょう。一日でも早い行動が、卵子の老化防止につながるのです。
卵子はなぜ老化するのでしょうか?女性は一生分の卵子を自分の卵巣に持って生まれてきます。そして、その卵子は自分の体と同じく年を重ねていきます。
卵子は生まれた時から減り続け老化していきます。しかし、この老化は生活習慣や食習慣などに影響されています。規則正しい生活や食生活を送ることで今ある卵子の老化を少しでも遅らせることを心がけましょう。
卵子は年を重ねるごとに老化していきます。女性は母親の胎内にいる胎生期5カ月のときには約700万個の卵子の元(原子卵胞)を持っていますが生まれてきたときには約200万個まで減ります。そして、生殖年齢に達する頃には約20~30万個まで減っています。このように、卵子は日々減り続け、増えることはありません。そして、卵子は年を重ねるごとに老化しダメージを受け染色体に異常が現れる確率が上がります。
どうすれば卵子の老化を少しでも遅らせることができるのでしょうか?
卵子の老化は生活習慣や食生活が深く関係しています。規則正しい生活や適度な運動、十分な睡眠をとることは卵子の質を維持するのに必要です。
もちろん、バランスの良い食事を摂ることも大切です。高タンパク、低糖質の食事が理想的です。妊娠中はビタミンEや葉酸、鉄分、ミネラルを含むいろいろな食品をバランスよく食べることが重要です。
また、喫煙はニコチンにより血管を収縮させるため血流が悪くなります。卵巣の血流も同じく影響を受け血流が悪くなるため卵子を発育不全に追いやります。そして、活性酸素により卵子を老化させます。
卵子が老化すると妊娠の確率は下がってきます。その確率は35歳頃から急激に下がりはじめます。そして、流産の確率もこの頃から上がり始めます。
卵子が老化することはわかりましたが老化するのは卵子だけではありません。卵子を育てる子宮や卵巣なども同じく老化します。卵子が老化して受精の確率が下がり、また、子宮が老化してくるにつれ着装率もさがります。したがって、妊娠の確率も言わずもがな下がってきます。
卵子の元である卵母細胞は老化するにつれ分裂の際にエラーが発生し染色体異常を起こします。これにより流産の確率が上がるとともに胎児の先天性異常にも影響を及ぼします。また、卵子が受精しても胚の発育が悪く流産につながります。また、流産の確率は卵子の老化のスピードが加速する35歳頃から急速に高くなります。
卵子の老化は自分ではなかなか感じることはできません。しかし、生理の経血の量が減ってきたり、我慢できないほどの生理痛で鎮痛剤もきかないときには卵子の老化のサインの目安と考えられています。
卵子が老化してくると月経の周期や出血量に影響が出てくると考えられています。月経周期が短くなったり出血量が減ってきたら卵子の老化のサインかもしれません。女性の月経は健康の目安にもつながります。月経に不安を感じるときは放置せずすぐに受診するべきです。
生理痛がひどい人や冷えがひどい人は子宮や卵巣にストレスがかかっている可能性が大きいです。この場合、卵子にもストレスがかかり老化が加速している可能性があります。鎮痛剤がきかないほどのひどい生理痛の人は注意が必要です。
卵子の老化をくいとめるためには、バランスの整った食生活が第一です。特に体の酸化を防ぐ抗酸化作用がある食べ物やイソフラボン、鉄や亜鉛、ビタミンなどの栄養素が含まれているものを積極的に摂るとよいでしょう。
アーモンドや落花生などは、ビタミンEが豊富に含まれています。このビタミンEは強い抗酸化作用をもち、老化を防ぎます。また、カボチャやブロッコリー、アボカドなどの野菜にもビタミンEは含まれています。調理の際はビタミンEを含む植物油を使うとよりよいでしょう。
また、合わせてビタミンCやビタミンB群、ミネラルを一緒に摂ることで卵子や精子の粘膜の健康を保つことができます。
大豆はイソフラボンやビタミンEが含まれていて、抗酸化作用の高い食べ物です。イソフラボンはエストロゲンにも似た働きをするので、妊活中の女性にはとてもおすすめの成分です。また、卵子の老化の原因になっていると言われている「活性酸素」を抑える役割もしています。豆乳を飲むことを習慣にすることや、豆腐と油揚げのお味噌汁などが効率よくイソフラボンをとれます。
亜鉛は女性の体にとって、とても大切な栄養素で、女性ホルモンの生成に必要な成分が含まれています。また、卵子の老化を遅らせる働きがあります。そして、男性の精子にも亜鉛は存在し、精子の生成には欠かせないものです。
亜鉛はカキ、チーズ、ギュウニクに多く含まれています。亜鉛の腸での吸収率はあまりよくないのでビタミンCを一緒に摂ることで吸収率を上げることができます。亜鉛は体内で作ることのできない成分です。上手に食事で摂取しましょう。
卵子の老化は誰にも止めることはできません。正しい食生活や適度な運動が老化の加速を緩めることができます。また、十分な睡眠をとることは体の疲労を回復するだけでなく、卵子の成長に必要なホルモンの分泌を促します。
卵子の老化を少しでも遅らせるには、日頃の食生活から改善する必要があります。老化を改善できる食事を心がけるとよいでしょう。質のよい卵子を育てるためにはタンパク質や脂質、ビタミンやミネラルをバランスよく摂るようにしましょう。
リンゴやイチゴ、バナナ、ミカンなどは手に入りやすく、抗酸化作用も高いので積極的に摂るように心がけましょう。アボカドやトマトなどの野菜にも抗酸化作用が高いものがあります。
卵子の老化を改善するには、日々の生活の中で軽い運動を取り入れるとよいでしょう。日頃、あまり運動をしていないのであれば、準備運動をして体をほぐしてから始めるとケガを予防できます。ウォーキングやストレッチなどの有酸素運動は、体内の血流を促すことができるのでおすすめです。
血流がよくなると子宮内膜の環境がよくなり、着床の確率もあがります。また、卵巣への血流をよくすることで、卵子に十分な栄養素を運ぶことができます。少しでも質のよい卵子を質のよい環境で育てることが、妊娠・出産につながります。
卵胞液中の睡眠ホルモンであるメラトニンが少なくなると、発育する卵胞の質や数が低下します。睡眠不足は卵子の成長を妨げたり、壊れた細胞を修復できなくなります。また、十分な睡眠は活性酸素から卵子を守ってくれます。睡眠の大きな目的は疲労の回復です、就寝前にスマホを見てしまうと、ブルーライトの影響で寝つきが悪くなので、質のよい睡眠を十分にとることができません。就寝前はスマホの見るのはやめましょう。
卵子の老化は誰もが止めることのできないものです。そして、一度老化した卵子は若返らせることはできません。卵子の老化をいかに遅らせるかということは、妊娠を望む女性にとってとても重要なことになります。卵子の老化の原因を知り、それをいかに避けるかによって妊娠の確率は格段に変化します。
規則正しい生活を心がけ、バランスのよい食生活をすることは自分の体によいだけでなく、今後の妊娠する確率にも関わりますので、十分注意していきましょう。