2018.08.07

着床出血で生理並みに出血することはあるか|原因と妊娠の可能性

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妊娠すると着床出血があるという情報はよく知られています。では生理並みに出血する着床出血はあるのでしょうか。生理のように出血しても妊娠している可能性があったら嬉しいですが病気の可能性の方が高いので、まず着床出血と生理の違いを知りましょう。

着床出血と生理の違いを解説

着床出血という言葉を聞いたことはあるけれど、どういった出血なのかよくわからないという人は多いと思います。生理とは違う、妊娠しているかどうかを判断する材料の1つと考えられている着床出血ですが、どういった仕組みで起こるものなのでしょうか。妊活中の人や将来妊娠を望んでいる人はぜひ知っておいてください。

着床出血の基礎知識

着床出血ってなに

卵巣から排卵した卵子が精子と受精したものを受精卵と言います。受精卵は卵管を通って子宮に着くと、分厚くなった子宮膜に絨毛(じゅうもう)と呼ばれる根をおろします。これを着床と言い、着床して初めて妊娠が成立します。

しかし受精卵が着床する際に絨毛が子宮内の壁を傷つけ軽く出血してしまうことがあります。この出血を「着床出血」と言います。

着床出血が起こる時期

着床出血は生理予定日の1週間ほど前に起こることが多いようです。これは生理周期が28日の場合、一般的に生理予定日の2週間前に排卵し、受精から着床までが6~7日程度かかるためです。

しかし黄体ホルモンが減ったことが原因で起きた場合は、生理予定日の1週間前から予定日頃に出血が確認できます。生理予定日付近に出血するので、生理と勘違いしてしまう可能性が高いです。

時期には個人差があり、特に生理不順の人は着床出血を生理だと考えやすいため、着床出血か生理かの判断が難しくなっています。

出血の期間

生理の場合は正常な場合だと3~7日ほど出血が続きますが、着床出血は2~3日で終わる場合が多いです。量も少なくおりものシートで収まるほどですので、量が少なければ着床出血の確率が高いです。

ホルモンの影響で出血した場合は稀に1週間から数週間続くことがありますが、数週間続いた場合は明らかに生理とは違いますので、早急に医師の診察を受けましょう。

着床出血の症状

着床出血の血の色には個人差があり、茶色っぽい場合もあればピンクっぽい場合もあります。量に関しては少量の場合が多いですが、生理並みに出血することもあります。着床出血は少量の場合おりものに少し色がついているぐらいのごく微量なので、それが着床出血だとわかる人は少ないです。

また受精卵が着床した際に絨毛が小さい根を張ることで、下腹部にチクチクとした軽い痛みを感じることがあります。この痛みは着床出血のサインである可能性が大きいです。しかしこの痛みが強くそれに伴い出血が止まらない場合は、流産の可能性があるのですぐに診察を受けましょう。

着床出血がない人がほとんど

着床出血が起きるのは妊娠した人全体の数%から10%ほどで、ほとんどの人には現れない症状です。妊娠を何回か経験しても1回も症状が出ない人もいます。また着床出血は量がほんのわずかなため、例え出血しても気づかないことも多いです。

着床出血で妊娠に気づく人はごく稀なことです。妊娠を望んでいる人は着床出血を妊娠の判段にするのではなく、基礎体温で判断するようにしましょう。そのために基礎体温を測る習慣をつけることが大切です。

着床出血と生理を見分けるポイント

症状から見分けるのは難しい

生理と着床出血は量や色、出血の期間が違うということはわかりました。しかし出血の状態や量には個人差もあるため、生理と厳密に見分けることは難しいです。また胸が張る、腹痛があるなど生理前と似た症状が出てきますが、これも着床出血の可能性か生理前なのかの判断は難しいです。

基礎体温で見分ける

基礎体温は生理の周期に合わせて変化しているため、基礎体温のグラフを見るとおおよその区別をつけることができます。排卵が終わってから2週間ほどは体が妊娠する準備に入るため、基礎体温は高温期が続きます。高温期のあと基礎体温が下がった場合には、着床出血ではなく生理の可能性が高く、出血後も高温期が続いている場合は、妊娠初期症状の可能性が高いです。

そのため、基礎体温で見分けられるよう普段から基礎体温をつけることが大切です。基礎体温は毎日同じ時間帯の、起き上がる前に測ることが重要です。この時水分などを飲んではいけません。慣れるまで大変かもしれませんが、基礎体温を測ることで妊娠した時判断がしやすくなります。

着床出血で生理並みの出血がある場合

妊娠している可能性もゼロではない

生理並みの出血がある場合、妊娠は成立していないと判断しがちですが、ホルモンの関係や不正出血とのタイミングによってそのような症状が出ている場合は妊娠している可能性があります。そのため排卵予定日から一週間後に多めの出血があったとしても妊娠検査薬は準備しておくと良いです。

出血の量で妊娠しているか生理なのかの判断が難しくても、基礎体温をしっかり付けておくと妊娠しているかどうかの判断がつきやすくなります。

流産の可能性も

着床出血の量が多い場合、妊娠していて子宮の外から多く出血している可能性があります。また、妊娠検査薬で検査して陽性反応が出た後、生理のような出血があり、腹痛がして体温が下がった場合は流産の可能性があります。

この流産は「化学流産」と呼ばれ、受精卵が子宮内膜に着床したが妊娠が続かなかったこと、もしくは着床せずに受精卵が生理として体外に排出されることを指します。化学流産は受精卵の染色体異常や細胞分裂がうまくできなかったことが原因で起こるため、母体側に原因はありません。化学流産の場合、妊娠検査薬の反応が陽性が出ていても薄い色で出ることがあります。

生理並みの出血がある場合は早めの診察を

着床出血はほとんどの場合、少量かつ短期間で終わります。着床出血の可能性が高いのに出血量が多い、もしくは血の塊が出る場合は、子宮外妊娠の可能性や子宮になんらかの問題が起こっている可能性があるため、早めに医師の診察を受けましょう。

子宮外妊娠を放置すると、卵管破裂などの重大な症状に繋がりかねません。子宮外妊娠の出血は、卵管などで成長した胎のうが正常な器官を圧迫して破損させた場合や、流産が進行した場合起こることがあります。胎のうが卵管を圧迫すると、卵管の壁が破れてお腹の中で多量の出血が起こり、緊急の対応が必要となります。

自己判断せず病院を受診しよう

着床出血が起こる確率はとても低いです。出血の量は微量で気づきにくいものですが、出血の量が多かったり期間が長く生理とは違う出血の疑いがあったりする場合は、早めに病院で受診した方がよいでしょう。何かの病気にかかっている可能性もあります。

最近ではネットで簡単に病気などを調べることができますが、自己判断で大丈夫と考えて受診が遅れると、早期に医療的処置が必要な病気だった場合、処置が間に合わなくなってしまいます。また今後の妊娠にも関わってきます。少しでも違和感があれば、大げさだと思わずに病院に行くことがとても大切です。

また着床出血とみられる出血があった場合は妊娠の可能性が高いので、禁酒と禁煙など生活習慣の改善も意識しましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

妊活部編集スタッフです。妊活に関するお悩みを解決するためのサポートをします。最新情報から妊活にまつわる情報を提供します。