生理がやっと終わったと思ったらまたすぐ出血するなんて、こんなとき女性は誰でも不安になります。不正出血の原因はどんなものが考えられるのか、不正出血にはどんな種類があるのか、出血した血の色での判断など、不正出血について知識を深めましょう。
生理予定でないのに出血することは、女性の多くは体験したことがあるもの。自分だけと心配せずに落ち着いて、原因は何故なのか、自分の身体に何が起こっているのか調べてみましょう。出血が起こった原因を調べてみることで、自分の不正出血が何故起こったのか解決できることがあります。
生理予定でないのに、量に限らず、少量でも生理と同じような量でも、性器から出血することを不正出血と呼んでいます。色はピンク色の薄い色から茶褐色までさまざまです。
生理が始まったばかりの思春期や、閉経間近の更年期には、ホルモンバランスの乱れにより不正出血になることが多いといわれています。成熟期と呼ばれる20代や30代は正常生理周期が一般的ですが、何らかの原因で不正出血がおこる場合もあります。
また、もともと生理不順の場合、不正出血になっても気づかないこともあります。不正出血と正しく判断するためには、日頃から基礎体温を記録することがおすすめです。
不正出血には、原因の違いにより症状にも違いがあります。自分の不正出血にどんな原因があるのか症状から調べてみましょう。
生理と生理の中間あたりを排卵期と呼びます。排卵期に卵子が卵胞から飛び出し排卵が起こります。排卵が起こった前後に不正出血をすることがあり「排卵出血」や「中間出血」と呼ばれています。
排卵出血に伴う出血は、人により違いがあり、出血がある場合や、たまにある場合、全くない場合などさまざまです。排卵出血は、18歳~40歳程度の成熟期に起こることが多く、量は少なめで出血日数も2日~3日程度で止まってしまう場合が多いので、心配する必要がないとされている出血です。
ただし、排卵出血が大量で、長期間続いたり酷い痛みが伴う場合は、排卵による不正出血だけでない場合も考えられるので、婦人科で受診することをおすすめします。
不正出血で最も多い原因といわれている、ストレスによる不正出血があります。仕事や育児によるストレスや、新しい環境でのストレスなど、ストレスを溜めない人は居ないといわれている現代では、こういったストレスが不正出血の原因となっています。
ストレスを溜めることで自律神経に影響を及ぼし、ホルモンバランスが崩れがち。ホルモンの分泌が安定せず、不正出血になる場合が多いです。ストレスによる生理不順が続くと、ストレスや自律神経を感知する場所の近くにある、ホルモンの排出命令を出す脳下垂体も影響を受けます。
自律神経が安定しない場合、脳下垂体が卵子を排出する命令を出すことを止めてしまい、無排卵状態になります。その状態が続くことで不妊症になり妊娠しずらい体になってしまうことがあります。
不正出血には、子宮や内科的な病気が原因で起こる場合もあります。20代~30代に一番多い子宮の出口付近が慢性的に、ただれた状態の「子宮膣部びらん」や、膣の筋肉の収縮などに伴い不正出血する場合の「膣炎」や、性交や性交後に出血することで早期発見することが可能な「子宮頸がん」は、性行為から感染するので性行為を経験したことのある人なら誰でも起こりうる病気です。
また、「子宮内膜症」は、通常は子宮内に卵子の着床用の壁を増殖させる働きがありますが、子宮以外の場所で増殖してしまい、お腹の中に蓄積され炎症や癒着を起こし、不正出血とともに腹痛がひどくなる場合があります。
病気が原因で起こる不正出血は、痛みが伴う場合もあれば、全く痛みが伴わない場合もあるので気づかず悪化することもあるので注意しましょう。
妊娠した場合、卵子が精子と受精し受精卵となって子宮に着床する際、絨毛が子宮内膜を傷つけることで、出血することを「着床出血」と呼んでいます。軽く薄い出血の場合が多く、子宮に軽い痛みを伴う場合もあります。
妊娠した場合、誰でも着床出血が起こるわけでなく50人に1人とごくわずかな割合なので、着床出血しない場合や、着床出血してもごく僅かで気づかないこともあります。着床出血の時期は、排卵後1週間程度に起こることが多く、次の生理前5日~1週間前ということもあり「早くて軽い生理がきた」と、勘違いする場合も少なくありません。
着床出血と一般的な生理を区別するのは分かりづらく、一番の大きな違いは、基礎体温による高温期と低温気の見定めがポイントとなります。妊娠している場合は、高温期が続き、妊娠していない場合は、低温気になります。排卵日近くで性交があり、生理予定の少し前にすぐ終わってしまうような生理がきた場合は、基礎体温を調べてみたり、妊娠検査薬で調べてみることをおすすめします。
前回の生理から2カ月以上も生理がない場合、妊娠している可能性があるにもかかわらず、腹痛を伴う不正出血があり、通常は横になって安静にすれば治る腹痛が安静にしても治らずお腹の張りがある場合は、流産や切迫流産、子宮外妊娠が原因の可能性が考えられます。
流産や切迫流産の不正出血は、経血の中にレバーのような塊があったり、生理以上の大量の出血の場合があります。基礎体温では、妊娠初期は高温期になるのが通常ですが、12週までの妊娠初期にもかかわらず低温期になる場合は流産の可能性が高くなります。
また子宮外妊娠の場合は、本来子宮に着床するはずの受精卵が、卵管などに着床してしまい卵管流産や、卵管破裂などにより不正出血する場合もあります。妊娠6週目から出血が始まり徐々に量が増加していったり、腹痛や腰痛を伴う場合が多いことが特徴です。このまま放っておくと卵管破裂を起こす危険もあるので、早めに婦人科で受診することをおすすめします。
不正出血の原因が思い当たる理由がある場合はよいですが、原因がわからない場合は、不安になるのは当たり前です。そこで、原因がわからないけど不正出血になった場合の、経血の色などから見分ける方法を習得しておきましょう。
茶色くごく僅かな少量の不正出血の場合は、ホルモンバランスの乱れによる不正出血の可能性も考えられますが、病気などが原因で身体のどこかが出血している場合、流れ出るまでに時間が掛かることで酸化し、茶色っぽい不正出血になっている場合もあります。
子宮内部や卵巣の病気が原因で、茶色い不正出血になっている場合も考えられるので、痛みを伴う場合などは早めに受診することがおすすめです。
経血の色が鮮やかな場合は、子宮や膣などの出口付近で傷や病気により出血していることが考えられます。女性の約8割は、タンポンの使用や性交により「膣部びらん」と呼ばれる病気の可能性が高く、膣の出口付近がただれていることで傷がついて、鮮やかな不正出血をする場合があります。
その他にも、鮮やかな出血の不正出血の場合は、子宮筋腫や子宮内膜ポリープ、膣炎、子宮頸がんや子宮体癌などの子宮や膣の病気が原因の可能性もあるので、鮮やかな色の不正出血が続くような場合は、早急の受診で早期発見が肝心となります。
自分では、はっきりとした原因がわからず不正出血が続いたり、腹部などの痛みを伴う場合のほかに、性交渉が原因で大量の出血を伴う場合などは、性交での性病感染の可能性が原因となっている場合もあります。
不正出血がダラダラ続く場合や、いつもより出血量が多いと感じるとき、不正出血と同時期に微熱が続くなど、原因がわからず自己判断したことで、のちのち後悔する原因になることも考えられるので、早めに病院で診てもらいましょう。
出血するはずのない日に不正出血したら、量や色などに関係なく、心配になるのは女性なら誰でも経験したことがあります。不正出血して不安なまま日常を過ごすのでなく、おかしいと思ったら、なるべく早めに婦人科で受診しましょう。