2018.07.04

【生理10日前の不調】原因を知って正しい対策をしましょう

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生理の10日前になると、必ず体のどこかが痛くなる、元気になれなくてしんどいということはないでしょうか?生理10日前に起きる不調や変化は、例外を除いて珍しくない症状といわれています。なぜ不調が生じてしまうのか、その理由について解説します。

生理10日前になるといつも不調になってつらい

生理が近づいて来ると、嫌な気持ちになる女性は多いのではないでしょうか?特に10日前頃になると、調子が悪くなって、仕事も家事もやる気が出ないこともあるでしょう。どうしてこの時期になると、不調になるのでしょうか?そのメカニズムを解説します。

生理10日前に起こっている身体の変化

生理の10日前になって起こる不調は、女性ホルモンが大きく関係していると考えられています。女性ホルモンはエストロゲンと、プロゲステロンの2つに分けられます。

卵巣で作られるエストロゲンには、乳房の発達や女性らしい体つきを作る働きがあります。また、循環器や呼吸器などをコントロールする自律神経の調整にも、大きく関わっているのです。

一方のプロゲステロンは、妊娠に大きく関係します。体の発達や、妊娠の継続に重要な女性ホルモンですが、体のあちこちに影響を与えるので、心身の不調につながると考えられているのです。

黄体期とよばれる期間による変化

女性の体の周期は、4つに分けられます。月経期、卵胞期、排卵期、黄体期ですが、生理の10日前に当たるのが黄体期です。黄体期は、プロゲステロンの分泌が増加する時期で、子宮を厚くしていきます。理由は、受精卵を子宮へ安全に着床させるためです。

プロゲステロンには、子宮の内側部分の「子宮内膜」を、厚くする働きがあります。しかし、受精卵が着床しなければ妊娠に進まず、はがれて生理がはじまるのです。黄体期になるとこのような変化が生じ、個人差はありますが、不調につながると考えられています。

ホルモンバランスが変化する

黄体期になると不調になる原因は、解明されていないことも多いのが実情です。可能性として、不調はプロゲステロン自体の問題ではなく、分泌量の増加によって起きる結果とも考えられています。

例えば、黄体期に胸が張って痛むのは、一説にプロゲステロンに水分を貯める働きがあるからだといわれています。また、心の安定に関与するといわれる「セロトニン」が減少することで、通常よりもストレスに対して弱い状態になるという説もあります。

さらに、子宮内膜を厚くするためには栄養素が必要です。しかし、子宮にビタミンやミネラルなどが使われた分、ほかに必要な所が栄養不足になり、不調が生じるという話もあり、その答えは確定しているわけではないのです。

月経前症候群とよばれる症状があらわれる

黄体期に起きる症状は、一般的に月経前症候群(PMS)と呼ばれています。この症状は非常に多く、一説には200種類以上ともいわれています。個人差はあるのですが、例えば、不安定な精神状態が代表例として挙げられるでしょう。

イライラして、どうにも怒りを抑えられないなどがあります。身体症状でいえば、胸やお腹の張り、腰痛、肌荒れやニキビなどが不調として多いようです。しかし、PMSの不調は個人差が大きく、ある人に現れる症状が、別の人にはないということもあります。また、症状の激しさについても個人差があるのです。

PMSがあらわれる4つのパターンがある

PMSが現れる時期には、4つのパターンがあると考えられています。1つ目は、生理の1週間前ほどに始まり、生理の終わりと共に、症状が消えるケースです。2つ目は、排卵直後に起きて生理が始まると消えるケース。

3つ目は、1つ目のケースにプラスして、排卵前後に出現するケースです。4つ目は、排卵直後に始まり、生理が終わるまでずっと続くケースです。自分はどのパターンが多いのかをチェックし、理解することもPMS対策の助けとなるでしょう。

生理10日前に起こる心の変化

生理10日目の不調は、身体的な症状だけではなく、心の問題が生じることもあります。例えば、いつも穏やかな人が急にイライラしはじめたり、怒ったりするようなことです。しかし、身体的な症状だけではなく、どうして心の変化まで生じるのでしょうか?

ホルモンバランスの急変で情緒不安定になる

PMSの特徴に、精神的な変化も挙げられます。代表的なのが、情緒不安定です。イライラや怒りっぽくなるだけではなく、憂鬱な気分になることも挙げられるでしょう。ほかにも、落ち着かずに集中できない、理由もなく涙が出そうになるなどが挙げられます。

しかし、PMSで起きる精神的な症状が、別の心の病気と似ていることがあるので、注意が必要です。生理とは関係ない時期でも、似たような症状があったら、心療内科などの専門医に相談することをおすすめします。

PMSより精神的症状のすすんだPMDD

PMSでは、不安定な精神状態がよく現われるようです。しかし、それ以上に激しい症状が出る場合もあります。これは、月経前不快気分障害(PMDD)と呼ばれる症状です。PMSも不快な症状ですが、PMDDはそれ以上に重く、日常生活を送るのが困難になることも少なくありません。

憂鬱感を通り越し、「うつ」や「やる気の消失」、「絶望感」などが生じるといわれています。また、攻撃的になってしまい、周囲との人間関係が崩れる場合もあります。自分では、コントロールすることがむずかしい症状といえるでしょう。

年齢によって症状の傾向は変化する

PMSは、年齢で不調の傾向が変わるともいわれています。20代では、胸の張りや頭痛、下腹部が痛む傾向にあり、主に身体的な症状が多くでてきます。30代では身体症状だけではなく、情緒不安定などの精神的な症状が強く現われるのです。

30代でのPMSは、特に激しくでるともいわれています。しかし、30代のPMSは、女性ホルモンの変化以外にも、外的な要因も大きく関与していると考えられるのです。一般的に仕事をしている女性の中には、30代で負担や責任が重くなる人もいます。そのストレスにより、PMSを悪化させる原因ともいわれているのです。

出産経験によっても症状が変化する

女性の場合、出産があります。実は、出産経験があるかないかでも、PMSでは症状が変わると考えられているのです。出産経験があると、精神的な症状が激しくなるといわれています。

イライラや怒りっぽくなり、自己否定する傾向が強いといわれているのです。一方、出産経験がない人の場合だと、頭痛や胸の張りといった身体的な症状が強くなるようです。

生理10日前に起こる症状への対策

PMSなどの生理前の不調を、我慢するにも限界はあります。特に、精神的な症状が強く出る人の場合、人間関係が壊れてしまう可能性も否定できません。だからこそ、しっかりとした対策が必要です。PMSに関して、期待できる対策を解説します。

症状を和らげる栄養素を摂る

食べ物から摂取できる栄養素は、生理10日前の不調を和らげることが期待できます。食べ物は、人間が生きるために必要なエネルギーだけではなく、体を作るためにも必要な存在です。例えばたんぱく質は、ホルモンの材料になることが知られています。PMSへの対策を考えるうえで、必要な栄養分は多数あります。

利尿作用が期待できる栄養を摂る

利尿作用のある栄養分を摂取することも、対策として期待できます。プロゲステロンは出産可能な体を作るために、水分をため込む働きを持っています。胸が張って痛くなるのは、水分を貯め込むことによるむくみと考えられているのです。

バナナやホウレンソウなどに含まれるカリウムは、体の不要な水分を排出する働きを持っているので、むくみ対策が期待できます。また、アーモンドやカシューナッツに含まれるマグネシウムは、神経の安定に役立つといわれています。さらにビタミンB6も精神の安定を助け、ビタミンEは女性ホルモンの分泌に関与し、PMSの症状緩和を助けるといわれているのです。

便秘改善が期待できる食物繊維を多く摂る

食物繊維も、PMS対策の助けが期待できます。PMSの症状の一つに、異常な倦怠感が挙げられます。何もしたくないという気持ちが強ければ、運動不足になりがちです。そうなると、肥満につながる可能性もゼロではありません。

また、便秘もPMSの症状の一つであり、吹き出物やニキビなど肌トラブルにつながる可能性があります。そんなときに、食物繊維が役立ってくれるのです。根菜類や大豆、キノコや海藻類に多く含まれていますが、これらを摂取することで、快便が期待できます。

ストレスに対抗するビタミンCを摂る

PMSの症状を悪化させる可能性があるのは、ストレスです。そのストレス対策によいとされるのが、ビタミンCです。理由は、「アドレナリン」という言葉でも知られる、副腎髄質ホルモンの分泌に関わるからです。

アドレナリンは、血圧や血糖値を上昇させてエネルギーを大きくし、ストレスへの抵抗力をアップさせる働きがあると考えられています。このアドレナリンを合成するために、ビタミンCが必要とされているのです。

ストレスを溜めないように心がける

基本的に、生理10日前の不調対策として、ストレスがたまらないように意識することも大切です。ストレス原因から離れることも対策の一つですが、生理からは逃げられません。

そのため、ストレスがたまったら、発散させることを意識しましょう。ストレスを上手に発散させることで、PMSといった生理10日前の不調対策が期待できるからです。

軽めの運動をする

黄体期には、軽めの運動を心がけましょう。軽めの運動をすることで、血行によい影響を与えられるからです。血液は体中に栄養を運んでいます。しかし血行が悪ければ、毛細血管の隅々にまで栄養を行き届かせることがむずかしくなるのです。

例えば、PMSで肩こりや腰痛などが生じる人もいます。これも血行不良が原因の一つですから、軽い運動によって、対策が期待できるのです。軽い運動もさまざまですが、ストレッチやヨガ、ウォーキングなどがおすすめです。ただし、軽い運動であれば、自分に合ったものを行うとよいでしょう。

意識的にリラックスタイムをつくる

生理の10日前になり、黄体期だなと感じはじめたなら、リラックスタイムを作ることが大切です。例えば、ハーブなどの入浴剤を使用するのもよいでしょう。基本的に入浴することで、睡眠前のゆっくりとしているときに優位となる「自律神経の副交感神経」を優位にさせます。また、副交感神経は血管を拡張させる働きがあるため、血行不良対策も期待できるのです。

注意点として、高温では活動的になる交感神経が優位になり、逆効果になるので注意しましょう。また、睡眠もPMS対策では重要です。睡眠不足や質の悪い睡眠では、十分に休めず、自律神経の乱れにもつながります。自律神経が乱れることで、情緒不安定などにつながるため、早寝早起きといった睡眠と共に、質のよい睡眠環境を作ることも重要です。

生理10日前に出血があった場合の対処

生理10日前のPMSが生じている際、出血があったら、早めに産婦人科で受診してください。不正出血とは、生理とは異なる原因による出血のため、体にトラブルが生じている可能性が高いからです。

不正出血では、赤黒い、またはピンクの血液、茶色いおりもののような出血があることが特徴です。また、出血量が少ないですが、期間が長いなど、生理とは異なる部分が多くあります。

着床出血にも注意

着床出血にも注意が必要です。子宮に精子が受精することが原因と考えられている、珍しい症状といわれています。出血量が生理よりもかなり少なく、生理と同じ鮮血、あるいは粘ついた出血、薄茶色やピンク色が混合しているようなおりものといった特徴が見られます。

基礎体温は高音が多く、生理予定日よりも1週間~数日前に起きることが多いといわれています。どちらにしても、通常の生理とはどこか異なる出血が見られたら、早めに産婦人科などで受診しましょう。

敏感な時期は身体と心の声を素直にきいてあげよう

生理10日前の不調の原因は、PMSの可能性があります。一般的な症状ですが、30代の時期は、20代の頃より激しい症状になることが少なくありません。身体的な症状はもちろんですが、精神的な部分でイライラし、周囲に当たり散らすケースもあります。

そのことで人間関係が悪化してストレスがたまれば、ますます症状が悪化するという悪循環に陥る場合も否定できません。そのためPMSのことを理解し、適切な対策を普段から心がけましょう。対処がむずかしいと感じたり、いつもの生理とは違うと思ったら、早めに産婦人科や心療内科などの専門家に相談しましょう。

妊活部編集スタッフ
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