生理が2週間も遅れていると、自分の身体はどうなっているのだろう。妊娠かな、病気かもと心配になります。2週間も生理が遅れている原因には、妊娠や病気のほかにストレスや生活サイクルの乱れなどもあります。原因を知って、改善していきましよう。
普段は予定通りきている生理が、2週間たってもまだ来ないとなると、心配になるのは当然です。遅れている原因が、病気だったり妊娠が原因だったらどうしようと、生理が来るまで気が気でない不安に襲われる経験は、女性には少なくありません。
今回は、生理が遅れている原因と対策についてお伝えします。しっかり理解して、生理不順を改善しましょう。
生理が遅れていると言える日数は、人により多少の違いはあります。しかし、日本産婦人科学会の発表によると、正常範囲の生理周期は25日~38日であるとされています。最後の生理から、24日以内や39日以上の場合は、何らかの原因である月経異常といわれ、90日以上月経がない場合は、無月経といわれています。
生理予定日から数日以内の遅れは、正常範囲内となりますが、39日以上や予定日から7日以上月経が起こらない場合は、月経が遅れているということになります。
生理が遅れる原因として、一番自然な原因が「妊娠」による可能性です。前回の生理から考えて、排卵日近くに性行為をしている場合など、妊娠している可能性があると思われるときは、妊娠の初期症状があるか、確かめてみましょう。
妊娠の可能性があるかもと思う場合は、早い人で、生理予定日の1~2週間前から妊娠の初期症状が出始めます。通常の生理不順の場合は、いつもと違う症状が現れない場合が多いことが一般的です。
妊娠初期症とは、イライラしやすい、乳房が張って胸が痛い、身体が熱っぽくて1日中眠い、乳首が黒っぽくなる、おりものがいつもと違うなどの症状が出る場合が多いので、そういった症状がないか確かめてみましょう。
妊娠の可能性がある場合、妊娠しているかどうかを自分で手軽に調べるためには、妊娠検査薬による検査がおすすめです。妊娠検査薬は、妊娠したときに尿に多く含まれるようになる「hcgホルモン」を測定することで、妊娠を判断します。hcgホルモンは、排卵で受精すると、14日程度で反応が出る値まで高くなります。
排卵後14日ということは、通常28日周期では14日目が排卵とすると、次の生理予定日の28日目には判定できることとなります。生理予定日から1週間後には、妊娠検査薬での判定が可能となるのです。
妊娠検査薬で陽性反応が出たら、婦人科を受診しましょう。妊娠検査薬では、尿が濃すぎて陽性の反応に見えてしまうこともあります。したがって、婦人科で再度妊娠検査をしてもらうことをおすすめします。
婦人科へは、すぐに行くべきと思われるかもしませんが、最後の生理開始日を1カ月目の0週0日と定めて、5週目以降に行くとよいでしょう。あまり早い段階では、超初期流産の可能性もあり、胎児の胎動を測定することはできないのが理由です。
また、婦人科受診でエコーと呼ばれる超音波検査で、妊娠4週目になると、胎児を包む胎嚢が確認できるようになり、こうなると妊娠第一段階が確認されたことになります。
妊娠6週目前後のエコー検査では、胎嚢の中に胎児と、胎児の心拍である胎動を確認できるようになります。エコー検査のときに、モニターで心拍である動きが見て確認できるこの段階が、妊娠第2段階となります。
胎動が確認されると、初期流産のリスクも少なくなってくるので、この段階で初めて婦人科では、妊娠と判断されます。ただし、妊娠として判断されても、年齢によっては流産の確率はとても高いです。妊娠3カ月程度までは、流産する可能性が高い状態が続きます。
生理が遅れていても、妊娠の可能性がない場合は、妊娠以外の別の原因が考えられます。女性の身体はとてもデリケートにできているので、精神的や忍耐的な変動などで、生理が遅れてしまう原因になることもあります。妊娠以外が原因で生理が遅れてしまう原因を調べてみましょう。
生活環境が変わったり、新しい仕事に取り組み始めたり、悩み事があったり、寝不足が続いていたり、仕事が忙しすぎたりなど、知らず知らずに溜まっているストレスから、ホルモンバランスが乱れ、生理が遅れる原因になる場合があります。
また、来るはずの生理が来なくて悩み始めると、その心配や不安がストレスの原因となり、少し遅れただけの生理が、長く来なくなってしまう原因になってしまう場合があります。
女性の身体は、とてもデリケートにできています。たとえば、過剰なダイエットや、激しいスポーツによる体脂肪の減少が原因で、生理が来なくなる場合があります。急激なスポーツやダイエットでの体重減少から、体脂肪が減少すると、生きていくために必要な臓器を守るために、生殖機能がストップして卵巣機能が低下し、「体重減少性無月経」になります。
体重減少性無月経が3カ月以上続くと「続発性無月経」と呼ばれ、ホルモンによる治療をしなくてはならなくなる場合があります。痩せたいと思う女性は多いですが、急激に無理なダイエットをすることは、女性ホルモンバランスの乱れにもつながります。正常な生理のためには、ある程度の脂肪も必要なのです。
体調が悪いからと、吐き気止めや胃薬、抗うつ剤やピルなどを服用している場合、プロラクチンというホルモンが分泌されることがあります。プロラクチンの分泌量が多くなると、卵巣の働きを抑えて排卵を抑制する作用があり、薬の服用の副作用として、生理が来なくなることも考えられます。
日頃は飲まない薬を服用し始めた覚えがある場合は、その薬の副作用で生理が遅れたり来なくなっている場合が考えられるので、処方された病院へ相談してみることもよいでしょう。
ダイエットもしていないし、近頃ストレスに感じることもない。いつもと違う薬も服用していないのに、生理が遅れたり来なかったりする場合は、婦人科系疾患の疑いも気にとめましょう。婦人科系疾患の場合は、症状自体が大きく出ることが少ないので、気付かない場合も多いのです。
原因の一つとして考えられる婦人科系疾患には、「多嚢胞性卵胞症候群」と呼ばれる病気もあります。多嚢胞性卵胞症候群は、卵巣に多数の卵胞がたまってしまうことで、排卵が起こりにくくなります。男性ホルモンの影響で、毛深くなったり声が低くなったりする症状が現れる場合もあり、進行していくと不妊疾患の原因になることもあります。
一般的な閉経は、40代半ばから50代半ばに、多く発症することが知られています。しかし、閉経前後5年間程度に、閉経が原因でホルモンバランスが崩れ、更年期障害と呼ばれる月経不順やのぼせ、動機などの症状がでる場合があります。
一般的な閉経と違い、遺伝、子宮や甲状腺による疾患が原因で、閉経が通常の年齢よりも早くおこり、20代や30代で閉経することを早期閉経といいます。一般的な年代より非常に若い年代で、月経不順や更年期の症状が起こるので、子供が授かることが難しくることがあります。
女性として健康な身体でいるためには、月経が正常にくることが目安になります。月経不順の原因を調べて、もし月経不順になる原因が思い当たるのであれば、原因を改善し、月経不順をなくすことがポイントです。
月経不順を改善するためには、規則正しい生活を心がけましょう。女性ホルモンをつかさどる脳の視床下部は、繊細でストレスの影響を受けやすい場所なので、寝不足や不規則な食生活、運度不足などが原因でホルモンバランスを崩しやすくなります。
栄養バランスのとれた食事を決まった時間に摂ることや、十分な睡眠を取って適度な運動をするなどして、ストレスをためないように、生活リズムを整えることが正常な生理周期につながります。
自分の身体の変化を自分で管理するためには、基礎体温を記録することをおすすめします。基礎体温をつけることで、自分でも早期に身体の変化に気づくことができます。基礎体温は、スマホのアプリなどでも簡単に管理ができるので、面倒くさがらずに毎日の基礎体温を習慣づけましょう。
生理不順で不安なときにも、基礎体温を3カ月以上記録してあれば、医療機関を受診した際に、その記録を基に医師へ適切な症状を伝えられるので、治療のためにも役に立ちます。
いつも来るはずの生理が、予定を2週間過ぎても来ない場合は、一人で悩まず早めに医療機関で受診しましょう。婦人科に行くのが恥ずかしいとか、もう少しすれば生理が来るかもと悩んでいると、生理が来ない不安からくるストレスで、さらに身体に悪い影響を起こすこともあります。
自己判断せずに専門の医師に診察してもらうことで、生理不順の原因が解れば、生理不順によるストレスも低減することができるのです。婦人系疾患の場合は、早期治療が不妊症を回避するための最善の方法になります。2週間以上生理が遅れていたら、早めに医療機関で受診しましょう。