2018.07.04

40歳からの妊娠確率はどのくらい低くなる?その原因とリスクとは

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一般的に40歳を迎えると、急激に妊娠することが難しくなるといわれていますが、確率はどのくらい低下するのでしょうか。その原因とリスクをふまえ、妊娠に近づけるための方法とは?確率は低くても、前向きに夫婦で話し合ってみましょう。

40歳の妊娠確率はどれくらいなのだろうか

20代、30代に比べて40歳を過ぎると、妊娠確率はどのくらい変化するのでしょうか。40歳を過ぎても、妊娠を望む方は少なくありません。しかし、さまざまな原因で妊娠確率が低下してしまいます。

また、妊娠はできてもリスクも伴うことも多く、妊活に踏み切るかどうか悩む年代です。ひとりで抱えこまずに夫婦で話し合い、ストレスをためないようにしましょう。

40歳の妊娠確率

20代や30代の出産適齢期といわれる時期に比べ、40代を過ぎると、妊娠の確率はどのくらい変化してくるのでしょうか。

40歳の自然妊娠による妊娠確率の推移

自然妊娠とは、排卵日周辺に性行為があって、妊娠することを指します。1回の生理周期での妊娠確率の統計では、自然妊娠をする確率は、20代~30代では30%ほどです。しかし35歳になると18%、40歳では5%ほどです。40歳を過ぎると、一気に自然妊娠の確率は低くなってしまいます。

20代の頃と同じように、排卵日周辺で自然妊娠を望んでも、35歳をすぎると急激に妊娠確率は低下していき、45歳ではわずか1%になってしまいます。一人目は早い段階で妊娠した方も、40代での自然妊娠は難しくなります。

40歳の生殖補助医療による妊娠確率の推移

生殖補助医療とは、顕微授精や体外受精のことをいいます。精子を採取して卵子と受精させ、子宮に戻す方法で、自然妊娠に比べて妊娠する確率は4倍ほど上がります。しかし、妊娠確率が高いといわれる20代~30代に比べると、40歳を過ぎて生殖補助医療で妊娠する確率は低くなります。

20代では、生殖補助医療での妊娠成功率は40%ほどですが、35歳を過ぎると急激に低下し、40歳では10~20%になります。40歳を過ぎると、一気に生殖補助医療でも妊娠が難しくなるため、妊娠を考えている場合は、少しでも早めに行うようにしましょう。

40歳の妊娠確率の中での出産確率

40歳以降で妊娠できた場合、それだけで安心してしまいそうですが、無事に出産を迎える確率も難しくなってしまいます。生殖補助医療では、20%の人が妊娠できたとしても、4割は流産してしまうといわれています。

厚生労働省によると、40歳以降で妊娠した場合、無事に妊娠継続して出産できる確率は、わずか2%と低い確率です。これは、卵子の質の低下により、染色体異常がおきやすいためといわれています。妊娠することも難しいですが、無事に出産を迎えることは、奇跡的で確率的にはとても低いといえます。

40歳の初産と経産婦との妊娠確率の違い

初産の場合と、出産経験がある場合では、同じ40代でも妊娠する確率に違いはあるのでしょうか?その違いは、排卵数や生活習慣が考えられます。

40歳で未産婦と経産婦の妊娠確率は半分近く違う

40歳で妊娠を考える場合、すでに出産経験がある経産婦で、2人目や3人目を望んでいる方も多くいます。未産婦と経産婦では、妊娠確率に違いが生じるというデータもあります。生活習慣やストレスも、妊娠確率を低下させる大きな原因になってきます。40歳を過ぎてから、初めて妊活を始める方は、まずは生活習慣を見直ししてみましょう。

以前、妊娠して出産経験がある方でも、40歳を過ぎたら前回よりも、さらに生活習慣には気を配るようにしましょう。ストレスなどが蓄積されると、妊娠確率がより低くなります。

経産婦のほうが妊娠確率が高いのは排卵に秘密が

出産経験がない人に比べ、出産経験がある人のほうが、妊娠確率が高いといわれる理由のひとつには、卵子数の違いが関係しているともいわれます。経産婦は、前回妊娠して出産までの期間、排卵がされていないため、未産婦の人に比べて卵子の数が多くなり、妊娠の確率が高くなります。

また、出産経験のない場合は、本人やご主人が不妊症である可能性も否定できません。経産婦は不妊症ではないため、確率に差が出るようです。

40歳から妊娠確率が低下する原因

40歳を過ぎると、女性の体は大きく変化してきます。卵子などの老化に加え、ホルモンバランスの変化も関係してきます。

加齢による卵子や精子の老化が一番の原因

40歳から妊娠確率が低下する原因で、もっとも大きいといわれるのが、卵子や精子の老化です。卵子が老化すると、ミトコンドリア遺伝子の変異が増えてしまい、着床できなくなってきます。

卵子や精子は加齢と共に老化し、質が低下することで妊娠確率が低くなります。また、流産や染色体異常などもおきやすいとされています。老化してしまうことは仕方のないことですが、老化スピードを落とすためには、食生活や睡眠、禁煙、運動など基本的な生活習慣に、気をつけることが基本です。

生理周期の乱れも妊娠確率を下げてしまう一因

女性は40歳を過ぎると、閉経に向けてホルモンバランスが大きく乱れやすくなり、生理周期も安定しないことが増えてきます。妊娠するためには、排卵日を把握し、周期に合わせてタイミングを取ることが必要です。しかし、周期が乱れてしまうと、排卵日の予測も難しくなり、タイミングを把握できなくなってきます。

基礎体温を毎日測ることは、自分の体調やホルモンバランスを把握するためにもおすすめです。数カ月計り続けても、体温が安定しないときなどは、婦人科などの専門医に相談してみましょう。

卵子の数も妊娠確率に影響してくる

男性の場合、精子は次々に作られますが、卵胞は新しく作られません。女性は、約200万個の卵胞を持って産まれてきます。そして生殖年齢になる頃には、20~30万個まで減少します。年齢と共に、毎月1000個ほどの卵胞が減少していき、40歳になる頃には数千個まで減少してしまいます。

40歳を過ぎると、卵子の質が低下するだけではなく、その数も大きく減少しています。質だけではなく、数も妊娠確率が低くなる原因になります。

40歳の妊娠確率の低さの中に忍んでいるリスク

40歳以降で妊娠できた場合には、さまざまなリスクも伴います。妊活を行う場合は、リスクも考えて夫婦でよく話し合いましょう。

40歳は流産リスクが一番高くなる

40代は、流産をしてしまう確率が最も高くなります。流産は、健康な若い方でもおこる可能性はありますが、年齢が上がるにつれてリスクも高くなります。20代~30代前半の流産の確率は10%ほど、35歳過ぎると20%ほどですが、40代では40%ほどに一気に上がります。

流産確率が高くなる原因として、子宮環境の悪化と卵子の質の低下で、染色体異常をおこすことが考えられます。胎児をお腹の中で守りながら、成長させてあげる力が弱くなってしまうことが、おもな原因に挙げられます。妊娠前から、少しでも質のよい卵子にするため、食事内容や生活習慣には十分注意しましょう。

障害児の出生率が高くなる

40歳を過ぎると、質のよくない卵子ができることによって卵子が傷つき、受精卵が染色体異常を起こす可能性が高くなってしまいます。流産のおもな原因が染色体異常といわれていますが、流産せずに妊娠を継続できたとしても、生まれてくる赤ちゃんが、ダウン症などの障害がある可能性が高くなります。

現在では35歳以上の妊婦には、病院から染色体異常の検査の説明があり、出生前診断を受けることも可能です。

40歳からでもできる妊娠確率を上げる方法

確率が低くても、40歳からでも妊娠を望む方も多くいます。まずは、自分の体調管理を万全に行うことから始めましょう。

生活習慣や食生活を見直す

40歳を過ぎると妊娠確率は低くなりますが、妊娠確率を上げるためには、自身の体調を優れた状態に整えることが基本です。食生活をバランス良くして野菜もたくさん摂り、睡眠も十分に取りましょう。また、葉酸サプリを摂ることもおすすめです。喫煙は精子卵子ともに、大きなダメージを与えます。

さらに、ストレスはホルモンバランスが大きく乱れます。軽めの運動をまめに行い、ゆっくりお風呂につかることで、血行も良くなりストレスが緩和されます。良質な卵子は妊娠確率を上げて、流産リスクを下げます。40歳から妊娠を望むなら、ぜひ体調を万全に整えましょう。

夫婦で思いやり仲良く過ごす

妊活では、女性だけが悩むことが多いですが、男性の協力は必須です。夫婦で日頃から話し合える、よい関係性を築くことはとても大切です。夫婦がスキンシップを十分に取り、豊かな夫婦生活を送っていれば、40歳からでも妊娠確率をあげることは望めます。

お互いを思いやり、仲良く日々を過ごすことで、日常のストレスも緩和されます。毎日たくさん話をし、よい夫婦関係を築きましょう。また、男性の精子の質も、妊娠には大きく影響してきます。したがって、夫婦で健康的な生活を送ることが大切です。

40歳の妊娠確率は低下傾向だが前向きに妊活へ取り組もう

確率でいえば、40歳になり妊娠して出産することは、とても難しい傾向にあります。しかし、近年は高齢でも出産を望む方が増えてきました。また、生殖補助医療を行える医院も、徐々に増加してきています。

妊娠を望む場合は、規則正しい生活習慣や食生活、そして良好な夫婦関係がもっとも重要です。そして、妊娠を望んだら早めに専門医にかかり、自分の体の状態を把握することも大切です。妊娠確率の変化についても、男性は知らない場合がほとんどです。一度、夫婦でゆっくりと話をしてみましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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