2018.07.05

42歳でも妊娠は可能?リスクと妊娠率を知って確実に妊活しよう

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晩婚化に伴い、妊娠・出産する人も年齢的に高くなってきました。一般的には35歳から高齢出産といわれていますが、42歳ともなると妊娠する確率やリスクなどは、どのくらいなのか気になるところです。妊活を始めるにあたり、必要な知識を学びましょう。

42歳は妊娠率が低下しリスクが伴う

仕事をバリバリしてきた人は、晩婚になりやすいといわれていますが、結婚して子供が欲しいタイミングがどうしても遅くなってしまいます。また、20代の頃に結婚していても、まだ子供のことを考えられなかったという人もいたでしょう。気がついたら42歳になり、子供が欲しいと思ったときに、自然妊娠できる確率は、どのくないなのでしょうか。

今回は、自然妊娠をするタイミングや、そのほかに人工授精と体外受精の方法もご紹介していきます。42歳での妊娠を成功するために、さまざまな知識を勉強していきましょう。

42歳で妊活をはじめる前に知っておくこと

「早速妊活を」という前に、42歳という年齢で妊娠するということは、どういうことなのかを知っておく必要があります。20代の頃に比べて、体も変わってきているのです。

42歳での妊娠の確率は1%弱

卵子の数は、生まれたときからすでに数は決まっているため、増えるということはありません。卵子が元気なのは20代がピークで、自然妊娠する確率は20?25%といわれています。40歳では5%以下になり、42歳では約1%という結果が出ているのです。

そのため、20代のピークから比べると、加齢により卵子の質が低下していき、妊娠する確率がどんどん下がってしまいます。20代の自然妊娠の確率が、意外に少ないことにも驚きますが、40代ではさらに1%とという確率というのは、かなり低いということがわかるでしょう。

流産の可能性がある

年齢とともに妊娠の確率が低くなり、染色体異常や卵子の老化によって、流産の確率も高くなります。そのため、すべての妊娠者に対しての流産の確率は10?15%となり、35歳以上になると20%も高くなってしまうのです。

また、妊娠前に持病で高血圧や子宮内の病気、自律神経系の病気や糖尿病を持っている人は、流産しやすくなるというデータが出ています。

42歳の妊娠のリスクを知っておこう

高齢出産には、どのようなリスクがあるのでしょうか。知識を学び万が一のときでも、慌てないようにすることが大切です。

ダウン症の可能性が高まる

せっかく大変な思いをして妊娠しても、54分の1の確率で染色体異常が起こるため、ダウン症児の出生率が約60人に1人という高い割合になってしまいます。

ダウン症児を出産した人もたくさんいます。しかし、ダウン症の人は、40歳を過ぎるとアルツハイマーを発症しやすく、心臓や内臓など、なにかしらの病気にかかりやすくなるというリスクが出てくるのです。いざ自分の赤ちゃんが、ダウン症と診断されたときに、よく考えておく必要があるでしょう。

妊娠中毒症を起こしやすい

加齢とともに、糖尿病や高血圧のリスクが高くなり、合併症を引き起こすために「妊娠中毒症」にかかりやすくなります。妊娠中毒症とは血圧が高くなり、尿タンパクが通常よりも多くなってしまうことをいいます。

症状としては、吐き気や目のちらつきなどが現れます。放置しておくと、胎児の発育不全や母親の脳出血などが起こる可能性があるので、早期発見が必要になるでしょう。ちなみに、現在は「妊娠高血圧症候群」と呼ばれています。

流産率が高くなる

20代の流産になる確率は、10%と低いのですが、40代になると妊娠の確率が低くなります。さらに、妊娠したとしても流産の可能性が40%以上で、45歳になると50%に上がってしまいます。

このような厳しいデータが出ているため、無事に出産するまでは長い道のりとなるでしょう。

42歳からの不妊治療について

40歳を超えてから妊娠を望むのであれば、不妊治療も視野に入れてみましょう。自然妊娠できなくても、まだ妊娠できる望みがあります。

自然妊娠を望むならタイミング法

排卵や卵子または精子の状態が良好で、子宮に異常がない場合、女性は閉経するまでは、誰でも妊娠できる可能性があります。基礎体温を測り、しっかりと生理日がわかるようにチェックしていきましょう。

正しい生理がきているのであれば、排卵する2日前が妊娠しやすいといわれています。排卵するのは、生理がくる約2週間前になります。このタイミング法でも自然妊娠できない場合は、排卵誘発剤を使用するときもあるようです。

人工授精にステップアップする

人工授精は、主に精子やフーナーテストに問題がある場合に、精子を採取して人工的に子宮に入れる方法です。フーナーテストとは、性交渉を行ったあとに精子の数や運動状況、子宮にきちんと入っていけるかなど、初期段階のテストです。

人工授精は、排卵日が当日か前日かのタイミングで、医師が子宮内に精子を注入するのです。あとは、自然妊娠と同じような方法になり、妊娠をするのを待つだけです。しかし、人工授精で成功した人の90%は、4?6回くらいが目安とされていて、それ以上になると体外受精を視野に入れたほうがよいでしょう。

体外受精にステップアップする

体外受精とは、体外で人工的に卵子に精子をふりかけて受精させ、ある程度培養させて育った受精卵を、子宮に戻す方法です。確実に受精させられるため、自然妊娠できない人の多くは、体外受精を希望する人も増えています。女性だけでなく、男性の精子が弱っているときにも有効となるのです。

しかし、女性の卵子の状態が非常に重要で、卵子が未熟なほど、培養課程でうまくいかなかったり、着床しにくくなったりします。そのため、健康な卵子を作るために、薬の服用の必要なときがあります。しかし、体外受精の一番の難関は、受精卵を育てることが、非常に難しいということも知っておきましょう。

最終的には顕微授精をおこなう

体外受精とほぼ同じですが、受精させるときに人工的に卵子の中に精子を入れて、受精させる方法があります。体外受精との違いは、多くの精子を送り込むということではなく、一つの精子を人の手で卵子に送り込むということです。

細い針を使用して、卵子の殻を破ってあげるため、精子が自力で殻を破らなくても入れます。しかし、細い針で卵子の殻を破るため、卵子が割れてしまうリスクもあるということを知っておきましょう。

42歳の妊娠の不安の解決法

高齢出産には、さまざまな不安が付きまとうものです。しかし、あまりにも悩みすぎてしまうのは、精神的にもよくないので、しっかりとした解決法を、自分なりに持っておくことも大切です。

不妊治療を視野に入れておく

やはり、自然妊娠が一番望ましいことだと思っていても、なかなか妊娠できなければ焦ってしまいます。期待する分だけ、落ち込みやすくなってしまうため、自然妊娠が難しい場合は、不妊治療を考えてみることも一つの手でしょう。

しかし、時間とお金がかかってしまうことも、大きな負担になってしまいます。そのため、一人で悩まずにセカンドオピニオンを検討するか、パートナーに相談してみてはいかがでしょうか。

高齢出産の不安を取り除いておく

高齢出産には、さまざまなリスクがあるということを把握すると、自分の体力の衰えなどに、不安が募ることは当たり前のことです。なかなか妊娠できずに焦ってしまうことも多いかもしれませんが、元気なお子さんを生んでいる40代の人も多いため、産科医とよく相談することをおすすめします。

妊娠できなかった場合も考えておく

年齢が高くなれば不妊治療の成果も出づらくなり、流産率も上がるため、期待しすぎないことも大切です。年齢が上がるにつれて、女性は誰でも閉経を迎え、閉経の10年前になると妊娠はしづらくなるといわれています。

したがって、40代くらいから妊娠の確率が低くなることは、仕方がないことです。万が一、妊娠できなかった場合のことを考えておくことも、自分の体にとってはよいことなのかもしれません。

42歳で妊活をする前にできること

妊活をするために、自分の環境をよくすることが最優先です。40歳以上になると、万全な健康管理で妊活を始めることで、より健康な赤ちゃんを迎えられるかもしれません。

婦人科系の疾患を治癒させる

不妊の原因となる子宮内膜症を合併したり、過去に骨盤腹膜炎などにかかったりしたことがある人は、妊娠しにくいということがわかっています。したがって、早いうちから婦人科系の疾患の治療に、専念しておくことが基本です。

また、女性は子宮筋腫になりやすいといわれていますが、発症すると着床しにくくなってしまうため、注意が必要です。したがって、30歳から定期的に婦人科検診を受けることをおすすめします。

生活習慣を整える

ホルモンバランスが妊娠に大きく影響するため、普段からイライラしやすい人は子宮環境もよくありません。極度のストレスやダイエットなどによる、卵巣機能低下も原因になるので、しっかりと生活習慣を整えることが大切です。

栄養面でも、インスタント食品やスナック類は控えるようにし、バランスのよい食事を心がけて、運動なども取り入れるようにしましょう。

不妊検査を受ける

なかなか妊娠が望めなかった場合は、パートナーと協力しあって、男性側と女性側の不妊検査を受けておいたほうがよいでしょう。不妊治療の前に不妊の原因や、妊娠可能かどうかを知っておくことも大切です。原因を知ることで、今後の対策なども考えられるでしょう。

葉酸を摂取しておく

葉酸は緑黄色野菜や豆類、レバーなどに多く含まれるビタミンB群の一種です。子宮内のベッドを整えてくれる、大切な働きがあります。しかし、葉酸は水溶性なので体内にためておくことができないため、毎日摂取しなくてはなりません。

葉酸を摂取することで、先天性異常の確率が70%低下したり、ダウン症児の出生率が低くなったりするといわれています。積極的に葉酸を食事で摂るようにし、補えなかった分をサプリで摂るようにしましょう。妊娠がわかってから葉酸を摂る人がいますが、なるべく妊娠を望んだときから葉酸を摂取し、赤ちゃんの発育に必要な栄養を与えてあげましょう。

基礎体温をつける

基礎体温で排卵日や妊娠がわかるため、体が安定している状態のときに測るようにしましょう。月経など、女性ホルモンのバランスなどがわかり、妊娠しやすい日などがわかります。測り方は、なるべく朝起きたときに測るようにし、できるだけ動かない状態で毎朝測っていきます。

毎日測った体温を折れ線グラフにしていき、生理日スタートから始めてください。2?3カ月続けることで、低温期や高温期がわかり、低温期が妊娠しやすい時期となるのです。

パートナーとよく話し合っておく

不妊治療を受けるかどうかは、自分一人の問題ではありません。また、時間とお金もかかってくるため、パートナーとの相談も必要になります。不妊検査などは、パートナーも受けておいたほうがよいですが、無理やり連れて行くということもあまりよくないでしょう。

高齢出産でも、将来的に子供ができることを本当に望んでいるかどうかを、しっかりと話し合っておかなければならないのです。パートナーの協力なしに、妊娠することは難しいでしょう。

42歳の妊娠は可能だがリスクが伴う

閉経するまで、妊娠は可能です。しかし、さまざまなリスクが伴い、体力的にも精神的にもつらいことが襲いかかってくるかもしれません。高齢出産を成功した人たちもたくさんいるので、リスクを伴う覚悟ができていれば、妊活も苦痛と思わないかもしれません。

晩婚時代といわれるようになって高齢出産する人も多くなり、昔よりも医療が発達してきていることも事実です。しかし、不妊治療ばかりに専念して、自分の生活がおろそかにならないようにしましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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