2018.08.07

【46歳で妊娠したいと思ったとき】知っておきたいリスクと知識

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高齢での妊娠の確率やリスクをまとめることで、きちんと理解しリスクを下げることにもつながります。また、妊娠しやすい体つくりを行うことで高齢でも妊娠の確立をあげることができます。事前にきちんとした知識を身につけるようにしましょう。

46歳での妊娠そして出産は望めるものなのか

女性も社会で活躍する現代、晩婚化が進み女性の妊娠時期が遅くなってきている傾向があります。しかし、女性はいくつになっても女として母親として子供が欲しいと思うことは当たり前のことです。35歳以上の高齢出産は35歳未満の出産に比べ、母体や赤ちゃんに与えてしまう影響が大きいといわれていますが、妊娠できないわけではありません。

すべての方に高齢出産のリスクがあるわけではありませんが、妊娠を考えたときには知識をしっかりと見につけておくことが重要です。

46歳の妊娠はどれくらい可能性があるのか

昭和の時代に比べ、いまは高齢での出産人数が約10倍に増えています。詳しいデータをもとに46歳での出産の可能性についてまとめてみました。

40代での出産のデータをみてみよう

近年の40代で妊娠出産をしている人のデータ厚生労働省で調べてみると、30代に比べて人数は格段に減っていました。また、初産と2人目以降でも人数に差が出てきます。

厚生労働省の人口動態調査では全体の約6%

平成28年の厚生労働省の人口動態調査で母の年齢出生別にみた出生数では、出生総数は976,978人に対して、40~44歳の出生数は53,474人、45~50歳の出生数は1,350人、50歳以上の出生数は51人と記録されています。40歳以上の出生率は全体の約6%の割合になっています。

45歳以上では全体の約1%

その中でも、45歳~50歳の出生率は全体の約1%と非常に少ない割合となっています。数字だけでみると高齢出産に不安が高まりますが、この数字は多くの人がある程度の年齢までに出産を終えている中で、1,350人もの人が出産をしているということになります。

前年比では40代以降の出生数は上がっている

前年よりは40代以降の出産は1,256人~1,350人と1,061人と出生数は上がってきています。その反対に40歳未満の出生数は減少傾向にあります。15歳~19歳は-841人、20歳~24歳は-2,292人、25歳~29歳は-11,617人、30歳~34歳は-9,959人、35歳~39歳は-5,006人と数千人規模で減少しているのが分かります。

自然妊娠する可能性をさぐろう

妊娠は若いからといって必ずしも自然妊娠できるとも限りません。自然妊娠には年齢以上に男女共に身体的な条件が揃い、排卵のタイミングが合わなければなりません。

自然妊娠の可能性は20代でも30%以下

年齢を増すと自然妊娠の確立が低くなることは、多くの方が知っていると思いますが、若いからといって必ずしも自然妊娠できるわけではありません。子宮の異常やパートナーとの身体的条件、排卵のタイミング以外にも最近では生活習慣の乱れなども少なからず影響していると考えられます。その結果、20代でも自然妊娠の確立は30%以下と決して高くない数字となっています。

体外受精のみで妊娠を目指すのは誤った認識

高齢出産になると自然妊娠が難しくなるといわれているのは年齢がかさむにつれてホルモンバランスなどの影響で正常な卵子がきちんと排卵される可能性が少なくなってきているのです。その結果、性行為の回数も減ってしまうことから妊娠する確率がさがってしまい、自然妊娠しずらくなるということです。

高齢だからこそ回数増やせば確率が上がる

高齢になり、なかなか自然妊娠せず体外受精などの方法に至ると思います。しかし、高齢だからこそ排卵日をしっかりと確認し、毎週期ごとにタイミング法などを利用することで自然妊娠する確率も高くなります。また、人工授精の場合も同じである程度回数を重ねることがとても重要なことです。

46歳での妊娠は高齢出産としての心構えを

妊娠出産はハイリスクなことばかりで、元気に赤ちゃんが生まれてくることが当たり前ではありません。だからこそ、46歳での妊娠は精神的にも肉体的にも安易なものではないので、高齢出産であることを理解しましょう。

高齢出産の定義は35歳以上での初産

世界保健機構(WHO)の定義に基づき日本産婦人科学会によって平成3年から35歳以上での初産婦を高齢出産と新たに定められました。それ以前は30歳以上が高齢出産とされていました。

世界保健機構(WHO)の定義では第2子以降の35歳以上での出産は高齢出産とは定められていませんが、世間の認識としては高齢出産と認識される傾向にあります。

高齢出産にともなうリスク

高齢での出産はいずれの妊娠の方法に限らず、ホルモンの影響や体力等の影響でリスクが伴います。だからといって妊娠を諦めることはなく、リスクについての知識をきちんと身につけておくことが大切です。

流産の可能性が高くなる

流産は妊娠22週までに胎児が何らかの影響で死亡してしまうことです。年齢がかさむにつれ、流産の可能性も高くなってしまいます。また、45歳を超えると流産の確立はおよそ半部の50%になるといわれています。高齢になると妊娠すること自体、難しくなるのですが妊娠できた場合でも流産してしまう恐れがあるのでしっかりと認識しておくことが重要です。

染色体異常によるダウン症発症率が高くなる

高齢での出産となると染色体異常によるダウン症の発症率が高くなってしまいます。卵子と精子のどちらにも異常があると染色体異常の影響が出やすいのですが、とくに卵子のほうが質が下がってしまい、異常があると胎児に影響が出やすいとされています。

妊娠高血圧症候群の発症率が高くなる

高齢出産では妊娠高血圧症候群の発症率が高くなります。妊娠高血圧症候群は妊娠中毒症とよばれるもので、高血圧、尿たんぱく、むくみをほおっておくことで胎児の発育に影響を及ぼしてしまうことです。

重症化すると母体の腎臓や肝臓に影響を及ぼしてしまうこともあり、40歳以上で肥満型の初産の方に多く、糖尿病や甲状腺機能障害などの合併症を発症してしまうことがあります。

46歳で妊娠するためにできること

高齢だからといって妊娠を諦めることはありません。高齢だからこそ妊娠しやすい身体をつくるために、できることを行いましょう。

妊娠しやすい体質をつくる

何歳の妊娠であっても、妊娠を望む場合は妊娠しやすい体質をつくることは非常に大切です。今日からでもできることが必ずあります。

バランス良い食生活でホルモン分泌を正常に

45歳を超えると閉経に近づき、ホルモンバランスが崩れてしまうことがあります。その結果、更年期障害となり体の火照りやイライラしやすくなります。ですが、バランスの良い食生活を心がけることでホルモンの分泌を正常にすることも可能なので妊娠しやすい身体へ近づくために意識して行うようにしましょう。

高たんぱく低糖質の食事を基本に

たんぱく質は妊娠するにはとても重要な栄養素です。健康のためにと朝ごはんはフルーツやスムージーなどで済ましたり食事を野菜中心とした食事に偏ったり、たんぱく質を肉や魚からではなく大豆製品などから摂取していると十分なたんぱく質が摂取できていません。

そうすると、排卵障害になってしまったりと妊娠しづらい身体になってしまうので、妊娠を望む場合は高たんぱく低糖質の食事を心がけましょう。また、植物性たんぱく質よりも動物性たんぱく質の方が吸収率が良いです。

子宮をあたためる生活

身体を冷やさないことと同じで子宮をあたためることも大切です。子宮をあたためると受精した卵をあたためることが可能です。逆に冷えているとせっかく受精した卵を受け止めることができないことがあります。

冷たい飲み物はもちろん、カフェイン入りの飲み物は控えるようにしましょう。白湯やハーブティーなどは子宮をあたためてくれる効果があります。またはきちんと湯船につかることや適度な運動を行うことも重要です。

サプリを活用する

妊娠すると積極的に葉酸を摂取するようにすることはご存知の方も多いと思います。それは葉酸の成分が胎児の先天性の疾患を予防してくれるからです。

ですが、妊娠を望んでいる人にも葉酸の摂取は効果的です。葉酸が体内の血行を高めてくれることで着床しやすい身体へと導いてくれます。

また、葉酸は高齢出産でのハイリスクとなるダウン症の発症を防いでくれる効果もあります。なので、妊活中の方は積極的に葉酸サプリなどを摂取するようにしましょう。

ストレスを軽減する生活を心がける

ストレスが上手く解消できていないと心に余裕ができません。また、体を休めストレスを軽減することで脳が緩み、全身の血流の流れが良くなります。そうすると心に余裕ができるだけでなく全身が緩み血行が良くなることで子宮も自然とあたたかくなります。日頃からストレスを溜めない生活を心がけるようにしましょう。

46歳の妊娠には不妊治療への理解と準備を

46歳での妊娠は不妊治療等への考えがでてくると思います。そのときのために人工授精や体外受精などの費用や国や自治体からの補助金の年齢制限や回数の上限など上手くいかないこともあると思います。

人工授精などの費用の目安は平均で200万円。補助金は44歳までと定められているようです。長期戦になることへの心構えや流産などのリスク、夫婦共のメンタル面のケアなども妊娠するにはとても重要なことなので自分だけでなく、パートナーとしっかり話し合いましょう。

大切なのはリスクを理解し準備をしっかりとすること

高齢だからこそ母子ともの負担を軽くするために事前にリスクをきちんと理解し、準備することが大切です。また、赤ちゃんは女性の体の中で育ちますが、万が一のリスクや障害も女性ひとりの問題ではありません。

パートナーともリスクを理解しあい、お互いの意見をきちんと伝えることが大切です。高齢だからと言って妊娠を諦めることはありません。無事、出産まで終えるためにきちんとした知識を身に着けておきましょう。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

妊活部編集スタッフです。妊活に関するお悩みを解決するためのサポートをします。最新情報から妊活にまつわる情報を提供します。