2018.08.07

hCG注射で排卵が起きる仕組みを知ろう。排卵日やタイミング日とは

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不妊治療としてhCG注射をすることがあります。hCG注射をすると、妊娠する確率が20%ほどだといわれています。妊娠率をあげるために、hCG注射を打つタイミングや排卵日、hCG注射によって妊娠するタイミングを具体的に理解しておきましょう。

hCG注射で排卵を起こす

妊娠したいけれどなかなか妊娠しない場合は、不妊治療を行うことで妊娠率を高められます。不妊治療では、高い効果があるhCG注射が用いられることがありますが、hCG注射といってもよくわからないという方が多いと思います。

この記事では、不妊治療でhCG注射をすすめられた方や、これからhCG注射をしようと思っている方、知識として知りたい方などに、hCG注射が何であるのか、どのような作用をするのか、いつ打つのかなどの情報をお知らせしたいと思います。

hCG注射はどんな注射か

hCG注射とは、不妊治療に使われる排卵誘発剤のひとつで、排卵を促す目的で使用されます。hCG注射がどのようなものなのか、何に使われるのかなどを知っておきましょう。

hCGは妊娠時に分泌される糖たんぱく質

hCGとは、「絨毛性性腺刺激ホルモン」のことで、妊娠すると増えてくる糖タンパク質です。胎児の胎盤の一部で作られ、妊娠に必要な卵胞ホルモンや、黄体ホルモンの分泌を促します。hCGは、下垂体から分泌されている黄体化ホルモンと同じ働きを持ちます。

一般に、黄体形成ホルモンの分泌が増えると、卵巣を刺激して卵胞から卵子が飛びだし、排卵がおこります。それと同様の働きをhCGがしています。しかし、7%の人は基礎体温が上昇していても、卵胞から排卵が起こらないことがあります。これを、黄体化未破裂卵胞(LUF)といいます。

hCG注射は不妊治療に使われる

hCG注射は、人工的にhCGを注射薬にしたもので、排卵障害の女性や、妊娠しにくい女性の不妊治療として使われます。不妊治療では、まずはタイミング療法によって自然妊娠を試みます。それで難しい場合は、人工授精を行い、それでも難しい場合は体外受精となります。

hCG注射はタイミング療法だけでなく、体外受精で良質な卵子をとるときにも用います。ただし、不妊治療には有効な薬ですが、副作用もある注射薬なので注意が必要です。

hCG注射で排卵を誘発する

卵子が受精するためには、質のよい卵子になる必要があります。そのため、卵胞が成熟した卵子が受精することで、子宮内膜に着床し、根を下ろして受精卵が育つのです。しかし、卵胞が育っているのに、hCGの分泌が少ないために排卵がしにくい場合があります。

そのため、人工的にhCG注射を使って、卵胞は育っているものの、排卵しない場合に排卵を促します。また、排卵しても排卵日が特定しにくく、タイミングが取りにくい女性や、早期に妊娠を希望する女性にも使われます。

hCG注射で黄体ホルモンを補う

hCG注射は、黄体ホルモンを補う働きもするので、排卵を促すときと妊娠を継続させるために、再度hCG注射をします。つまり、黄体ホルモンに異常がある場合や黄体機能不全の場合は、受精卵が着床したとしてもすぐにはがれやすいので、妊娠を続けていくことが難しくなります。

その場合、hCG注射を打つことで黄体ホルモンを補うことができるので、引き続き妊娠を継続できます。黄体ホルモンの補充がきちんとなされているかを見るためには、採血をして定期的に調べます。hCG注射は、黄体ホルモンを補充するために、妊娠が確定するまでだけでなく、その後も引き続き行います。

排卵を誘発のためhCG注射はいつ打つのか

排卵を誘発するために、hCG注射をいつでも打てるというわけではありません。hCG注射薬を打つタイミングには、排卵周期が関係しています。その時期について調べてみましょう。

いつでも打てるわけではない

hCG注射は排卵の時期が特定できるので、タイミングを合わせやすく、妊娠につながりやすいです。しかし、いつでも好きなときに打てるわけではありません。

なぜなら排卵日は、基礎体温が低温期から急に高温期に上がるときです。それは、自分が好きなときに排卵を起こすことができないからです。

排卵周期に合わせる

hCG注射薬は、人によって排卵周期が異なるので、各人の排卵周期に合わせて打つ必要があります。受精するための卵子がない状態で、hcg注射を打ったとしても無意味なのです。

排卵は、1カ月に1度しかなく、28日周期の人もいれば30日周期の人もいます。排卵周期を見るためには、周期を見るために通院する必要があります。

卵胞が成長してからhCG注射を打つ

hCG注射をするためには、卵胞が十分に成長してから排卵させないと意味がありません。なぜなら、卵子は卵胞の中に沢山あって、次第に成熟するので、卵胞が成長していないときにhCG注射をしても授精卵になれないからです。

黄体機能不全や排卵障害の場合は、卵胞を育つように経口薬のクロミッドやセキソビット、またhmg注射薬を用いて卵胞を十分に成長させ、そしてhCG注射薬を用いて排卵を促す場合もあります。

超音波でチェックして医師が判断する

hCG注射は、超音波で卵胞の成長具合を確認してから、医師が注射を打つタイミングを決めます。排卵周期に卵胞の中で十分に成長した卵子は、排卵して精子を授精し、着床しても妊娠を継続しやすいです。

そのため、注射を打つ時期は、超音波で卵胞をチェックしてから決定されます。

hCG注射でいつ妊娠できるのか

hCG注射を打った後の排卵はいつか、夫婦でタイミングを取る日はいつがいいのかを知り、夫婦でうまくタイミングを取りましょう。

hCG注射後24時間から36時間後

hCG注射を打ってから24時間から36時間、つまり1~1日半の間が排卵がおきるときです。hCG注射をすると、黄体形成ホルモンが急増して分泌します。

すると、卵胞が破裂して卵子が卵管に飛び出し、排卵がおこります。その卵子が精子を授精して、受精卵となることで妊娠につながります。

性交渉のタイミングはhCG注射前日から翌日

精子が生きている日数が2~3日に対し、卵子が生きている日数は、丸1日かもっと短い時間です。そのため、排卵日には精子が卵管にいる必要があります。性交渉のタイミングはhCG注射をする前日、注射当日、注射翌日がいい時期だといえます。

hCG注射をして、LHが分泌されると排卵します。それより前に性交渉を行うことで、精子が待っている所に卵子が飛び出すので、うまく授精する可能性が高いです。

医師に相談するのがおすすめ

hCG注射は、排卵障害の人や妊娠しにくい人、早期に妊娠したい人の不妊治療に用いられる排卵誘発剤です。hCG注射をすると、排卵がおきやすく排卵日が特定できるので、夫婦でタイミングを取りやすくなります。

しかし、効果が高い反面、卵巣過剰刺激症候群や多胎妊娠などの副作用があるので、医師と相談のうえでhCG注射をすることをおすすめします。

妊活部編集スタッフ
この記事のライター 妊活部編集スタッフ

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