妊活中の女性にとって着床出血があると、すぐにでも妊娠検査薬を使って確認したくなりますよね。しかし、早すぎると妊娠していても陰性がでるときがあります。妊娠検査薬には適切な使用時期があるので、使い方を理解して妊娠をいち早く確認しましょう。
妊活をしていると、着床出血があれば、すぐにでも妊娠しているかどうかを確認したくなりますよね。しかし、ここですぐに妊娠検査薬で検査をして、結果が陰性になってしまい、なぜだろうと疑問に思っている人はいませんか。
今回は、着床出血の基礎知識や、着床出血をしたあとで陰性反応が出る理由について、くわしく解説します。正しい知識を身につけて、適切に対応していきましょう。
着床出血とは、受精卵が子宮内膜に着床した際にできる傷による微量の出血のことです。排卵日1週間後から次の生理開始予定日までの間に起こることが多いようです。着床出血に関して、確認していきましょう。
着床出血とは、受精卵が子宮内膜に着床するときに、絨毛という根をはりますが、その根をはるときに、子宮内膜を傷つけてしまった際にでる出血のことです。
この出血は、誰にでも起こる症状ではなく、もしあったとしても少量のため、気が付かない人も多いです。
着床出血は、着床する際の傷による出血のことですが、それでは受精卵が着床するのはいつなのでしょうか?受精卵は卵管を通って、5日から7日かけて子宮へ到達します。そして、子宮内膜に根をおろし着床します。
卵子が生存できるのは、約24時間と考えられているため、排卵日に受精するとして、その1週間後から生理開始予定日あたりまでの間に着床することが多く、その時期に着床出血は起こります。
着床出血は、誰にでも起こる症状ではなく、着床出血がない人や気が付かない人のほうが多いです。着床出血があるのは全体の1~2%と考えられています。
したがって、妊娠していても、すべての人に着床出血が起こるわけではありません。着床出血がないからといって、ただ待っていると妊娠の合図を見逃すことになりかねません。
着床出血と、そのほかの不正出血を見分けることは極めて難しいことです。生理の出血なら、基礎体温が低温期に入ることでわかりますが、自分では判断できないものもあります。ここでは、着床出血をしたのに陰性反応がでる理由をみていきましょう。
着床出血はほとんどの場合、排卵日~約1週間後から、生理開始予定日の間に起こることが多いです。このことから、日頃、生理周期が不規則な人や、そのときの体調で排卵日がずれている場合、生理の出血の時期にかかってしまうこともあり、見分けることは難しくなります。
生理の出血の場合、出血すると基礎体温は低温期になり、妊娠検査薬は陰性を示します。
着床出血があり、妊娠検査薬にも陽性の反応がでて、産婦人科に行ってみたところ、エコーで見ても胎嚢を確認できないということがあります。そこで初めて着床出血ではなく、子宮外妊娠での不正出血だったことが判明したというケースも。このような場合も、妊娠検査薬には陽性反応がでます。
子宮外妊娠での不正出血は、着床出血の時期とほぼ同じ時期に起こることが多く、見分けることは困難です。妊娠検査薬で陽性反応がでたら、正常妊娠であることを確認するためにも、早めに産婦人科で受診しましょう。
化学流産の場合は、受精卵が子宮内膜に着床したけれど発育せずに、その後出血が起きて、流産してしまうことをいいます。この場合、着床出血があったときに、陽性反応はでます。
しかし、生理日あたりに出血があり、その後、陰性になります。化学流産の原因は、受精卵の染色体異常なので防ぐことはできません。
日本で市販されている妊娠検査薬は、とても精度が高く誤判定はあまりありません。しかし、妊娠検査薬は、ホルモン濃度を測定して判定しているので、ホルモンの分泌が十分でない時期に測定すると、正しい判定は得られません。
一般的な妊娠検査薬は、生理開始予定日の1週間後から、測定できるものが多いです。しかし現在、日本で売られている妊娠検査薬は精度がよく、それより少し早めに測定しても反応がでることがあるようです。
妊娠検査薬は、正しい時期に測定することで、正しい判定を得ることができます。
受精卵が着床すると、卵巣から「hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)」という、妊娠を継続するために体を整えるホルモンが分泌され始めます。このhCGホルモンの量を測定することで、妊娠の判定が出るようになっています。
このホルモンは、着床後に徐々に分泌量を増やし、生理開始予定日から1週間後あたりに、その分泌量が50mIU/mlを超えることで、妊娠検査薬に反応を示します。
妊活をしている女性なら、着床出血があると、すぐに妊娠しているかどうか確かめたくなるものですよね。しかし、着床出血のあとすぐに妊娠検査薬を使用すると、実際に受精卵が子宮内膜に着床していても、hCGホルモンの分泌が不十分で、妊娠検査薬には陰性がでます。
このときには再度、生理開始予定日の1週間後以降に検査すると、正しい検査結果が得られます。
妊娠しているかどうかを早く確認したい人には、早期妊娠検査薬があります。これは、通常の妊娠検査薬よりも半分の濃度のhCGホルモンで反応するため、分泌量が少ない時期でも確認できるのです。
しかし、病院での検査にしろ通常の検査薬にしろ、生理開始予定日の1週間後以降に検査することで、より正確な妊娠反応を確認できます。
どれだけ精度のよい妊娠検査薬でも、使い方を間違えれば正しい結果は得られません。よって、hCGホルモンの分泌量が、十分な時期に検査しましょう。また、不妊治療でhCG注射を使用しているときは、注意が必要です。
日本で市販されている妊娠検査薬は、とても精度がよいです。しかし、ホルモンバランスの乱れからhCGホルモンの分泌が少なかったり、もともとの分泌量が少なかったりした場合は、陰性になります。
そういった場合は、産婦人科に行って確認してもらうとよいでしょう。
不妊治療の際に排卵を誘発したり、黄体ホルモンを補うために、hCGホルモンを注射したりすることがあります。そうすると、尿中のhCG濃度が上がっているので、妊娠していなくても陽性の反応がでることがあります。
この場合は、産婦人科に行って、超音波検査で妊娠の確認をすることになります。
妊娠検査薬で正しい反応を得るためには、hCGホルモンの尿中濃度が上がる、生理開始予定日の1週間後以降に検査すると確実です。hCGホルモンの濃度が上がるスピードは、人によって違いますが、正確な結果が欲しいのであれば、時期を守って検査しましょう。
着床出血があったからといって、すぐに検査をすると、妊娠していても尿中のhCG濃度が上がっておらず、陰性がでることがあるため、注意が必要です。