近年、広く浸透してきているヨガですが妊活に効果的といわれるポーズがたくさんあります。
ヨガは、ゆったりと行う呼吸と動作でリラックス効果が高く、血行促進効果で子宮の働きを活性化します。
より妊娠しやすい体づくりに、ぜひ役立ててみてください。
呼吸の方法には主に二種類あり、わたしたちが普段自然に行っている胸式呼吸と、腹式呼吸があります。
胸式呼吸の特徴は浅く短い呼吸で交感神経(自律神経)を刺激して、適度な緊張感を体に与えてくれます。
腹式呼吸の特徴は、深く長い呼吸で副交感神経(自律神経)を刺激し、筋肉を和らげて体がリラックスしやすい状態を作ります。
さらに腹式呼吸を意識することで、多くの酸素を体内に取り込めるようになります。
多くの酸素を取り込めるということは血液の循環がよくなって代謝が上がり、子宮の活性化にもつながります。
まず背筋を伸ばして鼻から息を深く吸い込みます。
このときに酸素をたくさん取り入れるイメージをしてお腹を膨らませることがポイントです。
お腹がめいっぱい膨らんだら、ゆっくりと口から息を吐きます。
吸うときの倍の時間をかけて吐き出してください。
これを繰り返します。
はじめは1日の中で気が付いたときに腹式呼吸を意識して行っていけば、自然とできるようになります。
骨盤が覆っている下腹部には子宮や卵巣といった妊活において大切な臓器がたくさんあります。
骨盤が歪んでいたり筋肉が硬くなっていると血管も硬くなり、血液の巡りが悪くなってしまいます。
そうすると子宮や卵巣の活性化を妨げてしまい、妊娠力の低下につながります。
また生理痛や生理不順の原因にもなるため骨盤の中の血の巡りをよくすることは、女性にとって大変重要です。
冷えは女性の大敵とよくいいますが、骨盤周りはとくに冷やさないように気をつけましょう。
また、締め付けの強い下着なども血液の循環を悪くしてしまいます。
湯船にゆっくり浸かって温めたり、下半身のストレッチやヨガ、鍼やお灸などがおすすめです。
また、飲み物や食べ物も温かいものを摂るようにしましょう。
妊活には排卵日を予測することや妊娠しやすい状態を作ることが大切ですが、バランスの悪い食事や栄養の偏った食事をしているとホルモンバランスが乱れて生理不順などのトラブルを引き起こします。
栄養バランスのしっかりと取れた食事は女性ホルモンのバランスが整い、冷えや生理不順など妊活の敵となるトラブルを防いでくれます。
また規則正しい食事時間も大切です。
食事の時間がバラバラだと体がついていかなくなり、ホルモンのバランスが乱れてしまいます。
血行をよくする効果のある生のタマネギ、イワシ、マグロ、キノコ類、ネギ、ショウガ。
卵子や精子の質を高める効果のあるナッツ類、カボチャ、モロヘイヤ、カツオ、マンゴー。
ホルモンバランスを整える納豆、豆腐、アボカド、マグロ、サンマなどがおすすめです。
卵巣の機能を低下させると言われているトランス脂肪酸。
具体的にはファストフードやマーガリン、インスタント食品、スナック菓子などの摂りすぎは控えましょう。
ほかにも、体を冷やすアイスクリームや冷たい飲み物、飲酒は避ける、カフェインは摂らないなど心がけるとよいでしょう。
わたしたち人間の睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があります。
レム睡眠とは睡眠が浅く、体は休んでいても脳が起きている状態で、ノンレム睡眠とは脳も体も休んでいる状態です。
人間はノンレム睡眠の状態のときに成長ホルモンが分泌されますが、この成長ホルモンはほかのホルモンを調整する働きを持っており、さまざまなホルモンのバランスの乱れを改善してくれます。
また、わたしたちが寝ている間には睡眠ホルモンと呼ばれるホルモンも分泌されます。
この睡眠ホルモンは卵子を攻撃する活性酸素を抑える働きをしてくれるため非常に大切なホルモンです。
ホルモンや睡眠ホルモンをたくさん分泌するには質のいい睡眠が欠かせません。
交感神経を刺激して脳を活発にしてしまう睡眠前の飲酒や入浴、携帯電話やパソコンなどのブルーライトを見ることは控えましょう。
全身浴は交感神経を刺激してしまいますが、半身浴や足湯は副交感神経を刺激してリラックスさせてくれるためおすすめです。
ほかにはアロマの香りや心が落ち着く音楽なども副交感神経を刺激してくれます。
ヨガに必要不可欠なのは腹式呼吸です。
深くゆったりと行う腹式呼吸は酸素を体のすみずみまで運んでくれます。
心が落ちついたり、血行をよくする効果があるため自然と心も体もリラックスできます。
また、リラックスすることによって交感神経や副交感神経などの自律神経が整い、ホルモンバランスを調整する効果があるため妊活に嬉しい効果がたくさんあります。
ぜひ心の落ち着く音楽などを聞いたり、好きなアロマを焚いたりしながらゆっくりと腹式呼吸を意識してみてください。
骨盤が歪んでいると骨盤まわりの血行が悪くなり、代謝が落ちてしまいます。
代謝が落ちると女性にとって大敵の冷えやむくみにもつながります。
また、骨盤だけではなく背骨も歪んでしまうため、体全体のバランスも悪くなってしまいます。
ヨガには骨盤矯正の効果があるポーズがたくさんあり、効果的に子宮まわりの動きを活発にすることができます。
子宮まわりの動きを活発にすることで代謝や血流がよくなり、子宮や卵巣の活性化、冷え性の改善などにつながります。
女性の体や心は非常にデリケートです。
日常生活や気温の変化などあらゆるストレスを受けて自身の知らない間にホルモンバランスは乱れていきます。
ホルモンバランスが乱れると体の中のバランスが崩れたことに心身が付いていかなくなり、さまざまな不調を引き起こします。
そんなときにもヨガが効果的なのです。
ゆっくりとした呼吸と、ゆっくりとした動きを組み合わせて行うヨガはリラックス効果が高く、副交感神経を刺激して自律神経のバランスを整えます。
自律神経が整うと自然とホルモンバランスも整います。
基礎代謝とは、1日中寝ていても消費されるカロリー(エネルギー)のことをいいます。
体温が1度上がると基礎代謝が13%~15%上がるとされており、体を冷やさないように暖かい飲み物をこまめに摂ったり、ゆっくり湯船に浸かって体を温めることが大切です。
また基礎代謝を上げるには筋肉をつけることもよいとされています。
ヨガにはインナーマッスルを鍛える効果があるため、インナーマッスルを鍛えることで適度な筋肉がつき、その結果基礎代謝が上がります。
基礎代謝が上がると細胞の生まれかわりが正常に行われ、子宮や卵巣など内臓機能のアップや免疫力がつき、元気な卵子が作られるなど妊活に嬉しいことがたくさんあります。
鋤のポーズは逆転ポーズと呼ばれる重力に逆らうポーズです。
下半身を心臓より上の位置に持っていくため、血行を改善する効果があります。
ほかにも内臓を刺激して内臓の働きを活発にするほか、むくみや肩こりを改善する効果もあります。
1.足と手をまっすぐ揃えて仰向けになります。
両脇をしっかりと締めて、手の平がペタッと地面につくようにします。
この時にゆっくりと息を吐ききります。
2.ゆっくりと息を吸いながら、足をまっすぐ揃えたままで垂直に持ち上げます。
このとき腰は地面に接地しているままにしましょう。
3.ゆっくりと息を吐きながら両足を頭側へ倒します。
倒しながら腰を持ち上げていきます。
手は肩を中に入れるイメージで指先を組みましょう。
4.この状態をゆっくりと呼吸をしたまま数十秒キープします。
肩で体重を支えるように意識してください。
足の指先がマットにつく場合は付いても構いません。
5.ゆっくりと息を吐きながら腹筋に力を入れることを意識しつつ腰と足をゆっくり下ろしていきます。
月のポーズは難易度が低く、取り入れやすいポーズです。
背骨をしなやかに柔らかくする効果があります。
骨盤にも働きかけるため、骨盤まわりやお腹まわりの内臓や筋肉を整えることができ、子宮の動きも活発になります。
1.両足をまっすぐ揃え、背筋を正して立ちます。
2.ゆっくりと息を吸いながら両手を頭の上で合わせます。
耳を挟むようにして肘は伸ばしたまま親指がクロスするように合わせます。
3.息をゆっくりと吐きながら上体を右に倒していきます。
このとき肘は伸ばしたまま行ってください。
30秒ほど呼吸を繰り返しながらキープします。
4.次の息を吸うタイミングで上体を真ん中まで戻します。
5.息をゆっくりと吐きながら次は上体を左に倒していきます。
こちらも肘は伸ばしたまま30秒ほど呼吸を繰り返しながらキープします。
6.次の息を吸うタイミングで上体を真ん中まで戻します。
鳩のポーズは難易度の高いポーズですが、下半身全体の血行をよくする効果があります。
子宮まわりの血行がよくなれば妊娠力のアップも期待できるほか、骨盤や内臓機能の調整やボディラインの引き締め効果も期待できます。
あせらずゆっくりと練習していきましょう。
1.鳩のポーズを行う前は必ずストレッチなどの準備運動を行なってください。
下半身や肩甲骨などのストレッチがおすすめです。
2.膝立ちの状態で右足の膝を右側に倒し、そのまま床にくっつけます。
3.左足はまっすぐ後ろに伸ばします。
4.左の足先を左の腕で支えつつ、お尻側に近づけます。
左腕で左足を抱え込むようにするイメージです。
5.右腕を頭の後ろから左腕と繋ぐように掴み、手のひらを組みます。
ゆっくりと呼吸をしながらキープします。
椅子のポーズは、腰まわりに作用するポーズのため子宮を始めとするお腹周りの内臓の位置を整える効果があります。
内臓をしっかりと正しい位置に整えることで、本来の働きを取り戻します。
ほかにもお腹周りや太もも、二の腕といったとくに気になりやすい部分をいっきに引き締めてくれる効果もあります。
1.両足に均等に体重をのせてまっすぐ立ち、両腕はまっすぐと身体に添わせながら下ろします。
このとき両足のかかとと親指とひざがくっつくようにしましょう。
2.両手を腰に当ててゆっくりと息を吐きながらひざを曲げていきます。
体重はかかとに乗せるようにし、椅子に腰掛けているように斜め後ろに腰を引きます。
3.ゆっくりと息を吸いながら両腕をまっすぐ天井に伸ばします。
耳を挟むように30秒ほどキープしましょう。
この時、ひざを揃えて上体もまっすぐキープします。
4.ひざを揃えたままゆっくりと足を伸ばして1の状態に戻ります。
これを2~3セット繰り返します。
合蹠のポーズは、背中から腰にかけてのストレッチ効果もあるため骨盤の歪みを整える骨盤矯正の効果があります。
また骨盤や股関節の血流をよくしてくれるため、冷え性の改善や代謝アップや、子宮の活性化にもつながります。
1.背筋を伸ばし、ひざを曲げて両足のかかとがくっついている状態になります。
2.かかとを身体側に引き寄せ、つま先を両手で包むようにして持ちます。
3.ゆっくりと息を吐きながら上体を前に倒します。
骨盤から前に倒すイメージで行いましょう。
そのまま30秒ほどゆっくりと静かに呼吸をしながらキープします。
4.ゆっくりと息を吸いながら上体を起こし、
最後にゆっくりと息を吐きながらポーズを戻してリラックスします。
チャイルドポーズは、腰が伸びて肩の緊張がほぐれるポーズです。
呼吸もより深く行うためリラックス効果が高いポーズといわれています。
また腰を伸ばし、下腹部に圧力をかけるため腰痛の緩和や便秘解消の効果も期待できます。
1.足の甲を地面につけるようにして正座をします。
お尻はかかとの上に乗せてひざは腰幅くらいに開きましょう。
2.ゆっくりと息を吐きながら上体を前に倒します。
同時に腕を肩幅に開いて手のひらを床につけたまま前方に移動させます。
この時、胸はひざにつけて頭は床に付いている状態にしましょう。
そのまま30秒ほどゆっくり呼吸をしながらキープします。
3.ゆっくりと息を吸いながら上体を起こしてください。
正座の状態に戻ったらリラックスします。
ひざや股関節に故障を抱えている方は控えましょう。
妊活中は、いつも以上に目に見えないストレスと戦わなければなりません。
ストレスが蓄積され、体に不調が起こってしまうとせっかくのチャンスを逃してしまうこともあります。
妊娠は心身ともに健康でなければなりません。
ヨガにはリラックス効果のあるポーズや子宮の活性化につながるポーズなど、妊活中に嬉しい効果を持つポーズがたくさんあり、どれも心身の健康につながります。
明るく楽しい妊活になるように、まずは難易度の低い、自分が心地よくリラックスできるポーズから日常生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。