これから妊活をはじめたいけど「なにか検査をしておいたほうがよいの?」と疑問をお持ちの方も多いでしょう。
今回は、妊活に取り組む前にしておくべき「検査」について解説します。
早めに検査を受け、スムーズに妊活をスタートさせましょう。
妊活で検査を受ける目的として、もっとも多いのが「自分の体の状態を把握する」ということ。
普段生活しているだけでは、自分の体の本当の状態には気づきにくいもの。
とくに、妊娠をさまたげる原因には自覚症状がないことが多いのです。
そのため「子どもが欲しい、妊活をしよう」と思ったときには、できるだけ早く検査を受けることをおすすめします。
万が一妊娠をさまたげる原因が見つかった場合にも、対処が早いに越したことはありません。
また「今は子どもを望んでいないけど、将来的に妊娠したい」という方も、検査を受けておくとよいでしょう。
いざというときに、すぐ妊娠できるよう「体を整えておく」ことが大切です。
あらかじめ検査を受けておくことで、自分の体の状態をしっかりと確認することが可能です。
何らかの疾患が見つかった場合でも、早いうちであれば今後の治療をスムーズに進められます。
妊娠をさまたげる要因を、事前に解消しておくことで妊娠の可能性はぐんとアップ。
反対に、検査をしなければ「自覚症状がない疾患をそのまま放置する」ことにつながり、妊娠の確率が下がってしまうことも。
たとえ「自分は健康だ」と自信を持っていても、体に何の問題もないとは限りません。
妊娠の可能性を高め、自覚症状がない疾患を発見するためにも、積極的に検査を受けるようにしましょう。
体の健康状態をみるのが「一般検査」婦人系の検査ではなく、体全体の状態をチェックする基本的な検査となります。
ご自分の状態をきちんと把握するためにも、妊活前に検査を受けましょう。
一般検査では、身長や体重などを測る「身体測定」血液の異常をチェックする「血液検査」肺や心臓の病気を調べる「胸部レントゲン」などを行います。
ただし胸部レントゲンに関しては、妊娠時に検査すると胎児の発育に影響を及ぼす恐れがあるため、必ず妊活前に行ってください。
また、一般検査は内科などで受けることが可能です。
医院によって費用や検査内容が異なる場合もあるので、事前に確認しておくとよいですね。
妊娠のしやすさをチェックするのが「婦人科検診」一般検査では調べられない、子宮・卵巣の状態や女性特有の疾患などをチェックすることが可能です。
婦人科検診では、子宮・卵巣・卵管の状態を確認する「経膣超音波検査」妊娠のために必要な女性ホルモンが分泌されているかチェックする「ホルモン検査」などを行います。
また、医院によっては女性特有の「子宮がん」「乳がん」などの検査をすすめられることもあります。
これらは、妊娠に関わるさまざまな事柄をチェックするもの。
スムーズに妊活を行うために、受けておいて損はありません。
婦人科検査は「レディースクリニック」や「産婦人科」などで行うことができますので、ぜひチェックしてみてください。
卵子の個数を調べるのが「AMH検査」です。
AMHとは、卵胞から分泌される「アンチミューラリアンホルモン」の略。
血液を採取し、卵巣に残っている卵子の個数を調べることで、妊娠力がどのくらいあるのかチェックできるのです。
AMHの値が高いほど、卵子の数が多いということになります。
ただ「卵子の数=卵子の質のよさ」ではありません。
卵子の数が多くても、状態がよくないことがあるので注意してください。
AMH検査は、婦人科検査同様「レディースクリニック」「産婦人科」などで受けることが可能です。
基本的には保険適用外となることを覚えておきましょう。
また「不妊治療の一環でしか、検査を行わない」という医院もあるので、事前の確認をおすすめします。
風疹、水痘などの抗体をみるのが「感染症検査」妊婦がこれらの感染症にかかっていると、胎児が「先天性風疹症候群」「先天性水痘症候群」を発症してしまう危険性があります。
脳や心臓に奇形が生じたり、低出生体重児のリスクが高まるなど、どちらも胎児に大きな影響を与えます。
風疹、水痘は、予防接種を受けることでしっかりと防げる感染症です。
胎児に影響を与えないためにも、妊活を行う前に「検査」そして「予防接種」を受けるようにしましょう。
感染症検査は、内科などで行うことが可能です。
また、自治体によっては、保健所で「風疹、水痘の抗体検査」を行っていることも。
それぞれの自治体のホームページをチェックしてみてくださいね。
クラミジアや梅毒などに感染していないかチェックするのが「性感染症検査」です。
性感染症は、母子感染のリスクがとても高いといわれています。
とくに女性は自覚症状がない場合も多く、気づかぬうちに胎児へ感染し「流産」「早産」「死産」となってしまうケースも。
また、性感染症はクラミジアや梅毒以外にも多く存在します。
大切なパートナーや胎児への感染を防ぐためにも、妊活開始前に検査を受けておきましょう。
早期発見できれば、治療もスムーズです。
性感染症の検査は、「レディースクリニック」「産婦人科」などで行うことが可能です。
また、全国の保健所でもいくつかの性感染症検査を無料で行っています。
検査の実施は月に1、2回程度なので「いつ検査を行っているのか」「予約できるか」を事前に確認してください。
男性の精子の状態をみるのが「精液検査」です。
1回の射精による「量」「濃度」「運動率」などを調べることによって、「妊娠しやすいかどうか」をチェックできます。
世界保健機関は精液・精子濃度・運動率などの基準値を発表しており、検査ではこれを参考にに精子の状態を確認します。
ただ、正常値はあくまでも基準であって「正常値を下回ったから不妊」というわけではありません。
生活習慣や食生活などによって、数値が変わりやすいので複数回検査を受けることをおすすめします。
精液検査は「産婦人科」「泌尿器科」で受けることが可能です。
しかし、医院によっては「検査の設備がない」という場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
「不妊治療」に力を入れている医院であれば、ほぼ検査が可能です。
精巣の状態を確認できるのが「超音波検査」陰部に超音波を出すブローブを当てながら、「精巣の容積」「精路閉塞がないか」などをチェックします。
超音波検査は「泌尿器科」などで受けられるのでぜひチェックしてみてください。
そして、血液を採取しホルモンの状態をチェックするのが「ホルモン検査」です。
「ホルモンの分泌がしっかり行われているか」「造精機能に異常はないか」を細かく確認していきます。
こちらも、超音波検査同様「泌尿器科」「不妊治療を行っている医院」などで検査を受けられます。
妊活前の検査は、女性だけでなく男性も行うことが大切です。
ご自分の体の状態を把握し、妊娠しやすい体をつくっていきましょう。
妊活の検査にかかる費用は、一概にいくらとはいえません。
病院や、検査内容によって金額は大きく変動します。
また、保険が適用できる回数が決まっているものもあるので、事前にしっかりチェックしてくださいね。
初診の場合、有名医院では1万6千円~3万円・一般的な婦人科では5千円~1万円程度が平均的。
費用が不安な場合は、あらかじめ医院に行いたい検査を伝え「いくらかかるのか」を問い合わせておきましょう。
検査が大きな出費となるケースも多いですが、ご自分の体の状態を把握するのはとても大切なこと。
必要だと感じる検査は、お金を惜しまずに行いましょう。
妊活の検査は、なるべく早く受けることをおすすめします。
「妊娠したい」と思ったら、すぐにでも検査を行いましょう。
結果に問題がなければ、すぐに妊活をはじめられます。
反対に「妊娠しにくい」という結果が出た場合にも、早いうちに判明することでスムーズに不妊治療を行うことが可能です。
また「まだ妊娠を望んでいない」という方も、ご自分の身体の状態を把握しておくことは重要です。
将来的に「妊娠したい」という気持ちがあるならば、検査を受けて損はありません。
早い段階から、定期的な検査を心がけてくださいね。
妊娠に関わる検査には、多くの種類があります。
これらの検査は、妊活を行うにおいてとても重要。
子どもが欲しいと考えている女性の中にも「しばらく何の検査も受けていない」という方がいらっしゃるでしょう。
体の問題は、必ずしも表面に出るとは限りません。
気づかないうちに病気が進行しているケースも。
スムーズに妊活を行うには、事前にご自分の身体の状態を把握することが大切です。
しっかりと必要な検査を受け、安心して妊活をスタートさせましょう。