不妊症というと、少し前まで「女性が治療するもの」という認識が強くありましたが、近年、男性側に原因がある「男性不妊」も、認識が浸透してきました。
事実、WHOの「不妊症の7273カップルの調査」によると、不妊症の原因は、
・男性のみ 24%
・男女ともにあり 24%
と、不妊の原因の48%が男性にあるという結果が出ています。
この記事では、男性不妊についての記事についてお送りします。
男性不妊の原因は、大きく2つに大別されます。
精子の問題(精液性状低下)と、性機能不全です。
まずは精子の問題(精液性状低下)について。
男性不妊の原因は、約90%は精子をつくる機能に問題があると言われています。
これを「造精機能障害」といいます。
造精機能障害は、おもに次の3つがあります。
精液の中に精子が1匹もいない状態です。
この状態だと、妊娠の確率はゼロに近いですが、精巣に精子があれば、顕微授精などの不妊治療で妊娠が可能になります。
精液の中の精子が少ない状態です。
すなわち、妊娠を期待できるほどの精子がいない状態です。
WHOの報告によると、近年の食生活や生活環境の変化、ストレスなどによって、成人男性の精子数が減少しているという研究結果が発表されています。
不妊治療では、タイミング法、人工授精、体外受精、顕微授精などが行われます。
精子の数は正常だが、正常に運動している精子が少ない状態です。
精子は卵子を目指してまっすぐ泳いでいきますが、卵子に到着できるくらいの動きの良い精子が少ないと、妊娠しにくくなります。
不妊治療では、人工授精や顕微授精などが行われます。
男性不妊の場合、精子に問題があるケースが90%です。
妊娠を目指す場合、不妊治療に頼る場合が多くなるかもしれません。
もし不妊治療を受ける場合、日常生活でさらに精子の質を悪くするようでは、授かれる確率は下がってしまいます。
日常生活でできる男性不妊対策はありますのでいくつか紹介します。
タバコの害はすでにご存知かと思いますが…タバコは、勃起不全や、精子形成の異常、運動率の低下、奇形化を高める傾向にあります。
精子の数が減り、卵子と結合する力が弱まります。
確かにタバコを吸っといても、赤ちゃんを授かる夫婦はいます。
でもあたな方ご夫婦が不妊であるならば、タバコは妊娠率を下げる原因であることは間違いありませんので、控えましょう。
ストレスは、男性ホルモンの分泌量が下がり、精力減退や勃起不全(ED)の
原因にもなります。適度な運動でストレスを発散しましょう。
ストレスのはけ口を飲酒や喫煙に向けるのは、返って逆効果ですので
注意しましょう。
風邪などによる一時的な発熱であれば、ほとんど影響はないようですが、
「おたふく風邪」は、精子をつくる機能が弱くなってしまうことがあります。
風邪気味だと思ったら、すぐに病院へ行きましょう。
38度以上の高熱を出さないように、気をつけることも大切です。
添加物がたくさん含まれるジャンクフードやインスタントフードばかり食べていると、環境ホルモンが体内に蓄積され、精子の質が下がったり、数も少なくなったりします。
女性だけでなく、男性も環境ホルモンの知識を持つことが大切です。
高カロリー高脂肪の食事、食物繊維不足などに気をつけましょう。
男女共に肥満は不妊に直結しますし、糖尿病ともなれば
妊娠率が大幅に下がってしまいます。
手軽なファーストフードやインスタント食品をよく食べる人は、ミネラル不足になりがちです。一度、食事メニューや栄養のバランスをチェックしましょう。
冒頭にも書いたように、不妊の原因の割合は、男女半々です。
女性だけが妊活、不妊治療を頑張って、赤ちゃんを授かれる子宮環境や、健康な卵子を用意しても、男性に問題があれば、意味がありません。
実際に、男性が検査を受けないまま女性だけが頑張って、何年か経った後に、男性側にも原因があることが分かった…なんて話もあります。
不妊症の検査は、必ず夫婦一緒に受けましょう。